入門

中井広恵の駒の自然な使い方

中井広恵の駒の自然な使い方 (NHK将棋シリーズ)
著者 :中井 広恵
出版社:日本放送出版協会
出版日:2007-11T
価格 :¥120(2021/10/12 19:06時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

NHK将棋講座をまとめたもの。
タイトルの「自然な」というのは、いい手、くらいの意味と思っていただければ間違いないだろう。

一応、序盤、中盤、終盤とすべて解説してはいるのだが、終盤では自然というのが一切出て来ない。終盤は、自然かどうかというよりは純粋に読みの世界になってしまうから仕方のないことだとは思うのだが、だったら最初っから序盤のみの解説に特化した方が「自然」を全面に出せてよかったと思う。半年間の講座であるために間が保たないとか、いろいろ事情があるであろうことは重々承知の上で、でももったいなかったと指摘したい。
それと、どうでもいい話なのだが、本書の図面番号はすべて通し番号になっている。最後の図面は314図(!)である。こういう番号の振り方は初めて見た(笑)。なんでこういう風にしたんだろう。

作成日:2014.12.27 
入門

女性のための将棋の教科書―誰でも簡単に始められる入門編

女性のための将棋の教科書―誰でも簡単に始められる入門編
著者 :上田 初美
出版社:つちや書店
出版日:2012-08-01
価格 :¥1,474(2021/10/13 09:19時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「女性向き」というのをとにかく前面に押し出している珍しい(?)タイプの入門書。著者のところに「タイトル保持者」とあるのは、「女王」と書いても一般の人には何のことだか判らないからだろうか(笑)。
本書がどんなものなのかを知るためには、表紙折り返し部分(表2ってところかな)を読んでいただければそれで十分だろう。

将棋は、あなたの人生をより素敵に彩ります。
礼儀作法、深い友情、家族との時間、夢を叶える計画性……
将棋の魅力は、ただゲームとして楽しむことだけに留まりません。
将棋から得られるものを通して、女性の毎日はより、輝くことでしょう。(以下略)

えーっと……。

内容は、駒の動かし方から始まって、駒の取り方、簡単な手筋、囲いの種類、戦法について、詰め将棋、といったもの。
一応、きちんとコンパクトにまとまっていると思う。
オールカラーであることを利用して大事なところを黄色のマーカーでラインを引いたようにして表示したり、図面を細かく出したり、随所にマンガをはさむなど、判りやすく説明をしようという意図はきちんと感じ取れた。これはちゃんと評価しておきたい。

まぁ、逆に言うとツッコミたいところは随所にあるわけで、細かいところでは詰め将棋を詰み将棋と言ったり(P.87。誤植であると信じたい)、玉を詰ますことを「駒を詰ます」と言ったり、戦法を説明するのに「定跡や手筋のこと」と言ったり(まぁ間違いと攻め立てるほどのことではないのかもしれないけど、ニュアンス的には違うよなぁ……)、というのがある。
しかしそんな瑣末なことより、とにかく「居心地が悪い」。なんというか、『STORY』あたりの「モテぷよ女性(STORYの想定読者層は40歳台くらいかな)が若い男の子にもてもてっ!」みたいな、ものすごく作られた人工的な感じで、まぁこれは白砂が男だからしょうがないんだろうけど、どうにも居場所がなかった(笑)。読んだは読んだけどもういい(爆)。

個人的には、将棋というゲームはゲームとしてとても面白く、別に人生を素敵に彩りたい「から」やり始めたわけでもないし、それはあくまでも副次的なものだと思っている。なので、そんなサギっぽい(笑)誘い文句で将棋の素晴らしさを喧伝するのは、それは違うんじゃないかなぁ……と思う。もっと言っちゃうと麻雀で人生を語ったりする桜井章一と同じ臭いがしてなんかイヤだ。
ただ、これで、まっっっっっっっったく将棋に興味のなかった人が将棋に興味を持ってくれて、それで同好の士が一人でも増えるのであれば、それはそれで将棋界のためにはいいんじゃないか、とも思うので、(くどいようだが個人的には全くこういう宣伝方法には惹かれないが)これで興味を持ってくれる人もいるかもしれないので、そう考えるとこういう宣伝方法も「アリ」なんだろうなぁ……。

作成日:2012.10.16 
入門

マンガ版 将棋入門

マンガ版 将棋入門:はじめてでもすぐ指せるようになる!
著者 :藤井ひろし
出版社:創元社
出版日:2010-07-21
価格 :¥1,100(2021/10/13 00:35時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

タイトル通り、マンガで書かれた入門書。
駒の動かし方からルール、「詰み」の概念、手筋、玉の囲いなど、マンガなので分量は限られているが、要領よくまとめられている。

以前から「子供用に漢字にルビを振っていながら子供にわからない単語を使うな」という話をしているが、マンガにすることでその制限をかなり緩くできるのはいい点だ。
例えば、金の特性を説明する際、「金は斜め下が弱点。なので、一番下にいる方がいい。一流の剣客がカベを背にして背後からの攻撃を防ぐのと同じ」というような説明をしている。「一流の剣客」だの「背後」だの言われて子供が判るとは思えないが、カベを背にして刀を持って立っている絵を見せれば何を言わんとしているのかは子供でも判るはずだ。ついでに言うと、その話からつなげて「玉の守りも背後と側面のカベを利用しよう。だから玉は端の方に囲おう」と持っていったのはうまいと思った。そのときに▲6八銀▲4八銀の「無敵囲い」を引き合いに出して、「でもこれだと前から左右から攻められるからよくない」という解説をしたのもよい。

全体的に、マンガという「かけあい」で話が進んでいくため、書いてある内容は理解しやすい。
ただ、説明が非常に「部分図的」なので、ではまったくの初心者がどうやって1局指そうか、という話になったときには本書は全く使えない。限られた紙数で説明をするのは難しいというのはよく判っているつもりだが、その辺りはもう少し工夫してほしかった。たとえば6ページくらいで、序盤はこんなことを、中盤はこんなことを……という説明をはさむだけで、だいぶ構成が「しまった」と思うのだ。

オールマンガで説明(棋譜すら出てこない(←棋譜という存在の説明はちゃんとある))している本というのはそれだけで貴重だし、慣れた作家さん(藤井ひろしという作家はこういう入門書系のマンガを数多く出している)だけに非常にリーダビリティの高い本に仕上がっている。
低年齢の、それこそ小学1年生でも読める将棋入門、という点ではとてもよい本だと思う。
ちなみに、42ページ問2の4二飛は龍が正しい。飛車だと、▲3一馬を△同玉と取られて詰まない。

作成日:2011.08.31 
入門

一人で学べる! 小学生のための将棋入門

一人で学べる!小学生のための将棋入門
著者 :佐藤 康光
出版社:日本文芸社
出版日:2009-05-01
価格 :¥1,045(2021/10/12 19:06時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「著者:佐藤康光」となってはいるが、まぁ間違いなくゴーストだと思う入門書。一応、佐藤とおぼしき先生役のイラストがあったり、実戦譜で久保を棒銀で吹っ飛ばす棋譜を使っていたりと、それなりに「佐藤康光」を前面に出してはいる(笑)。

駒の動かし方から各駒の特徴、序盤中盤終盤での戦い方、戦法解説、詰め将棋など、基本的なことはこの一冊でなんとかなると思う。
特に戦法解説については、相掛かり、矢倉、角換わり棒銀、角換わり腰掛け銀、筋違い角、横歩取り、四間飛車、居飛車穴熊、三間飛車、ツノ銀中飛車vs玉頭位取り、メリケン流向かい飛車、升田式石田流、ゴキゲン中飛車、相振り飛車と、これだけラインナップが揃っている。もちろん見開きで駒組みまでという簡単なものではあるが、指し始めの案内としてはこの程度で十分だろう。むしろ広く網羅してあることで、どんなタイプの子供にも対応しているとも言える。やはり「形」を知りいろいろ指してみるというのも重要だろうから。

また、最後の章の格言集も、序中終盤をそれぞれ5段階に分け計15段階とし、どのくらいの局面で使うべき格言かを示しているのもいい。
たとえば、「玉の守りは金銀3枚」は序盤3・4・5、「駒損はするな」は序盤3・4・5と中盤1・2・3、「攻めの拠点を解消するな」は終盤2・3・4・5といった具合である。「駒損はするな」は序中盤だけの格言であるとか、序中盤くらいでは拠点の解消よりは駒得を重んじるから「攻めの拠点を解消するな」の格言は使わない、とか、そういう「使いどころ」が判るようになっている。細かい点ながら、実用性は高いのではないかと思う。

欠点としては、170ページくらいと薄い本なのでどうしても個々の内容は薄くなっていること。また、これまた細かいことを言えば、本文の説明に一切太字や強調点がない。そのため、重要なポイントというのがやや掴みにくいかもしれないな……という気がした。ある程度はイラストで補完したり文章で強調したりはしているのだが、子供にそれが伝わるかは難しい。太字や大文字を使うくらいはしてもよかったのではないだろうか。まぁ、それでちゃんと強調できるか? と問われると難しい問題ではあるんだけども……。

薄い本ではあるが、逆に言えばさらっと全体像を掴むには適している本だと思う。
前述の通り、少し文意から内容を汲み取る作業があるので、小学校高学年くらいからが適していると思われる。

作成日:2011.08.31 
入門

こども将棋 囲いの破り方入門―どんどん強くなる

こども将棋 囲いの破り方入門―どんどん強くなる
著者 :
出版社:池田書店
出版日:1996-09T
価格 :¥1,023(2021/10/13 05:18時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

全編ルビつきの、子供向けの解説本。矢倉・美濃・舟囲い・穴熊の崩し方に加え、少しではあるが中住まいや金無双の崩し方も解説している。

基本的なことを書いているだけなので、初段くらいの人ならばきっとどこかで見たことがある変化ばかりであろうが、子供が自分で勉強するにはちょうどいい難易度だと思う。
カタログ的にうまくまとめてある。
大人であっても、級位者の人であれば一読して損はないと思う。子供向けなので若干くどいと思うかもしれないが、逆に言うとそれくらいわかりやすく記述してあるわけで、普通の(?)囲い崩しの本を読むよりは理解が早いかもしれない。

駒の動かし方を覚え、将棋を指し始めて少し経った子供に読ませるにはピッタリの良書だ。
ただ、古い本なので、手に入りにくいと思う。それが残念なところだ。

作成日:2011.08.31 
入門
広告