振り飛車

1冊で全てわかる向かい飛車 その狙いと対策

1冊で全てわかる向かい飛車 その狙いと対策 (マイナビ将棋BOOKS)
著者 :安用寺 孝功
出版社:マイナビ出版
出版日:2018-05-16
価格 :¥538(2021/11/01 22:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

△4四歩と角道を止めてから△3二金として△2四歩と突いていく急戦向かい飛車と、向かい飛車にするメリケン向かい飛車、それと現代風の▲5六歩向かい飛車、角道オープン向かい飛車、最後に角頭歩戦法を解説している。 最初の章で振り飛車優勢の変化を多く解説し、次章に居飛車側の対策を解説する、タイトル通り「狙い」と「対策」を解説しているわけだ。読んでみると意外とスッと頭に入ってきて、これはこれでアリかなと思った。

内容的には「ちょっとさらう程度」といった感じで、例えばメリケン向かい飛車なら本家の『公望流メリケン向飛車戦法』の方が3倍は詳しい。もっとも同書は絶版のようなので簡単には読めないが。最初の△3二金型の解説もおざなりな感じだし、だったら△3二銀型も採り上げてくれればもっと面白かったんじゃないかなと思ったりもした。
ただ、本書のコンセプトがカタログ的にいろいろ紹介して、振り飛車の人は指してみてほしいし、居飛車の人はやられて困ったらこれを読んでね、という感じなのだろうから、ある程度解説が薄くなるのは仕方がないのかもしれない。

そういう視点で見れば、初段くらいまでの人は十分に「買い」だし、それより上の人も一読はしてほしい。図面の取り上げ方もいい感じなので、盤駒がなくても読めると思う。それだけちゃんと練られていると感じた。

作成日:2018.07.26 
向かい飛車

堅陣で勝つ!飯島流引き角戦法 Final

堅陣で勝つ!飯島流引き角戦法 Final (マイナビ将棋BOOKS)
著者 :栄治, 飯島
出版社:マイナビ出版
出版日:2018-07-11
価格 :¥1,694(2021/11/01 22:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

これまでにも発刊されていた『飯島流引き角戦法』の最終巻(?)。角道を開けずに駒組をする対振り飛車戦法で、これだけ聞くと鳥刺しと同じだが、平美濃に固く囲って攻めるという発想を加えたところが新しい。元々は対藤井システムから生まれたものだが、今は藤井システムはねぇ……orz。

内容は後手向かい飛車と後手三間飛車、あと駒落ち。いや、それはさすがにさぁ……。
前半はまぁ面白く読めた。これは別の平美濃を解説した棋書でもあったが▲7六角と打つ筋とか、角道を開けない形を活かした面白い手だと思う。▲3三歩と垂れ歩で攻めるという攻め筋も従来の急戦形ではあまり見ない手筋で(どういう局面か頭に出てこないでしょ?)、これは通常の急戦形に逆輸入できないもんかなと思ったりもした。

角交換振り飛車やゴキゲン中飛車などの「攻める振り飛車」が台頭している今、「角道が開いてなきゃ急戦で攻めらんないでしょ」という発想は面白いと思う。なのでよりいっそう、なんで駒落ちを一緒に載せた……という思いが強い。前著が売れなくなるのはわからないではないが、改めて総集編をやるとか、前著から定跡が進んだ部分を載せるとか、やりようはいろいろあったと思うのだ。
なんか本の作り方的にどうかなぁ……と感じてしまった。

作成日:2018.07.26 
振り飛車全般 駒落ち

四間飛車・序盤の指し方 完全ガイド

四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)
著者 :井出 隼平
出版社:マイナビ出版
出版日:2018-03-13
価格 :¥1,694(2021/11/01 22:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

四間飛車vs居飛車について、急戦も持久戦も、ほとんどの戦形を解説している。
しかも、四間飛車側は美濃囲いがメインで、居飛車穴熊などにも銀冠で戦う。なかなか「古い」形である。
取り上げた戦形を列挙すると、急戦がナナメ棒銀・4五歩早仕掛け・棒銀・鷺宮定跡。居飛車穴熊が通常の穴熊と松尾流、角交換型。その他の戦形として左美濃・5筋位取り・玉頭位取り。右四間がないくらいで、確かにほとんどの戦形は網羅してある。

解説の内容はいささか初級者向けで、例えばナナメ棒銀では△8六歩の突き捨ての形すら紹介されていない。なので▲6五歩のカウンターがまともに入って綺麗に勝つ。5筋位取りなんかも飛車を見捨てて▲7七角と出る、という懐かしい定跡がそのまま紹介されている。ノーマル四間を扱っているということから、あまり定跡が磨かれていない部分があるのは仕方がないが、白砂が学生の頃の定跡を平成最後の夏に目にするというのはなんというか……。

最新形を追うのはある意味「疲れる」ことなので、居飛車穴熊あたりに対抗できるのであれば、ノーマル四間は非常に「楽な」戦法であると言えるだろう。こちらの陣形の理想形は決まっているので、組むのが格段に楽なのだ。なので、級位者がとりあえず四間飛車一本で初段を目指す、といった使い方は有用だと思う。そういった意味であれば本書は級位者には有用だろう。
とはいっても、本書をきっかけの一冊とするのはアリだと思うが、あまりに解説が薄すぎるので、これ一冊で、というわけではいかない。他の棋書で補完する必要がある。
とはいえ、著者の井出はプロの世界でこのノーマル四間で戦っているわけで、ということは棋力さえあれば十分に戦えるはずだ。加藤一二三が「棒銀が悪いわけではない」と語っていたが、それと同じなのかもしれない。フォロワーが少ないのでノーマル四間の復権はまだまだ遠いだろうが、同じ振り飛車党としては応援したい。

作成日:2018.07.17 
四間飛車

振り飛車の核心 ”さばき”の基本手筋

振り飛車の核心 “さばき"の基本手筋 (マイナビ将棋BOOKS)
著者 :藤倉 勇樹
出版社:マイナビ出版
出版日:2018-04-23
価格 :¥1,694(2021/11/02 15:00時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

振り飛車側から見た対抗形の定跡について、次の一手で勉強する本。三択・ヒントつきというどちらかというと級位者向けに作られている。

問題は四間飛車がほとんどで、一応三間飛車・中飛車・向かい飛車もある。なぜか4→3戦法も入っているのがいいのか悪いのか。あと、中盤の次の一手というのも少し入ってたかな。
特に四間飛車編では居飛車側の戦法がほとんど急戦で、▲8五歩△同銀▲8八飛とか、▲6四歩△7七角成▲6五銀△7五飛▲7七桂とか、居飛車穴熊黎明期を知っている白砂くらいの世代には懐かしい手順が紹介されたりしている。懐かしいのは結構だがしかしどれくらい需要があるのかが少し疑問で、同時にそんな風に将棋が変わってしまったことにちょっと残念に思ったりもしてしまった。

定跡の基本的な部分の、振り飛車がカッコイイ部分を抜き出して紹介してくれているので、定跡の勉強というよりは振り飛車の「布教用」かなぁ……などとも考えてしまった。とにかくこういう手順・形を紹介して、捌きのカッコよさを吸収してもらおうというのであれば、一定の効果はあると思う。鈴木大介定跡というか(笑)。ただ、やっぱり振り飛車の醍醐味ってこれなんだよなぁ。
初段くらいまでにはこの本の変化はすべて知っているくらいでないといけないと思うので(もしくは「こんな将棋にはならないから必要ない」か……orz)、それ以上の人は勉強用としては本書は必要ないと思う。ただ、「こんな将棋にはふだんはならないけど」というエクスキューズをつけないといけないのは少し悲しいけど、こういうのが振り飛車なんだよ、面白いでしょ! と級位者の人たちに知ってほしくはなる。

作成日:2018.06.02 
振り飛車全般 次の一手

菅井ノート 後手編

菅井ノート 後手編 (マイナビ将棋BOOKS)
著者 :菅井 竜也
出版社:マイナビ
出版日:2012-09-27
価格 :¥1,980(2021/10/13 19:19時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

NHKの冒頭インタビューを観て以来、というかその際に聞き手の矢内が「だいじょうぶ、すぐ終わるから」と励ましたという逸話を聞いて以来、夫婦でファンをやっている菅井(<どういう説明だ(笑))の著書。振り飛車党でもあり、超速対策として自らの名を冠された「菅井流」を生み出した開発者でもある。

内容はほぼvs超速。

菅井流
▲3七銀に△4四歩と突く形。続けて▲4六銀なら△4五歩と引っ張り込んで攻めよう、という大胆な構想だ。▲7八銀型の対策にも触れている
△3二金型
いきなり後手が5筋を交換する形に対して、先手が▲5五歩とフタをする手と、2枚の銀で中央を制する形。また、少しスピードは落ちるが、▲5八金右まで囲う形や、端歩を突き合う形にも触れている。
△3二銀型
△3二金型と同様に5筋の歩を交換し、先手が2枚の銀で中央を制する形。後手の形の違いが問題となる。
銀対抗型
▲4六銀に△4四銀と受け止める指し方。穴熊の戦いになる。
一直線穴熊
前章をもっと先鋭的にして、超速を捨ててでもとにかく穴熊に囲う、という指し方。▲8八銀と上がらないことで、角頭を攻められた際に▲8八角と引くことができる、というう工夫により注目された。
その他
343戦法の改良形、少し古い5筋からの攻め筋など。

現在(2015年)ではあまり見られなくなったゴキゲン中飛車だが、この当時(2012年頃)は、ゴキゲン中飛車に対して超速という特効薬ができたと、振り飛車党も居飛車党もこぞってこの戦形を指していた気がする。

『島ノート』ほどではないが、上記で説明した通り、それぞれの形について詳細に解説されている。図面の挟み方や文字フォント、行間に至るまで、とても丁寧に仕上げられた本である。
繰り返しになるが現在ではやや下火になっている感がある戦法なので、今これを読んでゴキゲン中飛車党になる! という人はあまりいないだろうが、飛角が乱舞する振り飛車らしい振り飛車なので、指してみると楽しめると思う。振り飛車の勘所をこの戦法でつかんで、他の戦法、例えば角交換四間飛車などに移行すると、その感覚の同じところと違うところが判ってより一層指し手に深みが出るだろう。
そういう意味では、内容は有段者向けの本なのだが、むしろ初段前後くらいの居飛車党にお勧めしたい。居飛車らしい緻密さだけではなく、振り飛車流の「いい意味でのおおざっぱさ」がきっと掴めると思う。

作成日:2015.02.12 
振り飛車全般
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