その他

関西若手棋士が創る現代将棋

関西若手棋士が創る現代将棋 (マイナビ将棋BOOKS)
著者 :池田 将之
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2018-07-24
価格 :¥1,449(2024/08/31 20:22時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

将棋世界に連載されていた「関西本部棋士室24時」をまとめた本。
また、冒頭に結構なボリュームの棋士座談会がある。正直、この部分だけでも十分に読む価値があると思う。特に「将棋」より「棋士」が好きな方は必読。

メインの連載は、意外と言うと失礼だが豊富に実戦例を紹介している。また、題材についても『対局日誌』と同じく、読んで楽しめるものをということからか逆転やねじり合いの将棋を多く取り上げている。棋士の控室に入り込んで観戦しながら検討している様を追体験できるようなもので、こちらは「将棋」が好きな方にも読んでもらいたい。逆転術や競り合いでの勝ち方、腰を落とした受け方など、実戦感覚が身につくと思う。
あと、これもよくあるものだが、連載にあたってつけられた注釈が意外とツボだった(笑)。北浜が移籍したりとか、そういえばそうだったか……と思ったりして。

時に棋士の(特に糸谷の?)お茶目な一面も覗けて、将棋も強くなれて、こうやって一冊にまとめたものを読んでみると意外といい連載だったんだなぁと認識を新たにした。合う合わないはあると思うので、ひとまず立ち読みか図書館で借りるかして、肌に合ったらじっくりと読んでみる、というのがいいだろう。

作成日:2018.07.26 
読みもの

振り飛車の核心 ”さばき”の基本手筋

振り飛車の核心 “さばき"の基本手筋 (マイナビ将棋BOOKS)
著者 :藤倉 勇樹
出版社:マイナビ出版
出版日:2018-04-23
価格 :¥1,694(2024/08/31 21:16時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

振り飛車側から見た対抗形の定跡について、次の一手で勉強する本。三択・ヒントつきというどちらかというと級位者向けに作られている。

問題は四間飛車がほとんどで、一応三間飛車・中飛車・向かい飛車もある。なぜか4→3戦法も入っているのがいいのか悪いのか。あと、中盤の次の一手というのも少し入ってたかな。
特に四間飛車編では居飛車側の戦法がほとんど急戦で、▲8五歩△同銀▲8八飛とか、▲6四歩△7七角成▲6五銀△7五飛▲7七桂とか、居飛車穴熊黎明期を知っている白砂くらいの世代には懐かしい手順が紹介されたりしている。懐かしいのは結構だがしかしどれくらい需要があるのかが少し疑問で、同時にそんな風に将棋が変わってしまったことにちょっと残念に思ったりもしてしまった。

定跡の基本的な部分の、振り飛車がカッコイイ部分を抜き出して紹介してくれているので、定跡の勉強というよりは振り飛車の「布教用」かなぁ……などとも考えてしまった。とにかくこういう手順・形を紹介して、捌きのカッコよさを吸収してもらおうというのであれば、一定の効果はあると思う。鈴木大介定跡というか(笑)。ただ、やっぱり振り飛車の醍醐味ってこれなんだよなぁ。
初段くらいまでにはこの本の変化はすべて知っているくらいでないといけないと思うので(もしくは「こんな将棋にはならないから必要ない」か……orz)、それ以上の人は勉強用としては本書は必要ないと思う。ただ、「こんな将棋にはふだんはならないけど」というエクスキューズをつけないといけないのは少し悲しいけど、こういうのが振り飛車なんだよ、面白いでしょ! と級位者の人たちに知ってほしくはなる。

作成日:2018.06.02 
振り飛車全般 次の一手

プロが書けない 「将棋界」

プロが書けない 「将棋界」
著者 :島津 六
出版社:ごま書房新社
出版日:2018-05-08
価格 :¥1,650(2024/08/31 23:07時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

 カルチャー&スポーツライターでありノンフィクションライター(日高将名義)でもある著者が、将棋ファンの目線で将棋界について語っている。

 内容は大きく2つ。

 一つは、昔から現在までの将棋界について。大山・升田時代や羽生7冠など、それぞれの時代について、わざと悪い言い方をすると「昔語りのおっちゃん」風に語っている。また、ファンなら必ず一度は考えたことがあるだろう「史上最強棋士は誰か?」といったことも、かなりのページを割いて考察している。
 個人的には、当たり前といえば当たり前なんだけど「わかるなー」という部分と「そりゃ違うだろう」という部分とがあって、正直あまり評価はしていない。
 例えば、羽生の7冠は史上初の快挙ではあるが、じゃあ大山が7冠取れるかというとまぁ無理で、というのも大山の全盛期はタイトルは5つしかなかったから。ないものは取れない。
 この理屈は判らないわけではない。だから、そういう表現で羽生を過剰に持ち上げているのでは? という著者の主張は判らないわけではない。ただ、だからといってタイトル占有率が強さの証明というわけではないということも見逃してはならない。「井の中の蛙」は最強でもなんでもないのだから(大山がそうだと言っているわけではなくて、「論拠」にならないという話をしている)。その点で、「徹底解析!実力名人制以降最強棋士は誰?」については、ちょっといただけなかった。全体的に論拠が薄すぎる。天野宗歩は当時無敵だったから史上最強、という話をしてるんじゃなくて、天野宗歩が現代にやってきたとして、棋風や棋譜から考察すると現代においても互角以上に戦える、という話をするべきなんじゃないのかなぁ。

 もう一つは著者が受けたことのある指導対局について。
 男性棋士も少しはあるんだけど、メインは女流棋士の指導対局。うーんとね、

ナイスきもい(爆)

 昔、新横浜にアプト(ロシアの超絶イケメンスケーター)が来たことがあって、実はまだ広報前だったのだがなんかの弾みに噂を聞いたもんでそれをフィギュアヲタの女の子に話したら速攻で新横浜に飛んでチケット手に入れて(バレバレだったのか、チケット窓口のおっさんに「どこで知りました?」「アブトさん(目当て)ですか?」などと訊かれたらしい(笑))、花束渡せたよありがとっ! と言われたことがありました。その時はアイスショーだったので、ショーの場合は皆さんがテレビで観るような「花束をリンクに投げ込む」感じじゃなくて、リンクサイドまで来てくれて花束を受け取ってくれるんです。その娘はアブトに握手までしてもらえたそうで、とっても喜んでました。それを聞いて、「あぁ、スケーターってのは『会いに行けるアイドル』なんだなぁ……」としみじみしたのを覚えてます。本書を読んでそれを思い出しました。

感想が無意味だし長ぇよ(爆)

作成日:2018.05.13 
読みもの

詰飛車問題集

史上初の詰飛車問題集
著者 :石田 直裕
出版社:主婦の友社
出版日:2018-03-22
価格 :¥1,000(2024/09/01 14:19時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

詰め将棋ならぬ「詰め飛車」。要するに王手王手ならぬ飛車取り飛車取りで飛車を取るゲームのことである。「シロートの将棋は飛車を取った方が勝ちだ」→「飛車を取る方法を鍛えれば強くなれんじゃね?」という発想の下から生まれたらしい。ほんとかよ。

詰め将棋でいうところの腹金や尻金、銀の割打ちといった初歩的なものから、角の利きでピンする手筋(図で言うと▲3三角△5一玉△4二飛の形で▲4三歩と打つような手。角の利きに睨まれて△4三同飛と取れない)なども解説されている。正直なところ、そういう発想で本書を読んでもあまり強くなれる気はしないが(笑)、毛色の変わった問題集ではあるので、初心者はいっぺん取り組んでみるのも悪くはないかもしれない。

第2弾はさすがに難しいだろうなぁ……。

作成日:2018.05.13 
その他の分類

摩訶不思議な棋士の脳

摩訶不思議な棋士の脳
著者 :先崎 学
出版社:マイナビ出版
出版日:2015-10-24
価格 :¥1,694(2024/08/31 23:07時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

週刊文春の「先ちゃんの浮いたり沈んだり」をまとめたもの。まえがきによると、もう全部単行本化したと思っていたらまだ残っていてそれをマイナビの人がまとめてくれた。かき集めたので時系列がバラバラ、とのことで、確かになとんなく時系列になっている気もするが確かにバラけて掲載されている。細かいことを言うと、できれば連載日を書いといてくれると嬉しかったかなぁ。

内容はいつもの通りで、棋士と呑んだりどこかに行って呑んだりたまに将棋を指したり、というもの。読みやすい文章なので、週刊誌の1ページ連載にはピッタリだったと思う。
とりあえず中村太一がいいヤツだということと山口恵梨子を将棋の世界に引き込んだ先崎GoodJobってことはわかった(笑)。

作成日:2018.01.17 
読みもの
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