2006

不思議流受けのヒント

受けのヒント (スーパー将棋講座)
著者 :中村 修
出版社:創元社
出版日:2006-08-01
価格 :¥1,430(2021/10/13 09:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「受ける青春」おさむちゃん(<こら)の、将棋の「受け」の部分について書かれた本。

結論から言ってしまうと、なんともよく判らないできあがりになっている。
というのも、扱っている題材の難易度がバラバラなのだ。初級レベルの歩の手筋を解説していたかと思えば、ギリギリで切らせて入玉などといった高度な話をしている。合わせ歩を習う人間が、10手先の局面を考えての受けの手なんて指せるかっ!(笑)
ただ、逆に言うと、どの棋力の人でもそれなりに楽しめる内容にはなっていると思う。
級位者の人は、易しい手筋を覚えるだけにして、難しい部分は「鑑賞」すると割り切ってしまった方がいいだろう。
初段よりちょっと上の人は、ここで挙げられている題材を見ながら、「切らせて勝つ快感」を覚えて下さい。切らせて勝つ快感を覚えてきたら、どうぞ3二金戦法の世界へ……(<違う)。

かように面妖な本なので、ちょっと購入するのは勇気がいると思う。まずはいったん中を確かめて、後悔しないと確信したら買うといいだろう。

作成日:2006.09.02 
手筋

終盤の謎

森信雄の強くなる将棋〈2〉終盤の謎
著者 :森 信雄
出版社:山海堂
出版日:2006-08-01
価格 :¥720(2021/10/12 22:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

前著『終盤の鬼』に続く「寄せのレッスン本」。ただし、前著もそうだったが、基本に忠実ではあるのだが問題自体はスーパートリックである(まえがきにも断り書きがある)。

もともと白砂はこういう「次の一手本」というものをあまり信用していないので、その点でやや評価は辛くなっている。ただ、本書は「詰めろ逃れの詰めろ」といった切り返しの技が基本なので、自陣敵陣に目を配りつつ、速度計算もしつつ……と、結構高度なことを考えないといけない場面も多い。まぁ、大体は妙手一発で終わるんだけどね(爆)。

正直な感想を言えば、スーパートリックの続きのような「鑑賞物」という位置づけに近いと思う。

作成日:2006.09.02 
次の一手 終盤・寄せ

最前線物語2

最前線物語〈2〉 (最強将棋21)
著者 :深浦 康市
出版社:浅川書房
出版日:2006-08-01
価格 :¥140(2021/10/12 19:53時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『これが最前線だ!』『最前線物語』に続く、定跡の最前線を追うシリーズ。

前著『最前線物語』はほとんどが藤井システム&8五飛戦法だったが、今回はいろんな戦法が登場している。
振り飛車系ではゴキゲン中飛車、三間飛車(含早石田)、相振り飛車。居飛車系では一手損角換わり。この辺りはタイトル戦でも登場している戦形だけに、今回しっかりと解説してくれたのは嬉しく感じる。

ただ、残念なことに2点ほど問題があって……。

一つは、タイトル戦にも登場した「メジャーな戦法」を解説しているため、どれもこれも見たような気がする変化ばかりであるということ。もちろん、本書は「最前線のまとめ」なのだからそれで問題ないのだが、前2著に比べると新味感がやや薄く感じた。まぁ、特に前著は狭く深くだったから、それで余計にそう感じてしまうのだと思う。

二つ目は、実は『将棋世界』の勝又講座と結構内容がかぶってしまっている点。一手損角換わり、ゴキゲン中飛車、藤井システム、相振りと、どれも講座で扱った内容なのだ。しかも相振りなんかは講座の方が詳しかったりするし。これも本書が悪いわけではないんだけどね。

以上のようなことがあったので、白砂が読んだ感触としては「そんなに目新しくはない」という感じ。
上記の欠点(?)も、本としてまとめてあるという功績は大きいし、調べる方もラクだからあっても問題はない。白砂の場合『将棋世界』は図書館に寄付してしまっているので特にあると嬉しい。

8/21に八重洲ブックセンターに買いに行ったら、フラゲ日にも関わらず既に在庫なし。平積みの本棚にポッカリそこだけ空間ができていた。店員に訊いたところ、18冊あった在庫がすべて売れたらしい(あそこはPC管理なので、入荷と販売分がすぐわかる)。「こないだ仕入れたばっかりなんですけど、いや、こんなに売れてたんですね」という店員の言葉は、本書の価値を十二分に物語っていると思う。

手元に置いて損はない一冊だろう。

作成日:2006.09.02 
全般

詰めと必至ハンドブック

詰めと必至ハンドブック
著者 :内藤 國雄
出版社:日本将棋連盟
出版日:2006-03T
価格 :¥168(2021/10/12 21:58時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

初級者から中級者向けくらいを対象にした、易しい必死集。
簡単な1手必死120問と、少し難しい1手必死30問とからなる。

終盤を鍛えるなら詰将棋より必死の方が実践的で、というか必死はその中に詰将棋を内包しているため、読みの長さが少し多く必要になる。そのため、たった1手の必死とはいえ、詰将棋に直すと5手とか7手分を読むことになる。読みの訓練になるのも納得というものだ。
本書では、前段として詰みの形について解説し、どの持ち駒があれば詰むかという練習問題でウォーミングアップする。それから1手必死に入っていくので、徐々に読み筋が深まっていくのだがあまり気にならない。

問題数、問題の質ともに、初段以下の人には最適だと思う。

こういう良質な必死本を読むと、必死と詰将棋を合わせた本というのも欲しくなってくる。
問題が提示されるが、詰むかどうかが判らない。詰ますか必死をかけるかという選択も同時に迫られる。応用問題として、詰みも必死もかからないのでいったん受けに回るとか、2手スキをかけて勝ちとか、そういう問題がところどころに入っているとなおいい。
浅川書房あたりで一つよろしく(笑)。

作成日:2006.07.08 
終盤・寄せ

泣き虫しょったんの奇跡

泣き虫しょったんの奇跡 サラリーマンから将棋のプロへ
著者 :瀬川 晶司
出版社:講談社
出版日:2006-04-21
価格 :¥53(2021/10/12 22:41時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

将棋界はもとより世間に一大旋風を巻き起こした(というと大げさか)瀬川問題。これを自伝の形で綴った本。
自伝の部分にかなりの筆が割かれているので、「瀬川問題」の本とは言いがたい。少なくとも、読後感はそこにはなかった。むしろ、厳しい奨励会の内幕や、将棋ファンの熱い想いを感じるための本だろう。
おいおいゴーストかい、と思えるほど端正で読みやすい文章だった。途中で投げ出す、ということはないと保証するので、将棋ファンであればぜひ一度手にとって読んでみて欲しい。

本書に登場する渡辺健弥や遠藤正樹という名前は、実は白砂にとってもかなり懐かしい名前である。いや、覚えている苗字と一致していたらの話なんだけども。大学当時、遠藤や出戸、渡辺ケンヤというのは、学生強豪で名を轟かせていた。当時の白砂はレギュラーが取れるほど強くはなく対戦すらしていないのだが、噂には聞いていた。中学生からこんな強かったんじゃ、そりゃ強いに決まってるよなぁ(<日本語がヘン(笑))。

将棋に対する情熱を非常に感じた。「将棋倦怠期」に入っている人(笑)などは、本書を読めばまた熱い想いが復活するかもしれない。

作成日:2006.07.08 
読みもの
広告