2005

実戦に役立つ詰将棋3手5手

実戦に役立つ詰将棋3手5手
著者 :週刊将棋
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2005-08-01
価格 :¥2,699(2024/02/07 06:06時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

3手詰と5手詰だけを集めた本。『週刊将棋』の下の段にある「詰将棋入門」から持ってきている。

結論から言うと、この本は初級者が読んでも「実戦に役立つ」ことはない
一度でも『週刊将棋』の「詰将棋入門」を解いた人なら判ると思うが、この詰将棋、3手詰はかなり特殊な線駒の使い方をする。難易度で言ったら「詰パラ」などの方が数段上なのだが、一般の詰め将棋本に比べたらよっぽと「そっち寄り」の問題ばかりだ。そんなものを解いていったところで実戦にはほとんど役に立たない。もちろん「解いたことによる棋力上昇」とは問題が別である。ここで言っているのはあくまでも「こんな詰み筋実戦じゃ出ねぇよ」という話だ。

一方、3手詰の「凶悪さ」に比べると、5手詰の方はまだ素直に作ってある。
なので、もし間違って(笑)買ってしまったり立ち読みした級位者の方がいたら、5手詰から解くことをお勧めする。
5手詰で基本詰手筋と自信(笑)を養ってから、マニア向けの3手詰に挑戦すればいいだろう。

あと、巻頭の詰め手筋の解説は役に立つ。短いながらうまくまとめられており、詰め将棋初心者には一度でいいから目を通しておいて欲しい内容となっている。

作成日:2005.10.26 
詰め将棋

終盤の鬼 森信雄の強くなる将棋

終盤の鬼―森信雄の強くなる将棋
著者 :森 信雄
出版社:山海堂
出版日:2005-08-01
価格 :¥575(2024/02/07 13:02時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

次の一手形式で寄せの勉強をする本。

最初にちょっとした解説ページがあり、そのあとはひたすら問題を解いて鍛えていく方式である。
ちょっと面白いのが、問題のページにヒント図面があり、「▲○○○という手ではこうなってダメ」みたいなものが図入りで載っていること。こういう、最初に失敗図を示すという形式の問題集は初めて見た。
要するに、問題形式にはなっていても、その実これは講義形式であり、だから問題を解くというよりはどんどん読み進んでしまっても構わないようになっている。一通り読む(図面を見る)ことによって、寄せの形や手順を叩き込むという本だ。

問題自体はなかなか骨っぽいものも入っているが、上級になると逆に「スーパートリック(作者にちなんで言ってみました(笑))」っぽくなっていて寄せの教材という感じではなくなる。もう少しターゲットを絞って、実戦的な問題集(寄せ講義)としてまとめた方が本としては生きたのではないか……と思った。
試みとしては悪くないので、『寄せが見える本』一歩手前の読者を対象とするくらいで続編を作ってほしい。

作成日:2005.10.26 
次の一手 終盤・寄せ

久保利明のさばきの極意

久保利明のさばきの極意 (NHK将棋シリーズ)
著者 :久保 利明
出版社:NHK出版
出版日:2005-09-14
価格 :¥317(2024/02/06 06:19時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

最近刊行を連発しているNHK将棋講座のひとつ。著者自身の実戦から、振り飛車の「さばき」を学ぼうという講座である。

元々が15分の講座ということで、できることも限られてくる。そのため、詳しく変化をいろいろ解説する──というわけにはいかないが、その代わりさばきの「心得」がなんとなく身につくような構成になっている。創元社の鈴木大介本のようだ……というと両方から怒られそうだが(笑)、イメージとしてはそんな感じである。
このシリーズ自体の装丁がどうも肌に合わないようで、白砂は少し読みづらさを感じた。この辺は以前にも書いた通りだ。白砂個人の問題であればいいのだが、ひょっとすると読みづらくなるなにかがあるのかもしれないので、できれば立ち読みで少し読んでみてほしい。杞憂に終われば全く問題ないので、その辺は各自の判断にお任せする。

内容自体は講座でやったことでもあり、自戦記が載っているようなものなので、気軽に読めると思う。こういう説明が正しいのか判らないが、基礎体力をつけるというよりは精神力を鍛える本のように感じた。そういう「雰囲気」をうまいこと表現できているところは評価したい。

作成日:2005.10.26 
手筋

二枚落ち裏定跡

二枚落ち裏定跡 (パワーアップシリーズ)
著者 :所司 和晴
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2005-10-01
価格 :¥1,057(2024/02/07 04:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「定跡伝道師(ってぇキャッチフレーズもどうかと思うが……)」所司が出した2枚落ちの解説本。2歩突っ切りと銀多伝を紹介した後、5五歩止めや△6三銀の多伝殺し、△3二金△2二銀型といった上手の裏定跡を紹介している。

個人的には最後の▲3六銀型が目新しい程度で、その他の裏定跡は『定跡なんかフッ飛ばせ』などで目にしたことがある。そんなに裏……という感じがしなかったのだが、白砂が定跡ヲタであることを考えると正しい感想かどうか自信がない(笑)。

もっと言ってしまうと、それ以前に駒落ちを指す機会そのものがあまりないので、定跡ヲタ以外のどの層に購買層があるのかがよく判らない。

作成日:2005.10.26 
駒落ち

すぐに使える将棋の手筋 下

すぐに使える将棋の手筋 下 (週将ブックス)
著者 :週刊将棋
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2005-09-01
価格 :¥50(2024/02/06 04:05時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

上巻が少し前に出ていて、その下巻。駒ごとの手筋をまとめた本だ。
執筆をしなければならない状態ならさておき、ただまとめるだけなのになんでわざわざ上下巻をこんな間隔開けて出したんだろう? と少し不思議に思った。いろいろあるんだろうねきっと。

内容は前回と同じ。というわけで評価も上巻とまったく同じにした。
上巻が読める人であればちょうどいいだろうし、上巻がダメなら下巻もダメである。

作成日:2005.10.26 
手筋
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