三間飛車

振り飛車の真髄② 石田流の極意 先手番の最強戦法

石田流の極意―先手番の最強戦法 (振り飛車の真髄)
著者 :鈴木 大介
出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:2006-10-01
価格 :¥143(2022/05/02 14:33時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

初心者の救世主・鈴木大介が送る石田流解説本。

内容は、

  • 7手目▲7四歩
  • vs棒金
  • vs左美濃
  • vs居飛車穴熊
  • 角交換型
  • 右四間
  • 銀冠

といった感じ。一通りの対策は出揃っているので、本書を読めばとりあえず相手の出方は判る。そして、鈴木大介なので、振り飛車の勝ち方がよく判る。

7手目▲7四歩のところで△6二金の変化がないとか、左美濃で「省けない」と解説した端歩を居飛車穴熊編では突いていないとか(一応、手数が足りないという理由付けはしているが……)、少し都合のいい変化がないわけではない。
それでも、これだけの戦形を網羅し、とりあえずでも対応策を載せているのはポイントが高い。このレビューを書いている2014年では、石田流の流行は角交換四間飛車に取って代わられた感があり、そのためかあまり本書が古く感じない。4段前後くらいまでなら、本書の対策だけで結構指しこなせるのではないかと思う。

本筋の変化だけしか書いていないということもあり、とても読みやすい。
石田流初心者にはぜひとも勧めたい本。

作成日:2014.08.04 
三間飛車

石田流の基本―本組みと7七角型

石田流の基本―本組みと7七角型 (最強将棋21)
著者 :戸辺 誠
出版社:浅川書房
出版日:2012-02-01
価格 :¥1,540(2022/05/02 14:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

やっぱりホットな石田流の本ということで、石田流の使い手の一人である戸辺が出した本。タイトル通り、いわゆる石田流本組の形(▲7六飛▲7七桂▲9七角)と、▲9七角が▲7七角になった7七角型を解説している。

内容は、

vs棒金
△6三銀△8三金からいきなり△7四歩と突いていく形から、△5三銀を加えて攻めていく形まで。ただし、その辺まで行くと、石田流側が▲4五銀から反撃してそれを居飛車が受けるという展開となる。
vs左美濃・銀冠
本組から攻めていく形と、▲7七角から▲6五歩と捌いていく形の両方を解説。△9二飛からの千日手狙いや、△7二飛から攻めてくる形などについても言及している。
vs居飛車穴熊
石田流側から美濃囲いで攻める形と、相穴熊について解説。

当たり前の話だが振り飛車は捌いてナンボなので、その辺の攻めの形についてはくどいくらいに詳細に解説してくれている。初段前後くらいの石田流初心者にはありがたいと感じるだろう。本組の場合で▲7四歩を効果的に入れて▲9七角を捌いていく手法、▲7七角を▲5九角から大きく使っていく組み立てなどは参考になる。

一方、相穴熊の方は、△6三銀型のときはまぁいいとして、△5三銀型では「後手は△3三銀のビッグ4を目指します。しかし▲○○○とすることでそれが阻止できます(多分秘手だと思うので一応ヒミツ(笑)。詳しくは本書を手に取ってください)。よって先手よしです」で終わっている。まぁ大げさに言うとだけど。それはないんじゃないかさすがに(笑)。紹介している手法は面白かったのでいいんだけど、もう少し丁寧にいろんな形を見せてほしかった。特に棒金の解説が細かかっただけになおさらそう思ってしまう。
その棒金の解説だが、本当に詳しい。また、針の穴を通すような展開というよりは「豪快に捌こうよ。そうすれば美濃囲いだもん先手よしだよ」といった『振り飛車イズム』が出ていて好感が持てた。本書で紹介されている捌き方を会得すれば、他の振り飛車にも応用が利くと思う。

3段くらいまでだったら間違いなく買い。有段者でも一度は目を通しておくことをお勧めする。

作成日:2012.02.07 
三間飛車

よくわかる石田流

マイナビ将棋BOOKS よくわかる石田流
著者 :高崎 一生
出版社:マイナビ
出版日:2012-01-25
価格 :¥1,540(2022/05/03 00:58時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「よくわかる」シリーズ。今回は石田流。久保2冠や戸辺、菅井といった「使い手」も多く、タイトル戦などでもたびたび登場しているホットな戦形なだけに、なかなかにタイムリーだと言えるだろう。

内容は、

vs棒金・二枚銀
棒金の基本的な形から、▲7八飛▲6七金とする対策、それに対する△5四歩からの森内流を解説し、▲7七桂と跳ねない石田流の形まで解説。金の動きを保留し、▲7八金とすることも。
vs持久戦
△5四歩△5三銀から左美濃にする手と、△6四歩△6三銀から居飛車穴熊や銀冠などにする展開の解説。最新の▲7七角型にして▲4五銀から▲6五歩、という手順の解説もある。
vs右四間飛車
超、といってもいい急戦から、居飛車穴熊にする右四間まで。特に超急戦は手順解説が多い。
升田式石田流
基本的な升田式の狙いから、▲7四歩の鈴木新手、▲7五飛の久保新手、▲7四歩△同歩▲5八玉や▲7四歩△同歩▲4八玉など。
vs4手目角交換
▲7六歩△3四歩▲7五歩△8八角成のあとの解説。▲同飛と▲同銀と両方の解説がある。△2八角▲1八飛の形、というとわかる人が多いのかな?(少ないだろ(笑))
補足
落穂拾い、といった感じで、今までの仮説の中の変化手順や、取り上げなかったけどこんな感じで指せばいいよ、といった解説。

敢えて詳しく説明させていただいたが、いろんな形についてかなり突っ込んだ解説をしているので、いい意味でも悪い意味でもいままでの「よくわかる」シリーズっぽくない。想定棋力が上なのか、最近流行の戦形だから盛りだくさんにしたのか、ちょっとビックリするくらいのボリュームだった。
また、細かい話だが、補足で細かい(?)展開の解説をしてくれていたのもよかった。多分本編に組み込んでたら煩雑だっただろうし、巻末に持ってきたことでちょっとした「お得感」も出ている(笑)。

なんだかビビらせるかのような煽り方だが、逆に言うとこの1冊で石田流がだいたい指せると見ていいと思う(できれば鈴木本あたりで「うまくいった形」も勉強してほしいが)。その点ではお勧めの一冊。
有段者であっても、最近のタイトル戦のまとめだと思って手にとってみるのをお勧めする。かなり詰め込まれている感じはするが、知っている変化が多いだろうからそんなに苦にならずに読めるだろう。知識がすっとまとまる感じがしていいと思う。

作成日:2012.02.04 
三間飛車

決定版 石田流新定跡

決定版 石田流新定跡:ライバルにひとアワ吹かす必勝戦法! (スーパー将棋講座)
著者 :鈴木 大介
出版社:創元社
出版日:2005-01-01
価格 :¥1,430(2022/05/02 14:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「あの」鈴木大介の創元社本。それだけでなんとなく察しがつくが、その通りの豪快な内容になっている(爆)。

内容は「▲7四歩早仕掛け」「棒金」「居飛車穴熊」の3つ。
最初の▲7四歩は、▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲7四歩という仕掛けのもの。『将棋世界』の「盤上のトリビア」でも紹介されたし、そのちょっと前に『近代将棋』で、それを読んだ白砂がコラムでも紹介している。
『東大将棋ブックス石田流道場』では、この仕掛けは△4四歩という軽い受けがあってムリ、という結論だったのだが、本書では石田流成功となっている。よくよく読み比べてみると、『石田流道場』では▲6五角としていたところを本書では▲5六角と深く引くようになっており、『石田流道場』での受けはうまくいかないということになっている。
どっちが正しいのかは自分の目で見て確かめてほしい

棒金と居飛車穴熊は、いずれも『島ノート』で紹介したような形。
確かヅラノートは棒金優勢だったと思うのだがその辺は素通り(笑)。居飛車穴熊はダイヤモンド美濃が優秀、という結論だったので、これは同じ結論だ。

『石田流道場』の紹介で書いたことなのだが、石田流はやはり独特の形とか間合いがあって、少し苦しそうに見えるけどこの形になれば勝負形、というパターンが結構ある。
もちろんプロの目で見れば実際は苦しいのだろうが、アマチュア同士の叩き合いならそうとも言えない。「攻められている」「受けさせられている」「美濃囲いが固くて寄せが見えない」など、居飛車側にプレッシャーとなる要素が多いからだ。そういう意味では、本書くらいざっくり解説してくれた方が、石田流魂(笑)が判りやすく理解できるのでいいのかもしれない。

初段、2段くらいまでの石田党は絶対に買い。▲7四歩の変化が気になる有段者も買い。その他の人は、パラパラと見るだけで十分だろう。

作成日:2005.02.10 
三間飛車

東大将棋ブックス石田流道場

石田流道場 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:2004-12T
価格 :¥199(2022/05/02 14:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

東大将棋ブックス最終巻は石田流。もう少し早く出してほしかった気もするが、なかなかネタもないし難しいところだったのだろう。

▲7六歩△3四歩▲7五歩という形から入る早石田系の石田流が主で、△6二銀と普通に受ける形、△4二玉と△8八角成▲同銀△4五角を狙う形(通常▲7六角で受かるのだが、△4二玉としているので▲4三角成の先手にならない)などが解説されている。
『将棋世界』の「盤上のトリビア」で紹介された鈴木大介の新手も入っていて、おそらくこれがあったから刊行を敢行したのではないか……と白砂は見ている(笑)。

基本的に最善を尽くすと居飛車よしになる変化が多く、元升田式石田流党としては少し不満が残る。
実際には最善の手順なのかもしれないが、どうも石田流側が「実戦的」でなく、なんとなく妙な形になってしまっているのだ。升田式も7七桂戦法と同じように「玉を固めてドカン」という戦法なので、なにか解説手順が作り物くさく感じてしまう。おそらくプロの実戦から採ったものなので白砂の戯言なんかよりは説得力があるに決まっているのだが、むしろアマチュア有段者、例えば24の高段者辺りの棋譜を下敷きに解説してくれた方が、アマチュアには判りやすく実戦的だったと思う。
ちなみに鈴木新手は△4四歩という手があって失敗に終わっていた。興味のある人は実際に本を当たって下さい。

いろんな戦形(パターン)を解説しているので、初段くらいの人が盤駒を出して並べると意外とためになると思う。白砂程度の棋力でも少し物足りなかったので、高段者の方々には拍子抜けの内容かもしれない。級位者は手を出さない方がいい。

作成日:2005.01.14 
三間飛車
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