新・対局日誌 第1集 二人の天才棋士

作成日:2011.09.12
新・対局日誌 第1集 二人の天才棋士
著者 :河口 俊彦
出版社:河出書房新社
出版日:2001-04-01
価格 :¥740(2024/02/06 06:41時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

河口老師による、1986年(!)の将棋界を書いている。もう四半世紀も前である。大山が63歳で名人挑戦をした年。羽生が4段になり晴れてプロデビューした年である。もう歴史以外の何物でもない(笑)。
また、河口老師の将棋観というか、「今の若手は個性がなくてツマラン」的な文章がそこかしこに出てくるので、それが気に障る人は最初っから読まない方がいい。年寄りの繰り言をさらっと聞き流せる人でないと、まともに受け止めてしまって読み進めるのが辛いと思う。大体、個性がないとか言いながら、使っている将棋は「石田がポカやって愚痴ってる」とかそんなのばっかりで(笑)、おいそれ個性かよ、と。いや、まぁ、個性なんだけども。

ただし、それとおんなじくらいの割合で、実戦的な指し方やちょっといい手筋の紹介などもあるから侮れない。そういうところはさすがプロが書いているだけのことはある。白砂もそれが面白く、「白砂ノート」ではたびたび題材を拝借した。
初段くらいまでの人は、ちょっと我慢して読んでみると、もうワンランク強くなるかもしれない。