振り飛車

升田式石田流

升田式石田流 新装版 (SUPER SERIES)
著者 :升田 幸三
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1994-04-01
価格 :¥1,175(2025/10/31 06:59時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

言わずとしれた奇襲の王様「升田式石田流」を、本人が解説した(本当は違うのだろうが)のが本書である。
大体こういう「高段者が解説した本」というのにはロクなのがないのだが、この本はなかなかきちんと書いてある。変化も丁寧だし、実戦に生じそうな場面を多く用いている。
私が升田式を使っていたということもあるが、経験から言っても良書である。高段者はすでに常識のジャンルだろうから改めて読む必要はないだろうが、初段くらいまでの人は是非読んでほしい。

こんなに薦めておいて★★★はちょっと点が辛いが、何しろ昭和48年の本である。要は「古い」のだ(1994年に復刻されている)。
現在では升田式の対策も進んでいるし、升田式も進化している。それらの進化については別の本を参照してもらうとして、おおもとの下敷きとして本書を読んでもらえればいいと思う。

作成日:2001.07.20 
三間飛車

定跡外伝

定跡外伝: 将棋の裏ワザ教えます (MYCOM将棋文庫 3)
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-12-01
価格 :¥128(2025/10/27 16:41時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

巷には定跡書があふれている。
しかし、当然のことながらそれらの定跡書は「すべての変化」を解説してあるわけではない。紙数の都合もあるだろうし、すっきりと優勢にならないから掲載しないということもあるだろう。ひどいのになると、不利になると困るから言わない、なんていうケースもあるかもしれない(笑)。かくして、「定跡書なんて役に立たないよ」なんて陰口がささやかれることになる……。

本書は、そんな「定跡外の定跡」を解説している。
むろん、プロやアマ高段者は当然知っている変化だ。定跡よりも常識の範疇かもしれない。しかし、初段をちょっと過ぎて「定跡書なんてさぁ……」と言っている人には目からウロコがぼろぼろ落ちることうけあいである。
ちょっとウソっぽいな……という変化がないわけではないのだが、それもほんの数ヶ所。全編ほとんどが「実戦的な定跡書」である。表紙に書かれた「将棋の裏ワザ教えます」の言葉はウソではない。
基本となる定跡を知っていないといけないので、それがまだおぼつかない初段くらいではちょっと難しいかもしれない。しかしその少し上くらいの人にはお薦めである。もちろん、高段者は知っていて当然、ぜひ目を通しておいてほしい。

作成日:2001.07.20 
振り飛車全般

B級四間飛車の達人

B級四間飛車の達人
著者 :週刊将棋
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1998-12-01
価格 :¥42,738(2025/10/27 17:24時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『B級戦法の達人』が先に出て結構好評だったのだろう。それから1年ちょっとで出たのが本書である。
 こちらは前書と違って四間飛車に絞っているため、変化手順も多くてお薦めである。やっぱり丸々一冊同じ戦法を書けるというメリットは大きい。
 特に初段くらいの人には参考にしてほしい。振り飛車のサバキが味わえる戦形なので、もっと強くなって正統四間飛車を指した場合でもきっと役に立つ。

 端角戦法については『定跡外伝2』でフォローが入っている。そちらもチェックしておきたい。

作成日:2001.07.20 
四間飛車

ゴキゲン中飛車戦法

ゴキゲン中飛車戦法 (パワーアップシリーズ)
著者 :近藤 正和
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-11-01
価格 :¥1,430(2025/10/27 16:41時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

 初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛と進む、やや力戦形の中飛車がゴキゲン中飛車である。竜王戦でも何度か登場した戦法で、詰みまで知らないと指せない叩き合いの局面になったり、かと思えばじっくりと本格的な駒組み合戦になったりする。不思議な戦法だ。

 しかし、『消えた戦法の謎 あの流行形はどこに!?』でこの戦形は取り上げられており、そこでは田中-有森戦でゴキゲン中飛車不利と結論つけられていた。消えたんじゃないのかこの戦形は。
 ひょっとすると、なにか新定跡でも誕生したのか……。そんな期待をちょっと持って、本書を開いてみた。

その変化は飛ばしてある……。

 ずるいぞ近藤(笑)。

作成日:2001.07.20 
中飛車

〈定跡〉相振り飛車

定跡相振り飛車 (パーフェクトシリーズ)
著者 :小林 健二
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1998-01-01
価格 :¥382(2025/10/31 05:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『相振り飛車にツヨくなれ』を書いた小林八段の本。
同じネタで2つも書くなよ……。

内容は『相振り飛車にツヨくなれ』や『相振り革命』で十分にことたりる。逆に言うと、本書があれば前2冊は必要がないのだが、本書は少々カタログ的のため変化の底が浅い。最終的には別の本を頼ることになるだろう。

どうも小林八段の本は、スーパー四間飛車シリーズにしてもそうだが回を重ねる毎に質が落ちている気がする。カタログも必要だとは思うが、アマ高段者に必要なのは詳細な変化の述べられた突っ込んだ本だと思うのだ。なんだかだんだん「高段者の書いた定跡本」になっていくようで寂しい。
とはいえ、級位者にとっては役に立つ本だと思う。これを読んで一つでも多くの知識を蓄えてほしい。特に振り飛車党には必携である。

作成日:2001.07.20 
相振り飛車
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