手筋

歩の玉手箱

歩の玉手箱: 楽しく読める手筋の宝庫 (MYCOM将棋文庫 20)
著者 :桐谷 広人
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-10-01
価格 :¥8,144(2025/04/30 21:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

歩についての解説書は『将棋は歩から』にとどめを指す……と白砂は常々思っているのだが、本書は『将棋は歩から』に比べるとかなり判りやすい内容になっている。

形式としては、歩の手筋を分類・解説するという『将棋は歩から』と全く同じものなのだが、部分図を多く取ったり「文章的な解説文(伝わりますかねこの感覚)」を少なくしたりとカタログに徹する努力をしている。歩の手筋の分類も新たに増やした。
初級者、中級者は一度読んでおいて損はないと思う。

ここだけの話、不利な時に逆転するコツは歩をうまく使うことだ。どうせ不利なのだから駒も気楽に捨てられるし、相手は歩なので挨拶するかどうかで悩む。なんとなく歩を使われると「手筋っぽくやられてる」という気にもなるし(笑)。
というわけで、逆転の秘策として読み込むのも悪くないだろう。

作成日:2003.11.04 
手筋

分かる・役立つ 速効!矢倉の手筋

分かる・役立つ速効!矢倉の手筋
著者 :飯塚 祐紀
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-04-01
価格 :¥49(2025/05/01 04:14時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

矢倉戦で生じる代表的な手筋、攻め筋について解説している本。
よくある▲2四桂のぶち込みや▲4一銀の引っかけといった基本手筋、理想形に組んだあとの攻略といった、身もふたもない言い方をしてしまえば「矢倉素人のための初級解説本」。しかしそれゆえ、矢倉党の級位者には参考になると思う。

なんで▲4一銀と金に当てる手が常に急所となるのか。どうして序盤の組み合いで漫然と指してはいけないのか、本書を読めば、喰らったときの破壊力からそれは察せられるはずだ。かなり後手にはサンドバッグになってもらっているので(笑)都合のいい指し手も少なくないが、本書のような「手筋」を喰らうと陣形というのはあっけないほどモロい。また逆に攻略も可能だ。プロやアマ高段者が固そうに見える玉をあっという間に丸裸にしてしまうのは、こういった手筋を常識のように使っているからなのだ。

本書を読めば有段者になれるとは思ってはいけない。強くなればなるほど、お互いに手筋を知っているから、それをやられないようにやられないように指していくからだ。しかし、初段にはなれる。級位者と段位者の最大の違いは、これら手筋を活用できるか否か、といっても過言ではないからだ。
先にも言ったとおり、都合のいい指し手がけっこうあるので本書だけでは上達は望めない。しかし、基本手筋を知るうえで本書は格好の教材になるだろう。

作成日:2002.04.25 
手筋

玉金銀の徹底活用術 駒別スーパー手筋講座

駒別スーパー手筋講座 3
著者 :小林 健二
出版社:創元社
出版日:2000-12-01
価格 :¥1,100(2025/04/30 18:19時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『歩の徹底活用術』『飛角桂香の徹底活用術』に続くスーパー手筋講座シリーズ最終巻。
定跡借用手筋は相変わらず健在で、今回は1ページ目から▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩の局面での▲4八銀を解説している。相掛かりでの超序盤▲3八銀もある。そりゃ活用かも知らんけどさぁ……(笑)。
金はさすがに寄せの主役なだけに終盤の解説が多かったが、それでもよくある必死解説本をパクったような感じだ。玉に至ってはしばらく「囲いの種類」が続く。駒の活用術じゃないんかい!

……まぁ、カタログだと思えば腹も立たないし、逆に作りの良さも際立って見える。見開きを基本単位とし、練習問題は1ページに上下2題。カタログと考えれば結構なボリュームである。
やっぱり、級位者向けの手筋大全なのだろう。電話帳のようなもので、必要な時に開けばいいし、前から読む必然性すらない。そういう本なのである(←結構誉めてます。念のため)。

作成日:2001.07.20 
手筋

勝つための“受け” 積極果敢な「受けの達人」になろう!

勝つための受け: 積極果敢な受けの達人になろう (森内優駿流棋本ブックス)
著者 :
出版社:
出版日:
価格 :¥177(2025/04/30 23:03時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

大体においてアマチュアというものは攻めが好きで受けが苦手なものである。本書はそこに注目して、受けの手筋を集めている。

個人的には、『将棋は歩から』と大差ないように思った。改めて思ったのだが、それほど「歩の手筋」というのは大事なのだろう。
最初は部分図で、一通りの説明が済んでからは全体図で解説している。この構成もいいと思う。特に、かなりな部分でシステム化できるものについては、部分図できっちりと説明してほしいものだ。

級位者は何度も本書を読んで、受けの基本テクニックをマスターしてほしい。

作成日:2001.07.20 
手筋

将棋・端攻め全集

将棋・端攻め全集 増補改訂版 (パーフェクトシリーズ)
著者 :大内 延介
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1998-02-01
価格 :¥10(2025/04/30 21:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

いきなり個人的な話で申し訳ないが、7七桂戦法を研究して感じたのは端攻めの重要性だった。7七桂戦法は持久戦になる確率が高く、また相手は位を取ってくる将棋になる。下段飛車から桂香を2四あたりに打ちこんで終わりという形に常になるわけだ。
そうなると、がぜん端攻めが脚光を浴びてくる。桂香を手に入れるには飛車を打ち下ろすか端攻めで交換するしかないからだ。
という思考の流れからこの本にたどりついた、のだが……。

改めて思ったことなのだが、端攻めの主役は桂香ではなく、歩である。タタキ、垂らし、突き捨て、連打……。とにかく「歩」が活躍する。

『将棋は歩から』に全部書いてあるぞ……。
 というわけなので、ことさらにこの本を買う必要はないと思う。私の持っているのは変形A5版くらいの本だが、今はちょっと大きめの本がリバイバルということで出ているらしい。
だまされないように(ちなみに、写真はその復刻された方)。

作成日:2001.07.20 
手筋
広告