振り飛車

攻める振飛車の急所

攻める振飛車の急所 (王将ブックス DELUXE版 F 実戦振飛車シリーズ 2)
著者 :北村 昌男
出版社:北辰堂
出版日:1986-11-01
価格 :¥880(2024/02/06 20:27時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

メリケン向飛車や石田流、位取り中飛車といった、それこそ昔の縁台将棋に出てきそうな変態戦法を紹介している。私がメリケン向飛車を指し始めたのは実は本書を読んだからである。
都合のいい指し手はあるものの、変態戦法の「心得」のようなものが感じられる点は買える。この『王将ブックス』は全体的にそういう作りが感じさせるので、級位者はいろいろ買って読み込むといいだろう。
ただ、くどいようだがこのシリーズの「定跡手順」が実戦で通用するほど甘くはないので、その辺を頭の隅に入れておくともっといいと思う。

作成日:2001.07.20 
振り飛車全般

風車の美学 伊藤果直伝!

風車の美学―伊藤果直伝!
著者 :伊藤 果
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1994-07-01
価格 :¥4,813(2024/02/07 09:12時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

私の好きな棋士を挙げろといわれたら、まず来るのは花村九段である(笑うな)。そしてその次に来るのが、本書の著者、伊藤果七段である。
伊藤果といえば風車。本書は、その風車の指し方を解説してある。

とはいっても、はっきり言って風車自体が非常に実戦的な指し方であるため、解説は困難である。いきおい実戦譜を並べることになるのだが、そうなると変化手順の説明が散漫になってしまうので、それが欠点と言えるかもしれない。個人的には、伊藤七段の文章は好きなので楽しく読めたのだが。
そもそも風車はマイナー戦法であるので類書がほとんどない。『秘法 巻之四 右玉伝説』では一応紹介されていたが、それも純正風車に比べるとはるかに攻め味の強いものであった。「(以前風車の本を出さないかと言われて)やはり戦法は勝つもので、風車のように千日手でもいい、といった本を出す勇気がなかった」ので断った、と著者自身がまえがきで書いている通り、定跡化するには馴染まない戦法なのかもしれない。
級位者にあまり薦められないが、有段者は指してみるのもいいかもしれない。なんだか駒落ちの上手の気分が味わえる戦法である。

作成日:2001.07.20 
中飛車

相振り飛車にツヨくなれ

相振り飛車にツヨくなれ―この一冊でパーフェクト (週将ブックス)
著者 :小林 健二
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1988-07-01
価格 :¥33(2024/02/07 19:29時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

名著『相振り革命』の帯にはこう書いてある。

「棋界初の本格的最新相振り飛車ガイドブック」
重箱の隅をつつくような話でアレだが、これは「ウソ」である。

『相振り革命』の発行が1995年10月15日、それより遡ること8年前の1988年7月10日に世に出たのが本書である。
本書には『相振り革命』で書いてあることのほとんどが書かれている。非常によく整理されており、形も豊富である。もし絶版になっていなければ、ぜひとも入手してほしい一冊だ。特に中盤戦での端の手の作り方、それぞれの囲いの破り方などは参考になる。

級位者から高段者まで、どの棋力の人にも楽しめるだろう。

作成日:2001.07.20 
相振り飛車

升田式石田流

升田式石田流 (SUPER SERIES)
著者 :升田 幸三
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1994-04-01
価格 :¥842(2024/02/08 10:57時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

言わずとしれた奇襲の王様「升田式石田流」を、本人が解説した(本当は違うのだろうが)のが本書である。
大体こういう「高段者が解説した本」というのにはロクなのがないのだが、この本はなかなかきちんと書いてある。変化も丁寧だし、実戦に生じそうな場面を多く用いている。
私が升田式を使っていたということもあるが、経験から言っても良書である。高段者はすでに常識のジャンルだろうから改めて読む必要はないだろうが、初段くらいまでの人は是非読んでほしい。

こんなに薦めておいて★★★はちょっと点が辛いが、何しろ昭和48年の本である。要は「古い」のだ(1994年に復刻されている)。
現在では升田式の対策も進んでいるし、升田式も進化している。それらの進化については別の本を参照してもらうとして、おおもとの下敷きとして本書を読んでもらえればいいと思う。

作成日:2001.07.20 
三間飛車

定跡外伝

定跡外伝 (MYCOM将棋文庫 3)
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-12-01
価格 :¥132(2024/02/07 09:03時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

巷には定跡書があふれている。
しかし、当然のことながらそれらの定跡書は「すべての変化」を解説してあるわけではない。紙数の都合もあるだろうし、すっきりと優勢にならないから掲載しないということもあるだろう。ひどいのになると、不利になると困るから言わない、なんていうケースもあるかもしれない(笑)。かくして、「定跡書なんて役に立たないよ」なんて陰口がささやかれることになる……。

本書は、そんな「定跡外の定跡」を解説している。
むろん、プロやアマ高段者は当然知っている変化だ。定跡よりも常識の範疇かもしれない。しかし、初段をちょっと過ぎて「定跡書なんてさぁ……」と言っている人には目からウロコがぼろぼろ落ちることうけあいである。
ちょっとウソっぽいな……という変化がないわけではないのだが、それもほんの数ヶ所。全編ほとんどが「実戦的な定跡書」である。表紙に書かれた「将棋の裏ワザ教えます」の言葉はウソではない。
基本となる定跡を知っていないといけないので、それがまだおぼつかない初段くらいではちょっと難しいかもしれない。しかしその少し上くらいの人にはお薦めである。もちろん、高段者は知っていて当然、ぜひ目を通しておいてほしい。

作成日:2001.07.20 
振り飛車全般
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