中飛車

鈴木流豪快中飛車の極意

鈴木流豪快中飛車の極意 (プロの将棋シリーズ 1)
著者 :鈴木 大介
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-02-01
価格 :¥640(2024/02/06 07:50時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

中飛車全般のことについて書いてある本だと思ったら、先手番でのゴキゲン中飛車についてだった。3手目に▲1六歩と突いてゴキゲンに構える形である。著者曰く、作ったのは近藤かもしれないけど定跡体系化したのは自分だそうで、そのために名称が「豪快中飛車」になっているのだそうだ。
基本的な形、例えば△8六歩と突いてくるだとか、△6二銀から持久戦になるだとかいう形から、△5二金右の超急戦型、△3二金の最新型まで一応は網羅してある。

かなり図面を多く割いていることもあって、白砂自身は判りやすかった。また、執筆当時の「有利になる」変化については詰みの部分まで突っ込んで書いてある部分もあり、そういう意味では役に立つとは言えるだろう。
しかし、まぁ鈴木大介である。居飛車側が有利になる肝心の変化がなかったり、少し強引な形勢判断をしている部分がないとはいえない。

それでも、初段前後でゴキゲン中飛車を指す、という人には参考になると思う。かなり深くまで突っ込んでいるので役に立つ。逆に、そういう書き方をしているので、定跡書を読むのに慣れていない人は少し辛いかもしれない。
4段もあればここに書いてあることはまぁ知っている範囲だろうが、よくまとまっているので持っていても損はないと思う。

作成日:2003.03.16 
中飛車

ごきげん中飛車を指しこなす本

ごきげん中飛車を指しこなす本 (最強将棋塾)
著者 :近藤 正和
出版社:河出書房新社
出版日:2002-07-01
価格 :¥291(2024/02/06 01:39時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

河出書房新社の『指しこなす本』シリーズ。今度はゴキゲン中飛車である。

例によって次の一手形式で解説が進んでいく。ゴキゲン中飛車の場合は詰みまで一直線に進んでしまうケースもあるので、図面が多いというのはありがたいと思った。実際はまだ結論が出ていないところを「先手よし」としてしまったりとちょっと粗い部分も見受けられたが、多少は仕方のないところだろう。
というか、本書が出てからかなりゴキゲン中飛車の変化は掘り下げられている。有名なところでは第43期王位戦第1局、谷川が1000勝を達成した将棋がある。▲5八金右から▲2四歩という典型的な戦いだが、これが指されたのは7月12日。当然、本書には間に合わない(笑)。
まぁ、こういうことを言っていては本は出せないので、これはもう笑ってしまうしかないだろう。あと2ヶ月出版が遅かったらどういう構成になったか、興味深いところではあるが。

急戦の場合、持久戦の場合、ともによく書かれている。すべてを理解するのは大変だが、だいたいの流れはつかめるだろう。『ゴキゲン中飛車戦法』よりは格段に役に立つと思う。
ゴキゲン中飛車を指す人も指されて困る人も必須。ただし、別の情報でしっかりとフォローすることは忘れずに、というところだろうか。

作成日:2002.07.30 
中飛車

秘法 巻之四 右玉伝説

右玉伝説 (MYCOM将棋文庫 17)
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-08-01
価格 :¥245(2024/02/06 11:24時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

古来の右玉と言えば腰掛け銀模様からの右玉だったが、現代では「負けにくい」というコンセプトから、さまざまな種類の右玉が登場している。本書では、そのうち風車系の右玉と矢倉中飛車の右玉について解説している。

非常に限定的な形でしか解説していないのでややウソっぽい感じもするが(笑)、決まったときの破壊力は感じ取れる。ただ、やはり玉が薄いことは薄いので、受け好きの人に向いていると言えるだろう。
個人的には、3二金戦法を指している関係もあって右玉は好きなのだが、やはり人に薦めるのはちょっと……と思う。本自体はいい出来なので買っても損はない。

作成日:2001.07.20 
中飛車 その他の居飛車

風車の美学 伊藤果直伝!

風車の美学―伊藤果直伝!
著者 :伊藤 果
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1994-07-01
価格 :¥4,813(2024/02/07 09:12時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

私の好きな棋士を挙げろといわれたら、まず来るのは花村九段である(笑うな)。そしてその次に来るのが、本書の著者、伊藤果七段である。
伊藤果といえば風車。本書は、その風車の指し方を解説してある。

とはいっても、はっきり言って風車自体が非常に実戦的な指し方であるため、解説は困難である。いきおい実戦譜を並べることになるのだが、そうなると変化手順の説明が散漫になってしまうので、それが欠点と言えるかもしれない。個人的には、伊藤七段の文章は好きなので楽しく読めたのだが。
そもそも風車はマイナー戦法であるので類書がほとんどない。『秘法 巻之四 右玉伝説』では一応紹介されていたが、それも純正風車に比べるとはるかに攻め味の強いものであった。「(以前風車の本を出さないかと言われて)やはり戦法は勝つもので、風車のように千日手でもいい、といった本を出す勇気がなかった」ので断った、と著者自身がまえがきで書いている通り、定跡化するには馴染まない戦法なのかもしれない。
級位者にあまり薦められないが、有段者は指してみるのもいいかもしれない。なんだか駒落ちの上手の気分が味わえる戦法である。

作成日:2001.07.20 
中飛車

ゴキゲン中飛車戦法

ゴキゲン中飛車戦法 (パワーアップシリーズ)
著者 :近藤 正和
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-11-01
価格 :¥15(2024/02/06 11:24時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

 初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛と進む、やや力戦形の中飛車がゴキゲン中飛車である。竜王戦でも何度か登場した戦法で、詰みまで知らないと指せない叩き合いの局面になったり、かと思えばじっくりと本格的な駒組み合戦になったりする。不思議な戦法だ。

 しかし、『消えた戦法の謎 あの流行形はどこに!?』でこの戦形は取り上げられており、そこでは田中-有森戦でゴキゲン中飛車不利と結論つけられていた。消えたんじゃないのかこの戦形は。
 ひょっとすると、なにか新定跡でも誕生したのか……。そんな期待をちょっと持って、本書を開いてみた。

その変化は飛ばしてある……。

 ずるいぞ近藤(笑)。

作成日:2001.07.20 
中飛車
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