中飛車

東大将棋ブックス中飛車道場 3 ゴキゲン中飛車力戦

中飛車道場 第3巻 ゴキゲン中飛車力戦 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2004-05-01
価格 :¥1,430(2024/02/06 06:00時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

ゴキゲン中飛車道場第3弾。今回は、かなりゆっくりめの戦いを解説している。
具体的には、▲7八金、▲6八金、角交換(丸山ワクチン)の3つ。

もう少し詳しく言うと、

  • ▲7八金は△8八角成▲同銀となった時に銀にヒモをつける手。▲2四歩△同歩▲同飛△3三角などの手を消している。
  • ▲6八金は△8八角成▲同銀となった時に銀にヒモがつなかいので、実は▲7八金とは似て非なる手。むしろ▲5八金右に近い。△5七歩という叩きが先手にならない利点がある。
  • 角交換は▲8八銀、▲7八銀、▲6八玉の3種を紹介。特に▲7八銀は最近の手で、左美濃に組む狙いがある。

といった感じ。 ただ、『将棋世界』の観戦記かなにかで、▲7八銀型はやや先手不利の結論が出たとかいう話が書いてあったように思うのだが、その辺はどうなのだろうか。そんなに振り飛車有望という手は書いてなかったと思うのだが。
これだけ詳しくゴキゲン中飛車に触れた本もないだろうから、ゴキゲン党もゴキゲン受け党もまずは読んでみることを薦める。

中飛車道場はこれでいったん打ち止め。次は三間飛車道場だそうだ。
例の急戦の形とか、XPとか出てくるんだろうか?
個人的には、もしXPが出たなら絶対買い。
絶対指さないけど(笑)。

作成日:2004.05.26 
中飛車

東大将棋ブックス中飛車道場 第2巻 ゴキゲン中飛車本格急戦

中飛車道場 第2巻 ゴキゲン中飛車本格急戦 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2004-03-01
価格 :¥38(2024/02/08 02:57時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

東大将棋ゴキゲン中飛車シリーズ第2弾。
第1巻は▲5八金右からの超急戦だったが、本書は▲4八銀から銀で攻めていく普通の(?)急戦形。『島ノート』に載った、飛車先を2五まで突かない急戦も紹介されている。

今後の予定との兼ね合いかもしれないし、変化の量のせいで仕方がなかったのだろうが、似ているようで微妙に違う攻め筋がたくさん出てくる。銀が出て行く場所が違ったり飛車先を保留しているだけなのだが、それだけで将棋はガラリと変わってしまう。その「ガラリと変わってしまう」という面白さをうまく出せれば、単なる解説書としてではなく棋書としての厚みも出ると思うのだが(『四間飛車の急所』のような感じだ)、まぁそれを本シリーズに求めるのはヤボというもので。
読む時には、そこらへんにも気を配って読むと、意外と楽しめるかもしれない。
編集の悪さにアタマが痛くなってくるかもしれないが(笑)。

研究したものがすぐ実戦に出る、というくらいプロはよってたかって研究し実戦で使っているので、本書の攻めも「どこかで見た感」が非常に強い。で、よく考えてみると週刊将棋だったり将棋世界で採り上げられていたものだったりして、そういう点では、個人的には新手感があまりなかった。
とはいえ、東大将棋ブックスは辞書事典としての機能が強いので、それらいろいろなところで紹介された記事がまとまっていればそれで十分だろう。

作成日:2004.04.05 
中飛車

中飛車道場 1 ゴキゲン中飛車超急戦

中飛車道場 第1巻 ゴキゲン中飛車超急戦 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2004-01-01
価格 :¥1,430(2024/02/06 07:04時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

ついにというかやっとというか、とにかくとうとうでました中飛車編。とりあえずゴキゲン中飛車ということだが、風車なんかはやっちゃくんないだろうから、実質的にはゴキゲン中飛車がほとんど、あとは3八飛戦法編とか居飛車穴熊編といったラインナップになるんだろうね。
内容はゴキゲン中飛車の超急戦バージョン。▲5八金右と構える形である。詰みまで調べられている超急戦から、少しゆっくりした戦いになる形まで、とりあえずのことは解説されている。▲2四歩と垂らす手は新手だと思うのだが、どこかで紹介されていただろうか? なかなか面白い手だと思った。

相変わらず読みにくい内容で、特に詰みまで行ってしまうほど深く研究してあると、今なんの形について解説しているのかが非常に判りにくくなる。手としては確かに一つのカテゴリなのだが、その辺は柔軟に目次分けをすることも必要だったのではないだろうか。
それでも、一通り以上のことは解説されているので、ゴキゲン党もやられて困る人も、読んでおいて損はない。

あとがきを読むと、少なくともあと2冊分はゴキゲン中飛車の解説だそうだ。▲7八銀型とか相振り飛車型も紹介されることになるのだろうか。

作成日:2004.01.28 
中飛車

なんでも中飛車

なんでも中飛車 (将棋必勝シリーズ)
著者 :森下 卓
出版社:創元社
出版日:2003-09-01
価格 :¥1,430(2024/02/06 07:04時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

創元社の入門編(白砂命名)シリーズである。
初手▲5六歩という原始中飛車(聞かなくなったなーこの言葉)から、ツノ銀、相振り、矢倉、カニカニ銀といろんな戦形での中飛車を取り扱っている。まさにタイトル通り、なんでも中飛車を指していけば勝てんだよ! という感じの一冊だ。

帯に「有段者は読まないで下さい」とあるように、読んでみると都合のいい手順が多いことは多い。それは否定しない。しかしまぁ本の方向性が「狙いを判りやすく示そう」ということなのだから、それを言ってはヤボというものである。
級位者相手に、難解な手順を経て形勢不明、なんていう手順を見せたって面白くもなんともない(笑)。やはりここは、バッサバッサと斬って落として「ほらすごいだろお!」とみせる本書のやり方が正しいと思う。

初段を少し過ぎた人には、ツノ銀中飛車の項がお勧めだ。駒組みで優位に立ち、そこから終盤へ向けて優位を広げていくための指し方、手筋が解説されている。どこかで読んだような手順ではあると思うのだが(笑)、最近ここまで丁寧に解説している本はなかったと思う。
有段者は、本書を「人に教えるための本」と思って読んでみてほしい。学生将棋や社団戦などでチームを組んで「教える立場」にいる人は必読。『ホントに勝てる』シリーズもそうだったが、人にモノを教えるというのがどれだけ大変なことか。本書を読むとそれがよく判る。
定跡書としての価値は決して高くはないが、教材としての価値は非常に高いと思う。丁寧に作りこまれた良書だろう。

作成日:2003.10.01 
中飛車

新ゴキゲン中飛車戦法

新ゴキゲン中飛車戦法 (パワーアップシリーズ)
著者 :近藤 正和
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2003-08-01
価格 :¥36(2024/02/06 07:04時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

ゴキゲン中飛車についてはいまさら語る必要もないだろう。縁台将棋然としていながら、タイトル戦にまで登場する本格戦法である。

本書は、そのゴキゲン中飛車とは違う中飛車である(笑)。

サギぢゃねーのか、おい?

 いや、マジでさ。
この戦法をゴキゲン中飛車と言ってしまうのは少し酷いと思う。

内容としては、先手番での原始中飛車と言ってしまっていいのかもしれない。いきなり▲5六歩▲5八飛としてガンガン捌いていく戦法である。もっとも、ガンガンと言っても居玉で▲6六銀から▲5五歩、というホントに縁台将棋ってわけじゃないので、攻め好きの人には参考になると思う。
また、相振り飛車のついても載っている。
こちらは実戦例をもって解説に代える、みたいな感じで少し物足りないが、大体の雰囲気はつかめる。中飛車で相振りを指す時にはこうすればいいのか! みたいな指針にはなるはずだ。

タイトルはウソくさいが、一応中身はちゃんとしている。
中飛車党は買いだと思う。

作成日:2003.08.25 
中飛車
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