定跡

超阪田流角命戦法

超阪田流角命戦法: 阪田流向かい飛車を超えた新戦法 (森内優駿流棋本ブックス)
著者 :木屋 太二
出版社:主婦と生活社
出版日:1999-09-01
価格 :¥1,464(2024/09/01 00:25時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『筋違い角と相振り飛車』の著者が、再び変態戦法を紹介してくれた。今度は阪田流の変形バージョン。というか、阪田流に見せかけた戦法である。
序盤の2二飛3三金型(阪田流は後手用の戦法)から、△4四歩△4二銀△4三銀△3三桂として△3二金と引く。金を上がったり下がったりしているので手損はしているが、この綺麗な形を作ってしまえば優勢という大局観である。この後、後手番にもかかわらず先手の飛車めがけて攻めまくる。決まれば実に痛快な戦法だ。

こちらの構想を外された場合についてのフォローも、あるていどはされている。単純な奇襲ではないので有段者の知識が必要だが、指しこなせれば面白いだろう。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法

振り飛車新世紀2 久保流四間飛車(上) 棒銀撃破!

久保流四間飛車 上 (振り飛車新世紀 2)
著者 :久保 利明
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1997-09-01
価格 :¥1,320(2024/08/31 22:47時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

四間飛車対棒銀にのみ絞ってまるまる一冊解説している。

『振り飛車新世紀1 窪田流四間飛車』で窪田も棒銀については解説しているが、本書のほうが気持ち緻密だ。振り飛車が先手後手両方について書いてあるのもいい。
昔、誰かが「振り飛車の定跡本の場合、千日手の変化があると必ず振り飛車を後手にする」と言っていたことがあった。本書に限ってはそれはないわけで、それだけきちんと解説している証拠でもある。先手と後手の変化を比べることにより、一手の差の大きさをより強く認識できる効果もある。

かなり古い本ではあるのだが、一度は読んでみて欲しい。級位者には特におススメである。

作成日:2001.07.20 
四間飛車

将棋・穴熊戦法

将棋・穴熊戦法 (1980年)
著者 :
出版社:
出版日:
価格 :¥2,971(2024/08/31 20:58時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

昭和55年発行という古い本である。もはや古本屋か図書館でなければお目にかかることはないだろう。
穴熊、ということなのだが、くりかえすようだがなにしろ昭和55年である。一応居飛車穴熊の記述はあるものの、当時の穴熊と言えば振り飛車穴熊である。よって、居飛車穴熊対振り飛車美濃囲いはさらっとしか載っていない(むしろ掲載されているだけすごいのかもしれない)。

内容としては、振り飛車穴熊対急戦、振り飛車穴熊対持久戦(位取り)、相穴熊、相振り飛車での穴熊などである。
おすすめなのは、最後の章。
「穴熊の再認識」と題された本章では、穴熊戦法を論理的に分析している(とはいっても現在では常識の範疇だろうが)。
いわく、

  • 「穴熊は玉を固く囲うので受けの戦法と思われるかもしれないが、実は豪快に攻めるための準備であり、本質は攻めにある」
  • 「穴熊戦法の魅力はその強力な破壊力にある」
  • 「穴熊は端、上部からの桂香(+下段飛車)による攻撃に弱い」

そして、弱点を知ってしまうと、「なんだ、弱いんじゃん」ということで穴熊が嫌いになるかもしれないが、そんなことはない。弱点をきちんと知っていれば、それを受けないように気をつけるからそんなに不利にはならないはずである、と結んでいる。

なかなかに含蓄のある論理だと思う(表現は大幅に修正してます)。特に、きちんと弱点を説明し、それを受けないように気をつけようという態度がいい。なんでもかんでも穴熊よし、ではないのである。
昭和の時代に、そういう「健全な精神」で棋書が著されているというのは嬉しいことだ。木村先生の哲学の賜物なのだろうか。

作成日:2001.07.20 
穴熊

振り飛車新世紀7 窪田流四間飛車 II 撃退! 右四間

窪田流四間飛車 2 (振り飛車新世紀 7)
著者 :窪田 義行
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1999-12-01
価格 :¥1,178(2024/09/01 09:44時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『振り飛車新世紀1 窪田流四間飛車』でも登場した窪田の2冊目。今度は右四間である。

右四間では、居飛車側に、舟囲い、左美濃(米長玉)、居飛車穴熊と3種類の選択権がある。いずれの場合も居飛車側が主導権を握りつつの展開になるので、振り飛車側としても工夫が必要になるわけだ。
本書はどちらかというとオーソドックスな対処法で、なんだか「普通に指しても急に不利にはなんないよー」と言っているような感じがした(笑)。実際は一手一手に神経を使って最新の手順を組み立てているのだが。

このシリーズ共通の問題なのだが、レイアウトがほとんどのページで同じなので、いま自分がどこにいるのかが判りにくくなる。特に盤駒なしでさらっと読んでいると、膨大な変化がちょっとずつ形を変えて出現するので混乱してしまう。
逆に言うと、その点にさえ注意すれば、懇切丁寧な解説がずーっと書いてあるわけだから非常に有用な本であるとも言える。あるていどの棋力がないと辛いかもしれないか、読む価値は十分にある。

作成日:2001.07.20 
四間飛車

秘伝 穴熊王 ~堅い・攻めてる・切れない・勝ち!~

秘伝穴熊王: 堅い 攻めてる 切れない 勝ち
著者 :美馬 和夫
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1995-09-01
価格 :¥759(2024/08/31 20:58時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

アマ強豪で穴熊の大家、美馬さんが書いた本。自分の書いた文章というものが実際に本になるというのはどんな気持ちなんだろうか。同じアマチュアとして(「強豪」の文字が入れられないのが悲しい)、そしてアマチュア文筆家として非常に興味がある。
内容は居飛車・振り飛車を問わずとにかく穴熊について解説されている。プロ間では藤井システムが登場してやや劣勢の感があるが、アマチュアでは依然として「熊れば勝ち」「攻めればよし」は真理なんだろう。
特に劣勢からの逆転術については参考になる。穴熊党なら是非読んでおきたい本だ。

作成日:2001.07.20 
穴熊
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