定跡

史上最強の穴熊 2.持久戦編

史上最強の穴熊 2 持久戦編
著者 :大内 延介
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1994-11-01
価格 :¥1,280(2024/02/08 14:36時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『史上最強の穴熊 1.急戦編』は対急戦だったが、本書は対持久戦。振り穴党はむしろこっちを解説してくれた方が嬉しいのではないだろうか?

もともと、振り飛車穴熊は居飛車穴熊に比べて不利だ、という話がある。左銀が使いにくいとか飛車先の歩が伸びているとかそんなようなことだと思ったが、実際のところそれってそんなに不利になんのかよ? と思った記憶がある。
本書の指し方はかなりオーソドックスな方だが、それでも、いわゆる「相穴熊振り飛車側の不利」を感じさせない指し方である。少し変化の底が浅いので、『振り飛車新世紀 4 鈴木流四間穴熊』『これが最前線だ!』などと合わせて読むといいだろう。

作成日:2001.07.20 
穴熊

新相振り革命

新相振り革命 (MYCOM将棋文庫SP)
著者 :杉本 昌隆
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2004-11-01
価格 :¥227(2024/02/07 14:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

 前作『相振り革命』で緻密な研究を披露してくれた著者の、相振り続編。絶版の嵐が吹き荒れる毎コミ本の中で、いまだに発売されているという事実が良書であることを物語るだろう。

 今回は相振り飛車定跡本では珍しい美濃囲いに焦点を当てている。
 矢倉に対して美濃に囲って速攻を仕掛ける順や、▲7六歩▽3四歩▲6六歩に▽3三角という手順から向かい飛車にする後手3三角戦法など、すぐに実戦に生かせる定跡である。

 しかしそれだけに、あるていど「相振り飛車とはこんな形で……」という形や手順を知っていないと読みこなすのは辛いかもしれない。ひととおりの知識がある人が、さらに深いところを追求するための高度な内容の本だ。

作成日:2001.07.20 
相振り飛車

一閃! 森流ヒネリ飛車

一閃!森流ヒネリ飛車
著者 :森 鶏二
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1996-10-01
価格 :¥406(2024/02/06 08:42時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

日本将棋連盟発行、ゴースト作者脇田(違ったっけ?)という一冊。塚本が「購入をヨギなくされた」と嘆く恨みの一冊である(いいんかなこんなこと書いて……)。
できればほめちぎりたいところなのだが、脇田には非常に申し訳ないけれども文句がいっぱいある。

まず、実戦編で解説されている手筋が基礎講座編で触れられていなかったり、基礎講座そのものの底が浅かったりと(感じたんだよ私は)、ちょっと物足りない。森流かどうかはさておき、このころヒネリ飛車は大流行したはずなのだから、もっと詳しく掘り下げてもよかったと思う。

ついでに言うと,このシリーズ共通の構成にも文句がある。

構成そのものは典型的な「上半分図面左下小図面」で、それは別にいい。図面の横に手順が載っていて、そこにabcと注釈記号が振ってある。これもいい。そしてその注釈がすぐ横に載っているのだが、問題はこの注釈である。
すべて、下の文章で書いてあることなのだ。
たとえば、「位を取らせない」と注釈が書いてあるとする。その下の文章には「しばらく戦いが起こりそうにないので▲1六歩と玉の方の端歩を受けておく。逆に△1五歩と伸ばされると窮屈な形だ」と書いてあるのだ。

わざわざ同じこと言うんじゃねぇよ!
 注釈が、本文にも書けないような「小さなこと」だったらいい。同じ情報を、同じページに載せてどうするというのだ。
これは『羽生の頭脳』から変わっていないように思う。誰も異論を挟まなかったのだろうか。
どうも日本将棋連盟は本の作り方が下手なような気がする。少しは毎コミを見習ってほしいものだ。

作成日:2001.07.20 
相掛かり・角換わり

必殺! かまいたち戦法

必殺!かまいたち戦法―英春流のすべて (三一将棋シリーズ)
著者 :鈴木 英春
出版社:三一書房
出版日:1988-07-01
価格 :¥942(2024/02/07 13:26時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

言わずと知れた英春流「かまいたち」の解説書である。
このシリーズは好評だったらしく、この後も『必殺! 19手定跡』『必殺! 右四間』『英春流将棋問答』と続刊が続々出ている(この他にあと2冊出ている)。それだけ人気があるのだろうか。実際、プロにも英春流で勝ったと聞くし、これは「立派な変態戦法」だろう。

内容の方も英春流の詳しい説明がされていて悪くはないのだが、定跡講座ではなく実戦譜を使って解説しているというのが珍しい。わざわざ投了まで解説しなくてもとも思うが、逆に「~にて先手良し」でおしまいというのも不親切な気がするので、どちらがいいのかは微妙ではある。個人的にはあまり好きでない形式であるが。

また、図面の載せ方も難がある。できれば、図面は棋譜の始まりであり、棋譜の最後は次の図面であってほしい。その方が棋譜を目で追えるからである。本書ではそれが逆になって、棋譜の終わりが図面になっている。これはなんとかしてほしかった。もっとも、これについては姉妹書(?)の『公望流メリケン向飛車戦法』でもそうなっているので、出版社である三一書房の方針なのかもしれない。

もっと言うと、個人的に英春流そのものが好きではないので、なんでこの本を買ったのかがよくわからない(笑)。ただ、アマではいまだに指されている戦形ではあるので、自分なりの対抗策を確立させる意味でも読んではおきたいところだ。

私は絶対この形にはならないので、対抗策を考えたことすらないのだが(笑)。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法

振り飛車新世紀1 窪田流四間飛車

窪田流四間飛車 (振り飛車新世紀 1)
著者 :窪田 義行
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1997-06-01
価格 :¥350(2024/02/06 01:05時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「若手プロがそれぞれの得意形を解説する」という編集方針の元に作られたシリーズで、シリーズ1作目は窪田の振り飛車。居飛車穴熊と山田定跡、棒銀その他の戦法が載っている。
5年前の本なので定跡としては若干古くなっているが、山田定跡などはこれ以降に本になっていたかなぁ……というくらい意外と書かれていないような気がする(気がするだけです(笑))ので、そういう点では一読してみるのもいいかもしれない。

作成日:2001.07.20 
四間飛車
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