定跡

必殺! かまいたち戦法

必殺かまいたち戦法: 英春流のすべて (三一将棋シリーズ)
著者 :鈴木 英春
出版社:三一書房
出版日:1988-07-01
価格 :¥861(2025/04/30 20:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

言わずと知れた英春流「かまいたち」の解説書である。
このシリーズは好評だったらしく、この後も『必殺! 19手定跡』『必殺! 右四間』『英春流将棋問答』と続刊が続々出ている(この他にあと2冊出ている)。それだけ人気があるのだろうか。実際、プロにも英春流で勝ったと聞くし、これは「立派な変態戦法」だろう。

内容の方も英春流の詳しい説明がされていて悪くはないのだが、定跡講座ではなく実戦譜を使って解説しているというのが珍しい。わざわざ投了まで解説しなくてもとも思うが、逆に「~にて先手良し」でおしまいというのも不親切な気がするので、どちらがいいのかは微妙ではある。個人的にはあまり好きでない形式であるが。

また、図面の載せ方も難がある。できれば、図面は棋譜の始まりであり、棋譜の最後は次の図面であってほしい。その方が棋譜を目で追えるからである。本書ではそれが逆になって、棋譜の終わりが図面になっている。これはなんとかしてほしかった。もっとも、これについては姉妹書(?)の『公望流メリケン向飛車戦法』でもそうなっているので、出版社である三一書房の方針なのかもしれない。

もっと言うと、個人的に英春流そのものが好きではないので、なんでこの本を買ったのかがよくわからない(笑)。ただ、アマではいまだに指されている戦形ではあるので、自分なりの対抗策を確立させる意味でも読んではおきたいところだ。

私は絶対この形にはならないので、対抗策を考えたことすらないのだが(笑)。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法

振り飛車新世紀1 窪田流四間飛車

窪田流四間飛車 (振り飛車新世紀 1)
著者 :窪田 義行
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1997-06-01
価格 :¥152(2025/04/30 16:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「若手プロがそれぞれの得意形を解説する」という編集方針の元に作られたシリーズで、シリーズ1作目は窪田の振り飛車。居飛車穴熊と山田定跡、棒銀その他の戦法が載っている。
5年前の本なので定跡としては若干古くなっているが、山田定跡などはこれ以降に本になっていたかなぁ……というくらい意外と書かれていないような気がする(気がするだけです(笑))ので、そういう点では一読してみるのもいいかもしれない。

作成日:2001.07.20 
四間飛車

快勝! スーパー穴熊

快勝スーパー穴熊
著者 :小林 健二
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1998-02-01
価格 :¥1,540(2025/04/30 16:19時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

ホントに商売人やのぅ……(笑)

スーパー四間飛車シリーズ、今度は穴熊である。
そこそこ詳しく解説はしてあるが、なんだかすでにどこかで読んだことがあるぞ、という変化も数多い。定跡書と思って買うと多分損をする。
この本のウリは、冒頭の「穴熊の歴史」の部分であろう。穴熊党の各プロの将棋を解説して、それぞれの棋風の違いなどを紹介している。穴熊の戦い方も参考になるし、この部分だけは読んでいてためになったと感じた。

作成日:2001.07.20 
穴熊

続 〈定跡〉相振り飛車

定跡相振り飛車 続 (パーフェクトシリーズ)
著者 :小林 健二
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1999-10-01
価格 :¥157(2025/04/30 16:19時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

前作に続いての続刊。もう商売のうまさには声が出ない(笑)。
なぁんてケナそうと思ったら、今回はなかなか面白く書いてあるじゃん!!

最初の金無双編から△5三銀型や△3三銀型を取り上げたり、果ては相振り相矢倉、対穴熊左玉(高田流のような形)まで、なんだこれはビックリ人間ショーか!?(<古いよ)というくらい珍しい戦形が集めてある。
変化の底は浅いので面白がって見るだけにしておいた方がいいとは思うが(笑)、うまく自分なりに使いこなせれば相振りが楽しくなるかもしれない。最近の小林本には珍しいが、素直に「面白いから読んでみ」と薦められる本になっている。

作成日:2001.07.20 
相振り飛車

谷川の21世紀定跡 1.角換わり編

谷川の21世紀定跡 1 角換わり編
著者 :谷川 浩司
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-11-01
価格 :¥50(2025/04/30 16:19時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

谷川が角換わりについての最新定跡について解説している本。「1.」とついていることからも他の戦法について著す可能性は大きく、となると『羽生の頭脳』の谷川版を目指しているのではないかとも思われる。
実際、中のツクリは『羽生の頭脳』にソックリである。最初に「光速の見解」という大まかな指標があったり、レイアウトも酷似している。もっとも、これは将棋連盟の本作りのパターンかもしれないのでなんとも言えない。

内容は非常に高度であるが、初手から指し手の意味を解説する部分もあったりと、初段前後の人が読んでも理解は可能だろう。また、△6五歩型の解説書はおそらく本書くらいしかない(最近の流行なので、他の本はカバーしていないと思われる)ので、高段者で角換わり腰掛け銀を指す人にとっては必携の書と言える。

全体的に谷川の定跡本「らしい」作りになっているので、買っても損はないだろう。
白砂はこういう将棋は指さないから図書館で借りたけど(笑)。

作成日:2001.07.20 
相掛かり・角換わり
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