定跡

明快四間飛車戦法 急戦・持久戦もらくらくさばける

明快四間飛車戦法 (将棋必勝シリーズ)
著者 :鈴木 大介
出版社:創元社
出版日:2001-02-01
価格 :¥1,430(2025/05/01 03:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

鈴木大介著。
このページを読んでいる人であれば、どういう本かそれだけで判ると思う。

相変わらずっす(爆)

急戦などはほとんど一本道で「~にて先手よし」。いいんかホントに(笑)。
このシリーズ共通のコンセプトでもあるし、鈴木大介のコンセプトでもあるようだし、それはそれでいいのかもしれない。ただなぁ、まだ若いでしょ。若いうちからそんな「啓蒙活動」にいそしんでどーするよ!? という思いはある。やっぱ、若手(って言えるほどもう若くはないけど)には緻密で深い研究を発表してほしい。

……そんなことはさておき。
本書は、四間飛車をこれから指そうと思っている人にとっては役に立つ本だと思う。本書をざっと読んで、とはいっても精読しようにもあっという間に終わっちゃうだろうけど(笑)、形だけ覚えればそれでいい。まずは「自分がどうすべきか」を覚えるのが先決だからだ。そのあとの小難しい変化は徐々に制覇していけばいいことだ。
そういう「はじめの一歩」にはちょうどいい本だ。よって、有段者は間違っても手を出さないように。1200円はもっと有効に使いなさい(笑)。

作成日:2001.07.20 
四間飛車

居飛穴なんかコワくない

居飛穴なんかコワくない―振り飛車の逆襲 (週将ブックス)
著者 :神谷 広志
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1987-03-01
価格 :¥181(2025/04/30 17:35時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

何度も出てくる話だが、居飛車穴熊の出現は振り飛車党にとっては大打撃だった。と同時に、イビアナ退治本も氾濫することとなった。本書はそのなかの一冊である。
三間飛車真部流、メリケン向かい飛車、四間飛車▲4八飛戦法(スーパー四間飛車の原型)、中飛車角交換型、石田流飛車交換型と、振り飛車すべてについて解説してある。

個人的には、石田流の指し方に興味を持った。
普通に組んだあと、▲4六角とノゾく。そのまま▲7四歩とされると△同飛▲同飛△同歩▲9一角成とダイレクトに香を取られるので△9三香と逃げるが、そこで▲5七角と引く。△9三香としているので、▲7四歩△同飛(△同歩は▲6五歩)▲同飛△同歩に▲8五桂と跳ねた手が香に当たるという仕組みである。
よく考えられた手順だと思う。『真・石田伝説』で紹介されている「楠本流対潜石田」でも似たような手が出てくる。

このように、古い(1987年刊)本でありながら現在でも十分に通用する戦法が解説されている。級位者から初段前後の人にとっては「買い」である。ぜひとも一度読んでみてほしい。

作成日:2001.07.20 
穴熊

ゴキゲン中飛車戦法

ゴキゲン中飛車戦法 (パワーアップシリーズ)
著者 :近藤 正和
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-11-01
価格 :¥1,430(2025/04/30 16:22時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

 初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛と進む、やや力戦形の中飛車がゴキゲン中飛車である。竜王戦でも何度か登場した戦法で、詰みまで知らないと指せない叩き合いの局面になったり、かと思えばじっくりと本格的な駒組み合戦になったりする。不思議な戦法だ。

 しかし、『消えた戦法の謎 あの流行形はどこに!?』でこの戦形は取り上げられており、そこでは田中-有森戦でゴキゲン中飛車不利と結論つけられていた。消えたんじゃないのかこの戦形は。
 ひょっとすると、なにか新定跡でも誕生したのか……。そんな期待をちょっと持って、本書を開いてみた。

その変化は飛ばしてある……。

 ずるいぞ近藤(笑)。

作成日:2001.07.20 
中飛車

〈定跡〉相振り飛車

定跡相振り飛車 (パーフェクトシリーズ)
著者 :小林 健二
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1998-01-01
価格 :¥1,320(2025/04/30 20:18時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『相振り飛車にツヨくなれ』を書いた小林八段の本。
同じネタで2つも書くなよ……。

内容は『相振り飛車にツヨくなれ』や『相振り革命』で十分にことたりる。逆に言うと、本書があれば前2冊は必要がないのだが、本書は少々カタログ的のため変化の底が浅い。最終的には別の本を頼ることになるだろう。

どうも小林八段の本は、スーパー四間飛車シリーズにしてもそうだが回を重ねる毎に質が落ちている気がする。カタログも必要だとは思うが、アマ高段者に必要なのは詳細な変化の述べられた突っ込んだ本だと思うのだ。なんだかだんだん「高段者の書いた定跡本」になっていくようで寂しい。
とはいえ、級位者にとっては役に立つ本だと思う。これを読んで一つでも多くの知識を蓄えてほしい。特に振り飛車党には必携である。

作成日:2001.07.20 
相振り飛車

塚田スペシャル物語

塚田スペシャル物語
著者 :塚田 泰明
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1989-02-01
価格 :¥220(2025/04/30 20:49時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

 言わずと知れた「塚田スペシャル」。本書は、その本家である塚田八段が自ら著した本である。
 もうすでに古い戦形と言えるかもしれないが、だからこそ、初段以下の居飛車党には読んでほしい。相掛りの基本的な変化が詳解されている。

 突然だが、この本と『中原流相がかり』は実は私のものではなく、塚本から借りたものである。
 私の場合、先手なら▲7六歩、後手なら△3二金と指す手は決まっているのだが(笑うな)、▲7六歩に△8四歩とされると困る、という話を夏合宿の時に塚本にした。そうしたら「そんなの▲2六歩に決まってるじゃないですか」「白砂さんは相掛りみたいな薄い玉の将棋合ってますって」というので、入門書として借りたのである。

 居飛車素人が一から覚えた経験から言わせてもらえば、非常に役に立った。
 過去の戦法なので現在では(塚田スペシャルは)役には立たないが、相掛りの入門書としては自信を持って薦められる一冊である。
 個人的なことで申し訳ないが、塚本にはこの場を借りて礼を言っておく。
 ありがとう。

作成日:2001.07.20 
相掛かり・角換わり
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