居飛車

東大将棋ブックス矢倉道場 第2巻 続・4六銀

矢倉道場 第2巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2001-11-01
価格 :¥104(2025/04/30 17:56時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

第1巻は▲5七角と一手待つ形だったが、今度は待たずに▲2五形と開戦する形を解説している。現在のプロの主流ではないがこれも難しい展開になり、結論はほぼ優劣不明かやや後手のり。これくらいの差なら、アマチュアなら知ってたモン勝ちである。矢倉党の有段者には必携の書といえよう。

とはいえ、あいかわらずツメ込み構成は変わっていないので、読むのがひどく疲れる。有段者必携とは言ったが、現実的には有段者「のみ」必携、初段以下は読むだけムダな本とも言える。
定跡の難しさ(奥深さ、ではない(笑))を知りたい人なら、怖いもの見たさで読んでみるのもいいかもしれない。1,200円は棋書にしてはそんなに高くない値段ではあるが、それでもたぶん後悔すると思う(笑)。

作成日:2001.11.15 
矢倉

東大将棋ブックス矢倉道場 第1巻 4六銀

矢倉道場 第1巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2001-09-01
価格 :¥1,320(2025/04/30 18:23時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

先手4六銀戦法(4六銀-3七形の形)vs森内流△9五歩、先手が1八香型で、そこから一手▲5七角と待つ形だけを解説している。ここまで特化した形を一冊の本で解説するというのはなかなかの冒険だ。
さらに言うと、図面がいっぱい、変化手順がいっぱい、しかし解説が少し、という東大将棋ブックスならではの構成。ようするに、棋譜を示されて理解できる人にとっては盤駒なしでも読める便利な本になるが、そうでない人にとっては手順の解説の中途半端な難しすぎる本になるということである。これをどうとらえるかは難しいところだが、アマ有段者にとって知りたい情報満載の本が出た、という事実を素直に喜びたい。

将棋ソフト『東大将棋』シリーズと提携するという異色の試みだが、個人的にはその設定はあってもなくてもいっしょだと思う(笑)。もう少し構成を工夫すれば名著になったと思うのだが、構成に時間をかけるより、情報を詰め込んでいろんな形の定跡をいっぱい紹介しようというハラづもりなのだろう。それはそれで一つの方向性である。
初段前後くらいまでの人は触らない方がいい。矢倉と定跡書が嫌いになっていくだけだ。

作成日:2001.09.10 
矢倉

現代矢倉の闘い

現代矢倉の闘い (未来の定跡)
著者 :森下 卓
出版社:河出書房新社
出版日:1999-08-01
価格 :¥646(2025/04/30 19:43時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『現代矢倉の思想』の続編。▲4六銀▲3七桂戦法と森内流を詳解している。

特に森内流は現代矢倉の流れを変えたとまで言われる形で、これは矢倉党なら絶対に知っておかなければいけない。
巻末のインタビューも面白く読めた。森下の人柄が出た良書と思う。

作成日:2001.07.20 
矢倉

横歩取り中原流

横歩取り中原流: 必殺陣第二弾 後手5一金型
著者 :中原 誠
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1995-04-01
価格 :¥100(2025/04/30 14:47時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

現在大流行中の「中座飛車」のルーツのひとつ(もうひとつは内藤流空中戦法)がこの戦形である。

現在は中座飛車にその地位を譲った感はあるが、それでも中座飛車の下敷きになっていることは間違いない。できれば押さえておきたい一冊だろう。

作成日:2001.07.20 
横歩取り

角換わり腰掛け銀研究

新版 角換わり腰掛け銀研究
著者 :島 朗
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1998-08-01
価格 :¥4,389(2025/04/30 18:40時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

なんでこの本を自分が持っているのかがまずわからない(笑)。

はっきり言って「難しい」。
豊富な図面と詳細な研究。手順は、仕掛けからどちらかが有利になるかどうかというところまで、と割り切り、その代わりそこに至るまでの膨大な変化をすべて解説している。居飛車党の高段者には必携の一冊である。
「新版」では、谷川―佐藤の名人戦の変化が載っている。△6三金型や▲9五歩突き越し型だったと記憶しているが、立ち読みのため自信はないので興味のある人は読んでほしい。

これを読まずして腰掛け銀を指す資格はない、と言い切っても過言ではない、腰掛け銀を愛する者のバイブルである。

しかしそうなると,ますますなんでこの本を自分が持っているのかがわからない(笑)。

作成日:2001.07.20 
相掛かり・角換わり
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