定跡

ゴキゲン中飛車戦法

ゴキゲン中飛車戦法 (パワーアップシリーズ)
著者 :近藤 正和
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-11-01
価格 :¥1,430(2025/04/30 16:22時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

 初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛と進む、やや力戦形の中飛車がゴキゲン中飛車である。竜王戦でも何度か登場した戦法で、詰みまで知らないと指せない叩き合いの局面になったり、かと思えばじっくりと本格的な駒組み合戦になったりする。不思議な戦法だ。

 しかし、『消えた戦法の謎 あの流行形はどこに!?』でこの戦形は取り上げられており、そこでは田中-有森戦でゴキゲン中飛車不利と結論つけられていた。消えたんじゃないのかこの戦形は。
 ひょっとすると、なにか新定跡でも誕生したのか……。そんな期待をちょっと持って、本書を開いてみた。

その変化は飛ばしてある……。

 ずるいぞ近藤(笑)。

作成日:2001.07.20 
中飛車

〈定跡〉相振り飛車

定跡相振り飛車 (パーフェクトシリーズ)
著者 :小林 健二
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1998-01-01
価格 :¥1,320(2025/04/30 20:18時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『相振り飛車にツヨくなれ』を書いた小林八段の本。
同じネタで2つも書くなよ……。

内容は『相振り飛車にツヨくなれ』や『相振り革命』で十分にことたりる。逆に言うと、本書があれば前2冊は必要がないのだが、本書は少々カタログ的のため変化の底が浅い。最終的には別の本を頼ることになるだろう。

どうも小林八段の本は、スーパー四間飛車シリーズにしてもそうだが回を重ねる毎に質が落ちている気がする。カタログも必要だとは思うが、アマ高段者に必要なのは詳細な変化の述べられた突っ込んだ本だと思うのだ。なんだかだんだん「高段者の書いた定跡本」になっていくようで寂しい。
とはいえ、級位者にとっては役に立つ本だと思う。これを読んで一つでも多くの知識を蓄えてほしい。特に振り飛車党には必携である。

作成日:2001.07.20 
相振り飛車

塚田スペシャル物語

塚田スペシャル物語
著者 :塚田 泰明
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1989-02-01
価格 :¥220(2025/04/30 20:49時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

 言わずと知れた「塚田スペシャル」。本書は、その本家である塚田八段が自ら著した本である。
 もうすでに古い戦形と言えるかもしれないが、だからこそ、初段以下の居飛車党には読んでほしい。相掛りの基本的な変化が詳解されている。

 突然だが、この本と『中原流相がかり』は実は私のものではなく、塚本から借りたものである。
 私の場合、先手なら▲7六歩、後手なら△3二金と指す手は決まっているのだが(笑うな)、▲7六歩に△8四歩とされると困る、という話を夏合宿の時に塚本にした。そうしたら「そんなの▲2六歩に決まってるじゃないですか」「白砂さんは相掛りみたいな薄い玉の将棋合ってますって」というので、入門書として借りたのである。

 居飛車素人が一から覚えた経験から言わせてもらえば、非常に役に立った。
 過去の戦法なので現在では(塚田スペシャルは)役には立たないが、相掛りの入門書としては自信を持って薦められる一冊である。
 個人的なことで申し訳ないが、塚本にはこの場を借りて礼を言っておく。
 ありがとう。

作成日:2001.07.20 
相掛かり・角換わり

超急戦!!殺しのテクニック

超急戦殺しのテクニック (塚田泰明の速攻将棋)
著者 :横田 稔
出版社:高橋書店
出版日:1988-12-01
価格 :¥391(2025/04/30 17:33時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

構成は『奇襲大全』『奇襲!!将棋ウォーズ』とほぼ同じ。奇襲対策がきちんと書かれているという点も同じだ。同じ戦法も決して少なくない。
なので、若干点数は厳しくなっている。

しかし、繰り返すが、こういう奇襲モノは一度は読んでおいて損はない。手に取ることだけはしておくべきだ。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法

将棋の基本戦法

将棋の基本戦法
著者 :松田 茂行
出版社:日東書院本社
出版日:1987T
価格 :¥126(2025/04/30 17:33時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

さまざまな将棋の戦法について、基本的な駒組みの部分までをわかりやすく解説した本。

非常に古い本である。昭和53年初版発行だ。
なので、取り上げられている題材は古い。有段者でも今の若い人は「新旧対抗」なんて知らないだろう。それほど古い。

この本のすごいところは、前書きで堂々と「これは作った手順です」と宣言していることだ。初めて読んだ時には気が触れたかとも思ったが(笑)、続きを読んで納得。ようするに、「初心者には、正しい指し方を提示して『形勢不明』とするよりも、ウソの指し方であっても理想を展開して『有利』とした方がいい」という考え方らしい。
これは、非常に優れた考え方だと思う。
いや、今までのいわゆる「高段者の定跡本」というやつも、そういう考えでウソ手順を載せていたのかもしれない。しかし、それを「言わない」のではサギでしかない。それをきっちりと明確にしたところが本書の(発刊姿勢の)素晴らしさである。初級者、中級者にものを教える時にはこうありたいものだ。

作成日:2001.07.20 
全般
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