奇襲・変態戦法

新鬼殺し戦法

新鬼殺し戦法 (マン・ツー・マン・ブックス 将棋奇襲 2)
著者 :米長 邦雄
出版社:山海堂
出版日:1993-08-01
価格 :¥377(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

米長邦雄著の奇襲戦法シリーズ第2弾。
くどいようだが、ホントは本人が書いてはいないと思う。

有名な「鬼殺し戦法」を下敷きにして、早石田を組み込んだような指し方をする。具体的な手順は▲7六歩△8四歩▲7五歩△8五歩▲7七角△3四歩▲7八飛△7七角成▲同桂(!)である。
なんだか八方破れのような形だが、これが意外と大丈夫だったりする。本書ではこの局面から、

  • △8六歩
  • △4五角
  • △5四角
  • △7六角
  • △6二金

の5つの指し手を挙げ、その対処法を解説している。

前著に続き図面も多く読みやすい。また、良くも悪くも綱渡りの指し手が続くので非常にウソ臭いが(笑)、参考になる攻め筋もあり、初段前後の人には楽しめるだろう。
「奇襲戦法」なだけに正しく受けられると一発で不利になってしまうが、面白い指し方ではある。できれば自分なりに吸収して指しこなしてみてほしい。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法

奇襲! 将棋ウォーズ

奇襲将棋ウオーズ (屋敷伸之の忍者将棋)
著者 :湯川 博士
出版社:高橋書店
出版日:1992-01-01
価格 :¥93(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「屋敷伸之の忍者将棋」シリーズの1作。はっきり言って、この本を買うなら『奇襲大全』を買った方がマシである。なにしろ、書いたのが両方とも湯川博士である。内容も『大全』の方が実戦的だ。
それでも、一応は目を通す価値はあるだろう。とにかく奇襲モノに目を通すのが大学将棋では必須だ。自分が使っても星を稼げるし、逆に相手に使われて星を落とすこともない。私を見ればそれは一目瞭然だろう(おいおい……)。

けなしておいてから誉めるのも変な話だが、この本のいい所は「奇襲戦法」と「変態戦法」をきちっと分けているところだ。
将棋における奇襲戦法とは無理攻めとイコールであり、きっちり受ければ必ず受け切れる。変態戦法はメジャーでないと言うだけで、明確な欠陥があるというわけでない。
本書では、第1部に奇襲戦法を置き、「奇襲封じテクニック」として対策を載せている。この点は「買い」である。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法

超急戦!!殺しのテクニック

超急戦殺しのテクニック (塚田泰明の速攻将棋)
著者 :横田 稔
出版社:高橋書店
出版日:1988-12-01
価格 :¥258(2024/08/31 16:29時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

構成は『奇襲大全』『奇襲!!将棋ウォーズ』とほぼ同じ。奇襲対策がきちんと書かれているという点も同じだ。同じ戦法も決して少なくない。
なので、若干点数は厳しくなっている。

しかし、繰り返すが、こういう奇襲モノは一度は読んでおいて損はない。手に取ることだけはしておくべきだ。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法

筋違い角と相振り飛車

筋違い角と相振り飛車: ライバルに勝つマル秘作戦 (森内優駿流棋本ブックス)
著者 :木屋 太二
出版社:主婦と生活社
出版日:1997-07-01
価格 :¥270(2024/08/31 17:55時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

この本では筋違い角と相振り飛車の2つの戦形を扱っている。

筋違い角対策としては、▲3四角に△6四歩と突く形が知られている。以下▲6六歩と四間飛車を目指すと△6五歩▲同歩△6六角でハマるという仕組みである。
しかし、本戦法では角を7八ではなくなんと1六に引く。その後、相掛りのような形で攻めていく。そうすれば3四に歩がない分後手は困るだろうという考え方だ。

また、相振り飛車の方は、なんと相振りにもかかわらず▲5九金の中原囲いに組む。▲2八銀▲3八金の形が敵の攻めを厚く受けていて、しかも▲5九金▲6八銀の形が飛車交換になった場合の飛車打ちに強い、というメリットがあると言うのだ。

これも「ホンマかいな」系か、と思いがちだが、そこそこ実戦的だと思う。
変化手順が多いのもいい。自分で研究をすれば済むことではあるのだが、やっぱり指針があるに越したことはない。本書なら、とりあえず盤駒を持ち出さなくてもラクに読むことができる。
自分なりにアレンジして使いこなしてみたい戦形ではある。二、三段クラスでないと指しこなせないかもしれないが、お薦め度は大。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法 相振り飛車

必殺! かまいたち戦法

必殺かまいたち戦法: 英春流のすべて (三一将棋シリーズ)
著者 :鈴木 英春
出版社:三一書房
出版日:1988-07-01
価格 :¥688(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

言わずと知れた英春流「かまいたち」の解説書である。
このシリーズは好評だったらしく、この後も『必殺! 19手定跡』『必殺! 右四間』『英春流将棋問答』と続刊が続々出ている(この他にあと2冊出ている)。それだけ人気があるのだろうか。実際、プロにも英春流で勝ったと聞くし、これは「立派な変態戦法」だろう。

内容の方も英春流の詳しい説明がされていて悪くはないのだが、定跡講座ではなく実戦譜を使って解説しているというのが珍しい。わざわざ投了まで解説しなくてもとも思うが、逆に「~にて先手良し」でおしまいというのも不親切な気がするので、どちらがいいのかは微妙ではある。個人的にはあまり好きでない形式であるが。

また、図面の載せ方も難がある。できれば、図面は棋譜の始まりであり、棋譜の最後は次の図面であってほしい。その方が棋譜を目で追えるからである。本書ではそれが逆になって、棋譜の終わりが図面になっている。これはなんとかしてほしかった。もっとも、これについては姉妹書(?)の『公望流メリケン向飛車戦法』でもそうなっているので、出版社である三一書房の方針なのかもしれない。

もっと言うと、個人的に英春流そのものが好きではないので、なんでこの本を買ったのかがよくわからない(笑)。ただ、アマではいまだに指されている戦形ではあるので、自分なりの対抗策を確立させる意味でも読んではおきたいところだ。

私は絶対この形にはならないので、対抗策を考えたことすらないのだが(笑)。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法
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