終盤・寄せ

終盤の定跡デラックス

終盤の定跡 デラックス
著者 :週刊将棋
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1991-07-01
価格 :¥1,000(2025/04/30 20:20時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

昔、毎コミで出ていた『終盤の定跡』をまとめたもの。それに加えて、囲いの崩し方と3手5手の詰め将棋が載っている。

そもそもの『終盤の定跡』シリーズが週刊将棋の段級認定問題を採録したもので、本書では初歩から3段までが載っている。2段だの3段だのといいつつ、しかし他の記事はといえば初級講座と3手詰5手詰というのはかなりの違和感だが(笑)、要はそれだけ問題が難しくはないということだろう。事実、正解率が9割前後の問題は「よくある手筋」がほとんどだ。

初級者が力をつけるには悪い本ではないと思うが、なにぶん現在は手に入りづらい。類書もあることだし、わざわざ手間をかけてまで読む本ではないだろう。古本屋などで見かけたらキープしておくのはアリだと思う。

作成日:2007.08.31 
終盤・寄せ

終盤の手筋 詰み・詰めろ・必至・囲いの攻略・受けの基本テクニックを学ぶ

終盤の手筋: 詰み・詰めろ・必至・囲いの攻略・受けの基本テクニックを学ぶ (将棋終盤力養成講座 1)
著者 :勝浦 修
出版社:創元社
出版日:2002-06-01
価格 :¥912(2025/04/30 23:10時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

級位者向けに詰め手筋や囲いの崩し方を教える、という内容。

一冊に詰め込むにしては範囲が広く、そのためやや散逸な印象を受ける。しかし、もともと基本手筋の紹介であるのでこれで十分だろう。
図面も大きく、初級者から中級者にとっては「読みやすい」本でもある。
創元社らしい、入門向けに手がたく作られた良書だ。

作成日:2007.08.30 
終盤・寄せ

終盤の謎

終盤の謎: 森信雄の強くなる将棋2 将棋は常に逆転を秘めている。
著者 :森 信雄
出版社:山海堂
出版日:2006-08-01
価格 :¥166(2025/04/30 17:28時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

前著『終盤の鬼』に続く「寄せのレッスン本」。ただし、前著もそうだったが、基本に忠実ではあるのだが問題自体はスーパートリックである(まえがきにも断り書きがある)。

もともと白砂はこういう「次の一手本」というものをあまり信用していないので、その点でやや評価は辛くなっている。ただ、本書は「詰めろ逃れの詰めろ」といった切り返しの技が基本なので、自陣敵陣に目を配りつつ、速度計算もしつつ……と、結構高度なことを考えないといけない場面も多い。まぁ、大体は妙手一発で終わるんだけどね(爆)。

正直な感想を言えば、スーパートリックの続きのような「鑑賞物」という位置づけに近いと思う。

作成日:2006.09.02 
次の一手 終盤・寄せ

詰めと必至ハンドブック

詰めと必至ハンドブック
著者 :内藤 國雄
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2006-03-01
価格 :¥1,680(2025/05/01 09:44時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

初級者から中級者向けくらいを対象にした、易しい必死集。
簡単な1手必死120問と、少し難しい1手必死30問とからなる。

終盤を鍛えるなら詰将棋より必死の方が実践的で、というか必死はその中に詰将棋を内包しているため、読みの長さが少し多く必要になる。そのため、たった1手の必死とはいえ、詰将棋に直すと5手とか7手分を読むことになる。読みの訓練になるのも納得というものだ。
本書では、前段として詰みの形について解説し、どの持ち駒があれば詰むかという練習問題でウォーミングアップする。それから1手必死に入っていくので、徐々に読み筋が深まっていくのだがあまり気にならない。

問題数、問題の質ともに、初段以下の人には最適だと思う。

こういう良質な必死本を読むと、必死と詰将棋を合わせた本というのも欲しくなってくる。
問題が提示されるが、詰むかどうかが判らない。詰ますか必死をかけるかという選択も同時に迫られる。応用問題として、詰みも必死もかからないのでいったん受けに回るとか、2手スキをかけて勝ちとか、そういう問題がところどころに入っているとなおいい。
浅川書房あたりで一つよろしく(笑)。

作成日:2006.07.08 
終盤・寄せ

羽生善治の終盤術3 堅さをくずす本

羽生善治の終盤術 (3) (最強将棋21 #)
著者 :羽生 善治
出版社:浅川書房
出版日:2006-06-01
価格 :¥1,430(2025/04/30 23:10時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

かなり高度な内容を実は解説しているこのシリーズ。第3弾は「囲い」にスポットを当て、その崩し方を解説している。

登場するのは美濃・矢倉・穴熊の3種。
囲い崩しだったら対振り飛車の舟囲いはないの? と思ったが、冷静に書名を見てみれば『堅さをくずす本』だった。舟囲いは固さよりは広さを主張する囲いだ。

内容としては、まずはじめに一般的な囲い崩しの「形」を解説し、次に実戦譜で具体的な手順を解説する。次の一手形式で延々続く形式なので、図面はかなり多い。

ただ、どうも不満というか、事前の触れ込みとの落差のようなものを感じてしまった。こちらが勝手に感じてしまったものなので酷な話ではあるのだが。
最初、本書は「どういう形であればどういう囲い崩しの手筋が利用できるか」というテキスト(講座)的なものだと思っていたのである。この形はこの金と龍の位置関係に注目、この場合はこういう手筋が利きます、とか、この場合はここに後手の利きがあるため、手筋1は使えません、とか。
それも基本的な囲い崩しだよ、と言われてしまえばそれまでなのだが(<そうなのか)、むしろこれは「囲い崩しの応用」だと思う。で、本書は、その応用のメカニズムを解明した画期的なものだと思ってしまっていたのだ。

もっとも、本書の形式が白砂にはあまりなじまなかった、という方が根本的な問題で、そのために評価が低くなってしまっているのかもしれない。次の一手形式とはいえ、きちんと順序立てた例題が並んでいるので、体系的に学べると言えなくもない。
また、扱われている手筋はよくあるものだが、プロの実戦で出てきた「王道の寄せ」である。その手触りを覚えることは、間違いなく棋力向上につながるだろう。

結局のところ、題材自体は悪くない。あとは読者の腕次第、という感じの本だと思う。

作成日:2006.07.08 
終盤・寄せ
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