その他

将棋墨酔

将棋墨酔
著者 :七條 兼三
出版社:西東書房
出版日:1992-01-01
価格 :¥12,960(2024/02/06 01:44時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

現在は鬼籍に入られているが、七条兼三という詰将棋作家がいた。詰将棋作家であるだけでなく、将棋会館建設などに際して多額の寄付金を出すなど、将棋界の「旦那」的存在の人である。
その七条氏の追悼として出版された、氏の作品集である。

詰将棋に詳しくない人のために解説すると、詰将棋は「より易しく楽しい作品を」という方向と「より難しい困難な条件の作品を」という方向の二つに大きく分かれる。七条氏は後者の筆頭的存在であった。
氏の作った条件作は枚挙に暇がない。
順列七種中合、七歩連続中合、純「と金」詰、角打ち角合28回、四形合四形詰、歩なし無防備煙詰、五種不成り煙詰……。
詰将棋を作ったことが少しでもある人なら、簡単な詰将棋でもどれだけ作るのが難しいか判る筈だ。それを、この信じられない条件下で作成してしまうのである。

詰将棋は芸術品である。
新聞雑誌に載っている「5分で初段」と一緒に考えてほしくない。
人間の頭脳がどれだけ凄いことができるのか、自分たちのよく知っている「将棋」という題材で七条氏は証明してくれた。

ぜひとも「鑑賞」していただきたい。

作成日:2001.07.20 
詰将棋

詰将棋探検隊 妙技すべてみせます

詰将棋探検隊―妙技すべてみせます
著者 :角 建逸
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1995-12-01
価格 :¥2,599(2024/02/06 01:24時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

詰将棋の芸術性、パズル性を判りやすく解説した本である。
芸術性や様式美はその美しさを、パズル性はその仕組みを、豊富な図面で解説してくれている。会話形式で進んでいるところは評価が分かれるところだろうが、読みやすさという点では成功していると思う。
詰将棋の奥深さが判る良書である。

作成日:2001.07.20 
詰将棋

先ちゃんの順位戦泣き笑い熱局集

先ちゃんの順位戦泣き笑い熱局集
著者 :先崎 学
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-07-01
価格 :¥99(2024/02/08 19:40時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

著者の文才が余すところなく生かされている本だと思う。
いろんな意味での連載ものの「縛り」から逃れて、好きなことを好きなだけ時間をかけて書いた感じがする。白砂はあんまり著者を評価していないのだが(すんません)、それでも、十分に面白く読めた。

ただ、ちょっとツクリが豪華すぎる気がする。もう少しチープな作りにして、値段を1,200円くらいにすればもっと売れたのではないだろうか。こういうのって、そんなに何回も読み返すようなものではないんじゃないかなぁ……と思うので。

作成日:2001.07.20 
実戦譜集

名作詰将棋

名作詰将棋―棋力を高め趣味を深める歴史的傑作選
著者 :達也, 二上
出版社:有紀書房
出版日:1986T
価格 :¥399(2024/02/05 23:33時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『詰将棋探検隊』は現在の詰将棋界の頂点を紹介するものだったが、本書はむしろ詰将棋の歴史に焦点を当てている。
詰将棋の歴史を紹介した本は他にもあるが、これが一番カタログとしては適していると思う。長手数の作品になると解説のスペースがなくなるのが欠点といえば欠点だが、それは仕方のないことかもしれない。

少し話はそれるが、元々、私が詰将棋に興味を持ったのは、将棋連盟の出していた全集の中の『図式集』を読んでからだった。月並みな話だが、宗看・看寿の作品集にハマったクチである。その当時は初段にも達していなかったろうに、無謀にも全問解図に挑戦した。
実際に解いたのは10問にも達しなかったと思うが、その話を先輩の渡辺さんにしたことがある。それまでほとんど話もしたことがなかったのに、そのことを喋った途端に「そうなんだよね。あれ難しくて。どれだけ解いたの?」などと熱心に質問してきた。確か団体戦の途中のことだったと思う。
後で渡辺さんの書いた文章を読んで判ったことなのだが、渡辺さんも全問解図に挑戦して、最初の一問目でつまづいたらしい。確かに「無双」の一番は難解で知られる作品だから無理もないが、だから、ちょっとでもその難しさが判っている人がいたのを知って嬉しかったのだと思う。懐かしい思い出である。

詰将棋の面白さを解説するのは難しい。残念ながら、その個人が自分で詰将棋に触れ、その面白さを感じるよりない。
本書は、その水先案内の一冊になりうると思う。

作成日:2001.07.20 
詰将棋

谷川vs羽生100番勝負 最高峰の激闘譜!

谷川vs羽生100番勝負―最高峰の激闘譜!
著者 :日本将棋連盟書籍
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-09-01
価格 :¥4,399(2024/02/07 01:11時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

今後の将棋界がどうなっていくかわからないのでなんとも言えないのだが、谷川と羽生、というのは、現代に残った最後のライバルなのかもしれない。もう、他の棋士をこうやって○○vs○○、という風にあおる(笑)ことはできないだろう。
そんな両者の対局のみを集めた実戦譜集である。

踏み込んでいくタイプの両者であり、かつ、第一人者同士の戦いである。棋譜がそのまま定跡になった、なんていうことも少なくない。そういう意味では、歴史を探るという面だけでなく、定跡を勉強するという点からも意味がある本だろう。
解説もそこそこ多いので、初段くらいあれば盤駒を出して読めると思う。少し古い本ではあるが、一度は目を通してみてほしい。

作成日:2001.07.20 
実戦譜集
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