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ゴキゲン中飛車戦法

ゴキゲン中飛車戦法 (パワーアップシリーズ)
著者 :近藤 正和
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2000-11-01
価格 :¥15(2024/02/06 11:24時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

 初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛と進む、やや力戦形の中飛車がゴキゲン中飛車である。竜王戦でも何度か登場した戦法で、詰みまで知らないと指せない叩き合いの局面になったり、かと思えばじっくりと本格的な駒組み合戦になったりする。不思議な戦法だ。

 しかし、『消えた戦法の謎 あの流行形はどこに!?』でこの戦形は取り上げられており、そこでは田中-有森戦でゴキゲン中飛車不利と結論つけられていた。消えたんじゃないのかこの戦形は。
 ひょっとすると、なにか新定跡でも誕生したのか……。そんな期待をちょっと持って、本書を開いてみた。

その変化は飛ばしてある……。

 ずるいぞ近藤(笑)。

作成日:2001.07.20 
中飛車

風車の美学 伊藤果直伝!

風車の美学―伊藤果直伝!
著者 :伊藤 果
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1994-07-01
価格 :¥4,813(2024/02/07 09:12時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

私の好きな棋士を挙げろといわれたら、まず来るのは花村九段である(笑うな)。そしてその次に来るのが、本書の著者、伊藤果七段である。
伊藤果といえば風車。本書は、その風車の指し方を解説してある。

とはいっても、はっきり言って風車自体が非常に実戦的な指し方であるため、解説は困難である。いきおい実戦譜を並べることになるのだが、そうなると変化手順の説明が散漫になってしまうので、それが欠点と言えるかもしれない。個人的には、伊藤七段の文章は好きなので楽しく読めたのだが。
そもそも風車はマイナー戦法であるので類書がほとんどない。『秘法 巻之四 右玉伝説』では一応紹介されていたが、それも純正風車に比べるとはるかに攻め味の強いものであった。「(以前風車の本を出さないかと言われて)やはり戦法は勝つもので、風車のように千日手でもいい、といった本を出す勇気がなかった」ので断った、と著者自身がまえがきで書いている通り、定跡化するには馴染まない戦法なのかもしれない。
級位者にあまり薦められないが、有段者は指してみるのもいいかもしれない。なんだか駒落ちの上手の気分が味わえる戦法である。

作成日:2001.07.20 
中飛車

明快四間飛車戦法 急戦・持久戦もらくらくさばける

明快四間飛車戦法 (将棋必勝シリーズ)
著者 :鈴木 大介
出版社:創元社
出版日:2001-02-01
価格 :¥1,430(2024/02/06 08:42時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

鈴木大介著。
このページを読んでいる人であれば、どういう本かそれだけで判ると思う。

相変わらずっす(爆)

急戦などはほとんど一本道で「~にて先手よし」。いいんかホントに(笑)。
このシリーズ共通のコンセプトでもあるし、鈴木大介のコンセプトでもあるようだし、それはそれでいいのかもしれない。ただなぁ、まだ若いでしょ。若いうちからそんな「啓蒙活動」にいそしんでどーするよ!? という思いはある。やっぱ、若手(って言えるほどもう若くはないけど)には緻密で深い研究を発表してほしい。

……そんなことはさておき。
本書は、四間飛車をこれから指そうと思っている人にとっては役に立つ本だと思う。本書をざっと読んで、とはいっても精読しようにもあっという間に終わっちゃうだろうけど(笑)、形だけ覚えればそれでいい。まずは「自分がどうすべきか」を覚えるのが先決だからだ。そのあとの小難しい変化は徐々に制覇していけばいいことだ。
そういう「はじめの一歩」にはちょうどいい本だ。よって、有段者は間違っても手を出さないように。1200円はもっと有効に使いなさい(笑)。

作成日:2001.07.20 
四間飛車

東大将棋ブックス四間飛車道場 第6巻 最強1二香

四間飛車道場 第6巻 最強1二香 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-08-01
価格 :¥220(2024/02/06 07:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

どういう意味だか判りにくい題名だが、要するに後手四間飛車が急戦に対して△1二香と待つ形を指している。△5四歩も△6四歩も突かずに待つこの形が、さまざまな急戦を成功させにくくしている。
これを破るには……ということで、本書では新鷺宮定跡を扱っている。雑誌などに少しずつではあるが紹介されているので白砂のような怠け者にも変化の端々が伝わってはくるのだが、まとめて解説しているのは本書くらいではないだろうか。
もちろん、『新・鷺宮定跡』にも紹介されてはいるのだが、それからもこの戦法はかなり進化している。その分の隙間を埋める意味でも、本書の意義はあると思われる。
どちらかというと居飛車有利の感覚で書かれている気がするが、東大将棋シリーズはかなり中立な立場でかかれているので振り飛車党にも十分参考になる。

もう少しうまくまとめてくれると初段前後の人でも読みこなせると思うのだが、相変わらず読者を選ぶ本作りをしているので(笑)、しっかり読み込む人でないと理解はできないだろう。級位者は触らない方が無難だ。

作成日:2001.07.20 
四間飛車

四間飛車を指しこなす本 3

四間飛車を指しこなす本 3 (最強将棋塾)
著者 :藤井 猛
出版社:河出書房新社
出版日:2010-08-03
価格 :¥1,650(2024/02/10 00:52時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

四間飛車を指しこなす本の完結編。当然のごとく藤井システムがメインになっている。
一応、その他にも玉頭位取り、5筋位取りなどが載ってはいるが、やはりメインは対居飛車穴熊、対左美濃である。

かなり突っ込んだ変化も書かれていて、また、最新の定跡もフォローされている。次の一手形式であるという点で白砂の(棋書としての)評価はあまり高くないのだが、図面を多くしたんだと割り切ればそこそこ読める。
四間飛車党にとっては必須だろう。「すべてマスターすれば四段」というヒキ文句については「どの定跡本だってそーだろーよ」と思わず突っ込んでしまったのだが(笑)、それでも、それだけ濃い内容が詰まっていることは事実である。

白砂の感覚はどうやら異質のようで、この「指しこなす本」シリーズは続々登場している。やっぱ読みやすいってのはいいことなんだな。

作成日:2001.07.20 
穴熊
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