2001

東大将棋ブックス四間飛車道場 第6巻 最強1二香

四間飛車道場 第6巻 最強1二香 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-08-01
価格 :¥220(2024/02/06 07:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

どういう意味だか判りにくい題名だが、要するに後手四間飛車が急戦に対して△1二香と待つ形を指している。△5四歩も△6四歩も突かずに待つこの形が、さまざまな急戦を成功させにくくしている。
これを破るには……ということで、本書では新鷺宮定跡を扱っている。雑誌などに少しずつではあるが紹介されているので白砂のような怠け者にも変化の端々が伝わってはくるのだが、まとめて解説しているのは本書くらいではないだろうか。
もちろん、『新・鷺宮定跡』にも紹介されてはいるのだが、それからもこの戦法はかなり進化している。その分の隙間を埋める意味でも、本書の意義はあると思われる。
どちらかというと居飛車有利の感覚で書かれている気がするが、東大将棋シリーズはかなり中立な立場でかかれているので振り飛車党にも十分参考になる。

もう少しうまくまとめてくれると初段前後の人でも読みこなせると思うのだが、相変わらず読者を選ぶ本作りをしているので(笑)、しっかり読み込む人でないと理解はできないだろう。級位者は触らない方が無難だ。

作成日:2001.07.20 
四間飛車

四間飛車を指しこなす本 3

四間飛車を指しこなす本 3 (最強将棋塾)
著者 :藤井 猛
出版社:河出書房新社
出版日:2010-08-03
価格 :¥1,650(2024/02/10 00:52時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

四間飛車を指しこなす本の完結編。当然のごとく藤井システムがメインになっている。
一応、その他にも玉頭位取り、5筋位取りなどが載ってはいるが、やはりメインは対居飛車穴熊、対左美濃である。

かなり突っ込んだ変化も書かれていて、また、最新の定跡もフォローされている。次の一手形式であるという点で白砂の(棋書としての)評価はあまり高くないのだが、図面を多くしたんだと割り切ればそこそこ読める。
四間飛車党にとっては必須だろう。「すべてマスターすれば四段」というヒキ文句については「どの定跡本だってそーだろーよ」と思わず突っ込んでしまったのだが(笑)、それでも、それだけ濃い内容が詰まっていることは事実である。

白砂の感覚はどうやら異質のようで、この「指しこなす本」シリーズは続々登場している。やっぱ読みやすいってのはいいことなんだな。

作成日:2001.07.20 
穴熊

四間飛車を指しこなす本 2

四間飛車を指しこなす本 2 (最強将棋塾)
著者 :藤井 猛
出版社:河出書房新社
出版日:2010-08-03
価格 :¥1,485(2024/02/08 03:08時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

藤井の四間飛車定跡本第2弾である。
今度は対居飛車穴熊。とはいっても藤井システムはさわりだけで、メインは角交換を挑む形や▲6六銀型、▲4八飛型(広義のスーパー四間飛車といった感じ)などの「藤井システム以前」の指し方である。

やっぱり有段者にとっては常識的な領域なのだが、級位者にとってはダイジェストを見る感覚で楽しめると思う。もちろん、本書を読んだだけでそれらが指しこなせるわけではないが、「読んでためになる」ことは間違いない。

パート3が藤井システム、有段者向けであることは間違いないので、逆にはじめの2冊は易しくしたのだろう。全方位向け、とまで言うとおおげさだが、それを目指しているであろうことは間違いない。
個人的には、この方法はあまり好きではないので、できれば「ちゃんとした本」の形で書き直して欲しいのだが……(笑)。

作成日:2001.07.20 
穴熊

四間飛車を指しこなす本 1

四間飛車を指しこなす本 1 (最強将棋塾)
著者 :藤井 猛
出版社:河出書房新社
出版日:2010-08-03
価格 :¥1,485(2024/02/05 23:13時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

満を持して登場した本家藤井猛による四間飛車の解説本。とはいっても本書は「藤井システム以前」の急戦についての解説で、有段者には常識的な変化が多いかもしれない。

特徴的なのは、定跡解説書でありながら、次の一手形式で進んでいくこと。
そのため、図面が非常に多い。ほぼ数手ごとに図面が挿入される。昔の米長の奇襲シリーズくらい多い。
ただ、次の一手形式のため、今が変化なのか本筋なのかが判りにくいという欠点はある。きちんと読めば大丈夫なのだが、こういう形式である以上、混乱する可能性は高いと言わざるを得ない。

良くも悪くも、従来にないタイプの定跡書であることは間違いない。
あ、あと、電車の中では読まない方がいいかもね(笑)。

作成日:2001.07.20 
四間飛車

これにて良し? 四間飛車VS急戦定跡再点検

これにて良し?―四間飛車vs急戦定跡再点検
著者 :高野 秀行
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1999-09-01
価格 :¥276(2024/02/05 22:20時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

定跡書で「~にて先手良し」と書かれた局面から負けてしまった、という話はよく聞く。しかし、それは単純に力の問題で、定跡が間違っているというわけではない。本書は、定跡で結論が出た局面からもう少し指し進めて、「なぜこの局面が先手(後手)有利か」を詳しく解説してくれるものである。

実は、個人的には題名から「実は定跡で『~にて先手良し』と言っていたのは間違いで、そういう定跡のウソっぽい話を掘り下げる本なのか」と思ってしまった。だって、末尾が!?ですよ。疑うじゃない(笑)。

思惑は外れたものの、しかし、そこそこ読めた。もともとこの本の対象棋力が下の方を対象にしているので、有段者には必要がないかもしれない。

作成日:2001.07.20 
四間飛車
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