最前線物語2

作成日:2006.09.02
最前線物語〈2〉 (最強将棋21)
著者 :深浦 康市
出版社:浅川書房
出版日:2006-08-01
価格 :¥94(2022/05/02 16:47時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『これが最前線だ!』『最前線物語』に続く、定跡の最前線を追うシリーズ。

前著『最前線物語』はほとんどが藤井システム&8五飛戦法だったが、今回はいろんな戦法が登場している。
振り飛車系ではゴキゲン中飛車、三間飛車(含早石田)、相振り飛車。居飛車系では一手損角換わり。この辺りはタイトル戦でも登場している戦形だけに、今回しっかりと解説してくれたのは嬉しく感じる。

ただ、残念なことに2点ほど問題があって……。

一つは、タイトル戦にも登場した「メジャーな戦法」を解説しているため、どれもこれも見たような気がする変化ばかりであるということ。もちろん、本書は「最前線のまとめ」なのだからそれで問題ないのだが、前2著に比べると新味感がやや薄く感じた。まぁ、特に前著は狭く深くだったから、それで余計にそう感じてしまうのだと思う。

二つ目は、実は『将棋世界』の勝又講座と結構内容がかぶってしまっている点。一手損角換わり、ゴキゲン中飛車、藤井システム、相振りと、どれも講座で扱った内容なのだ。しかも相振りなんかは講座の方が詳しかったりするし。これも本書が悪いわけではないんだけどね。

以上のようなことがあったので、白砂が読んだ感触としては「そんなに目新しくはない」という感じ。
上記の欠点(?)も、本としてまとめてあるという功績は大きいし、調べる方もラクだからあっても問題はない。白砂の場合『将棋世界』は図書館に寄付してしまっているので特にあると嬉しい。

8/21に八重洲ブックセンターに買いに行ったら、フラゲ日にも関わらず既に在庫なし。平積みの本棚にポッカリそこだけ空間ができていた。店員に訊いたところ、18冊あった在庫がすべて売れたらしい(あそこはPC管理なので、入荷と販売分がすぐわかる)。「こないだ仕入れたばっかりなんですけど、いや、こんなに売れてたんですね」という店員の言葉は、本書の価値を十二分に物語っていると思う。

手元に置いて損はない一冊だろう。