穴熊

実戦居飛車穴熊戦法 必殺!振り飛車破り

実戦居飛車穴熊戦法―必殺!振り飛車破り (将棋必勝シリーズ)
著者 :田中 寅彦
出版社:創元社
出版日:2001-05-01
価格 :¥1(2024/02/07 00:56時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

田中寅彦はいったい何冊のイビアナ本を書いたんだろう?
そして、その中の全部の変化をあわせると、一体何冊分の本になるんだろう?
……というくらい、進歩してません、この人の本は(笑)。

本書でまずすごいなと思ったのは、藤井システムを解説していないこと。
「私は藤井竜王と公式対局を戦っていないので、秘策を披露するわけにはいかない」からだそうだ。

……ふざけんなよコラ(笑)

なんじゃそりゃあっ! って感じの理由である。で、居飛車穴熊に簡単に組ませて、そのまま暴れて居飛車穴熊よし、解説終了、である。をいをい……。
初級者中級者向け、ということだろうから(これで有段者向けだったらブン殴る)、ある程度の「作った手順」は仕方ないかなーとも思う。それにしても、もう少しなんとかなんなかったのかな。

もともと、白砂は初級者が穴熊を組むことに反対なのだ。
いや、ずるいとかそういうんじゃなくてね(笑)。
穴熊の場合、主導権は振り飛車にある。正確に言うと、振り飛車側が穴熊に組ませないようにちょっかいを出していく将棋になる。つまり、居飛車からすると対応型の将棋になってしまう。

初級者に「対応」はまだ無理でしょう。

つまり、穴熊っていうのは意外と上級者向けの戦法だと思うのだ。
なので、穴熊の解説をこのていどしかしない本書の意義がよく判らない。

作成日:2001.07.20 
穴熊

四間飛車を指しこなす本 2

四間飛車を指しこなす本 2 (最強将棋塾)
著者 :藤井 猛
出版社:河出書房新社
出版日:2010-08-03
価格 :¥1,485(2024/02/08 03:08時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

藤井の四間飛車定跡本第2弾である。
今度は対居飛車穴熊。とはいっても藤井システムはさわりだけで、メインは角交換を挑む形や▲6六銀型、▲4八飛型(広義のスーパー四間飛車といった感じ)などの「藤井システム以前」の指し方である。

やっぱり有段者にとっては常識的な領域なのだが、級位者にとってはダイジェストを見る感覚で楽しめると思う。もちろん、本書を読んだだけでそれらが指しこなせるわけではないが、「読んでためになる」ことは間違いない。

パート3が藤井システム、有段者向けであることは間違いないので、逆にはじめの2冊は易しくしたのだろう。全方位向け、とまで言うとおおげさだが、それを目指しているであろうことは間違いない。
個人的には、この方法はあまり好きではないので、できれば「ちゃんとした本」の形で書き直して欲しいのだが……(笑)。

作成日:2001.07.20 
穴熊

四間飛車を指しこなす本 3

四間飛車を指しこなす本 3 (最強将棋塾)
著者 :藤井 猛
出版社:河出書房新社
出版日:2010-08-03
価格 :¥1,650(2024/02/10 00:52時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

四間飛車を指しこなす本の完結編。当然のごとく藤井システムがメインになっている。
一応、その他にも玉頭位取り、5筋位取りなどが載ってはいるが、やはりメインは対居飛車穴熊、対左美濃である。

かなり突っ込んだ変化も書かれていて、また、最新の定跡もフォローされている。次の一手形式であるという点で白砂の(棋書としての)評価はあまり高くないのだが、図面を多くしたんだと割り切ればそこそこ読める。
四間飛車党にとっては必須だろう。「すべてマスターすれば四段」というヒキ文句については「どの定跡本だってそーだろーよ」と思わず突っ込んでしまったのだが(笑)、それでも、それだけ濃い内容が詰まっていることは事実である。

白砂の感覚はどうやら異質のようで、この「指しこなす本」シリーズは続々登場している。やっぱ読みやすいってのはいいことなんだな。

作成日:2001.07.20 
穴熊

スーパー四間飛車

スーパー四間飛車
著者 :小林 健二
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1993-07-01
価格 :¥395(2024/02/07 00:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

居飛車穴熊が大流行していたころに出版された本書は、振り飛車党待望の書だった。綿密な研究に基づいて作られた穴熊破りの定跡は、我々アマチュアのみならずプロにも大きな衝撃を与えた。小林八段自身、これでA級に昇ったといっても過言ではないだろう。
また、本書で使用している「上下図面2枚中段のみ文章」という構成は、豊富な図面と詳細な解説を詰め込むにはぴったりの形式だったのだと思う。後に出た、やっぱり指し手詰め込み型の『角換わり腰掛け銀研究』がその構成をそっくり踏襲したことを見てもそれは明らかである。

内容は正統派の▲5六銀型で、端攻めをまじえ居飛車穴熊を堂々と破っていく。△1四歩と受けられて端攻めが難しい場合は▲6九飛から地下鉄飛車の筋もある。
そのほか、▲4八玉のままで▲1七桂と跳ねる藤井システムの原型のような形や、端角戦法、浮き飛車型など、たいていの居飛車穴熊対策が網羅されている。

実は左美濃にも触れてはいるのだが、個人的にはなにしろ冒頭からの対居飛車穴熊がすごすぎて印象が薄い(笑)。

藤井システムの先駆けともいえる本書の指し方は、アマ初段前後でも十分指しこなせると思う。ぜひとも一読してみてほしい。

作成日:2001.07.20 
穴熊

振り飛車党宣言! 3.対居飛車穴熊

振り飛車党宣言 3 (MYCOM将棋文庫 18)
著者 :小倉 久史
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-09-01
価格 :¥300(2024/02/08 13:24時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

シリーズ第3弾。四間飛車対居飛車穴熊である。
現在では藤井システムが花盛りだが、それ以前の振り飛車党の対策が書いてある。つまりは「古い」わけで、これは棋書の持つ本質的な欠点ながら残念なことではある。とはいえ緻密な藤井システムに比べると指しやすい戦形が載っているので、初段前後の人にはお薦めだ。

また、小倉流▲9七角戦法(角を交換して9七に打つ)は、『B級四間飛車戦法の達人』が出るまでは本書しか扱っていなかったといってもいい。そういう意味では貴重ではある。

ただし、何度も言うが「古い」ので、本書を読んだ後は別の本でフォローすることも必要である。

作成日:2001.07.20 
穴熊
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