次の一手

終盤の鬼 森信雄の強くなる将棋

終盤の鬼―森信雄の強くなる将棋
著者 :森 信雄
出版社:山海堂
出版日:2005-08-01
価格 :¥575(2024/02/07 13:02時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

次の一手形式で寄せの勉強をする本。

最初にちょっとした解説ページがあり、そのあとはひたすら問題を解いて鍛えていく方式である。
ちょっと面白いのが、問題のページにヒント図面があり、「▲○○○という手ではこうなってダメ」みたいなものが図入りで載っていること。こういう、最初に失敗図を示すという形式の問題集は初めて見た。
要するに、問題形式にはなっていても、その実これは講義形式であり、だから問題を解くというよりはどんどん読み進んでしまっても構わないようになっている。一通り読む(図面を見る)ことによって、寄せの形や手順を叩き込むという本だ。

問題自体はなかなか骨っぽいものも入っているが、上級になると逆に「スーパートリック(作者にちなんで言ってみました(笑))」っぽくなっていて寄せの教材という感じではなくなる。もう少しターゲットを絞って、実戦的な問題集(寄せ講義)としてまとめた方が本としては生きたのではないか……と思った。
試みとしては悪くないので、『寄せが見える本』一歩手前の読者を対象とするくらいで続編を作ってほしい。

作成日:2005.10.26 
次の一手 終盤・寄せ

手筋の達人

手筋の達人―矢倉の手筋が満載 (MYCOM将棋文庫SP)
著者 :武者野 勝巳
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2005-02-01
価格 :¥1,100(2024/02/06 11:24時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

矢倉の手筋を次の一手形式で紹介する本。毎コミおなじみの復刻文庫で、2冊の「手筋の達人」が1冊にまとまって出版されている。
文庫のくせに非常に分厚い。京極夏彦じゃねーんだから、とも思うが(笑)、次の一手形式だとサクサク読めるので、このくらい厚くてもいいのかもしれない。一度通しで読むだけでかなり「おなかいっぱい」になる。

内容は、定跡となっている基礎的な変化から中盤の芒洋とした局面までさまざまで、特に応用編は「ここでは手を渡すのがいい」とかかなり高度な駆け引きまで紹介されている。もっとも、現在では定跡化されているものも、逆に定跡化されて廃れて最近見ないなぁ……といった形もあるので、この辺は復刻ということで多少多めに見てほしい。

初級者にとってはこういう基本的なトコからやった方がいいと思うので、立ち読みでいいからパラパラと読んでみてほしい。最初から読んでみて、一つでも知らない変化、形が出てきたら本書は買いだ。そのあとどんどん高度な形が出現するのだから。
逆に高段者の矢倉党は、これを知らないようではまずい。タイムトライアルだと思って挑戦してみてほしい。

作成日:2005.03.02 
次の一手 手筋

有段者への道案内

有段者への道案内―級位者のための実力養成講座
著者 :宮崎 国夫
出版社:木本書店
出版日:2004-04-01
価格 :¥1,320(2024/02/06 06:00時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

次の一手形式で、将棋の手筋を身につけていく本。
なんだか紋切り型の説明になってしまったが、いい意味でも悪い意味でもそうとしか説明しようがない。

ページが上下に割れていて、それぞれが独立した問題になっている。「~指しこなす本」シリーズと似たような形式だ。ただ、あちらが本を逆さに持ち替えるのに対し、本書はあくまでもレイアウトとして分かれているだけ。なので、読み方としては、一度最後まで読んでまた最初に戻って……という形になるだろう。
「少しでも問題数を増やそう」という著者のサービス精神を感じるが、しかし、これはこれで見づらい気もするので、残念ながら一長一短だと思う。個人的には、その心意気に一票を投じたい。

問題そのものの質は、初段くらいの人が楽しめる程度のものになっている。タイトルに偽りはない。
ただ、作中で「○段の問題」となっているが、その段位が少し辛いと感じた。正確に言うと、簡単な問題は表示段位程度に簡単なのだが、難しい問題は表示段位以上に難しく作ってある感じがする。もっとも、この辺りの感覚は漠然としたもので、白砂が持っている段の尺度が狂っているだけかもしれない。できるのであれば、実際にいくつか問題を解いてみて、自分のレベルに合っているものかどうか確認して欲しい。

正直に言うと、次の一手形式の棋書は買うものではない……という、いやぁーなポリシーの持ち主なので(笑)、購入を勧めることはできない。一度読んでみる価値はあると思う。

作成日:2004.04.20 
次の一手 手筋

囲いの崩し方 形の急所と手筋を知る

囲いの崩し方―形の急所と手筋を知る (将棋終盤力養成講座 5)
著者 :沼 春雄
出版社:創元社
出版日:2004-04-01
価格 :¥1,173(2024/02/06 05:29時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

次の一手形式で、美濃、矢倉、穴熊の囲いを崩す手筋を解説する。

形式としては面白く、類書もあることから判る通り需要はあるのだろう。しかし、本書に関しては「中途半端な難しさ」を感じた。難易度がバラバラで、その難しさも手筋としての難しさではなく、全体局面で解説しているがゆえの難しさなのだ。ある意味、手筋を習得するためにはいらない難解さと言える。
有段者向けというのであれば、「手筋を覚えても実戦で使えないと意味がない」という面もあるから仕方がないか……という気にもなる。しかし、手筋を習得しようという人間に対してそれ以外の部分の負担を強いるのはあまりよくないだろう。

ただ、そういう部分の難解さに目をつぶれば、囲い崩しの手筋を習得するにはもってこいの本だ。
歯ごたえがある、ということを念頭に置いて、気合を入れてから読んで欲しい。

作成日:2004.04.20 
次の一手 終盤・寄せ

お昼休みに解く初段次の一手

お昼休みに解く初段次の一手
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-09-01
価格 :¥148(2024/02/08 16:19時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

タイトル通り、次の一手本。
難易度はさまざまだが、いろんなタイプの問題がある。

個人的にはこういうものをわざわさ買ってまで読むことはないかなぁ……と思っているのだが(笑)、初段になるくらいまでの人は「常に将棋に接しておく」というのも上達法の一つだと思うので、持っていて損はないかもしれない。
さらっと読めるので、図書館で借りて2週間で読む(今の図書館は大体貸出期間は2週間のようです)、というのが賢い利用方法かもしれない。

昔、近代将棋の付録で「ふろ詰(水に濡れても大丈夫な素材で作られた小冊子)」というのがあったが、そんな感じの本を出してくれてもいいかもしれない。

作成日:2003.10.01 
次の一手
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