錯覚いけない よく見るよろし

zu
第1図は以前「光速の寄せ……?」で登場した局面。先手の木村一基6段が詰めろをかけた局面ということだが、白砂の棋力では詰ますことができない、という話だった。
実はこの局面、『柿木将棋』でも調べたし、『うさぴょん』でも詰まないという報告を戴いた。だから、この局面は絶対に詰まないという自信が白砂にはあった。
ところが。
NSNの掲示板に書き込みをしたところ、横山澄惠女流プロから「いや、そんなことはない。この局面は詰む」との返事を戴いた。
詰むもなにも、これだけ調べて詰まなかったのに、一体どんな詰め手順が……? と思い、返事を読み進める。一応はじめに▲6四金の局面(後手が指していない状態)での詰め手順があり、その後、白砂と同じように△7七ととした場合の詰め手順が記されていた。
そちらを読む。
うんうん。ばらして桂。でも玉がよろけて詰まないんじゃ……。▲7二龍!? でもそれも駄目だったような……うん。

▲4三飛成
をいちょっと待ってくれ

なんなんだ▲4三飛成って。だって4四に歩があんじゃねーかよ
……ん?
横山プロの書いた図面を見た。
4四に歩がない

 あ、だっせ。図面間違えてんぢゃん。
白砂は思わず笑ってしまった。
歩がないんじゃ4九の飛車が働くから簡単じゃん。そんなのは判ってんだよ。そこに歩があるから戦力が足んなくって……待てよ
念のため。
本当に念のためよ。一応。
ほら、ちゃんと図面は確認しないとね……。
白砂は先月号の『将棋世界』を手に取った。
ぱらぱらとめくる。
zu
号泣