白砂青松の麻雀を打とう!

第3章 攻めのコツ

第2項 まずはリーチをかけてみる 前編

 さて、ここから講座のスタートです。
 最初は「リーチをかける」ということを目標にします
 細かいことは言いっこなし。テンパイの形も悪くて結構、とにかくリーチをかけてアガり切ることをまずは考えましょう。

 最初に言っておいた通り、「なんだよ、そんなのできるよ」という方は、どうぞ第3項へ進んで下さい。


 さて、「リーチをかける」ためには、2つの条件が必要になります。

メンゼンである(鳴いちゃいけない)
テンパイしないといけない

「なーに当たり前のことを言ってやがる」なんて言わないで下さいね。確かに当たり前なんですが、これが大変なんですから。

 鳴いちゃいけないということは、つまりどんなになつみちゃんが太ってても、男がいたとしても、黙ぁ〜って応援しつづけろということです。あのぷよぷよの太っ腹を見て涙するななんて、それがどれだけ辛いことか

判んのかよおおぉぉ!!!(号泣)

 ……その泣くぢゃなくて……(汗)。

 でも、最近はなつみちゃんよりはののたんの方が太ってきたよね……ってそういう話じゃなくて(笑)、鳴かないで手を進めるというのは大変なことです。みなさんだって、が2枚あったら鳴きたくなるでしょ? きんにくだったらノータイムでポンして「ロン、バカちゅん」です(嘘です。あ、いや、そうでもないか……(笑))。
 ドラが出てくるかもしれません。おいしいカンチャンを捨ててくれるかもしれません。その誘惑を断ち切ってメンゼンで手を進めるのがどれほど難しいことか……。
 判りますよね?

 ですから、リーチをかけるというのは単純なことではありますが決して簡単なものではありません。ましてや麻雀はいい手が来るばっかりではありません。その中できっちりテンパイまで持っていくことができるというのは凄いことなんです。


 なんだか脅し文句みたいになっちゃいましたが(笑)、リーチをかけるための2つの前提(メンゼンで手を進める、テンパイする)をクリアするのは大変だということだけはお判りいただけたと思います。

大変なのは判ったけど、じゃあどうすりゃいいのー?

 そうでしょう、そうでしょう。
 脅し文句もなつみちゃんもどうでもいいんだ、俺はリーチをかけたいんだああああっっ!! という人はいっぱいいる筈です。
 判りました。
 リーチをかけるための大原則を、ここで特別に皆さんに教えちゃいましょう! なつみちゃんもちょっと痩せたという噂もあるし(<何故ここを強調する……)、ここは出血大サービスです(笑)。
 それは、

いらないものを切っていく

 ことです。
 ホントにそんなんでいいんかい、とお思いの方も多いでしょうが、実はこれでいいんです(いばりっ!)。
 以下で詳しく説明しましょう。


 麻雀の入門書を開くと、必ず書いてある言葉があります。
 それは、

麻雀は4メンツ1雀頭を作るゲームである

 これは正しい言葉です。
 でも、こういうこともよく書いてありませんか?

であるから、麻雀を打つ際には、
4メンツ1雀頭をどこに作るかを常に考える

 これが実は大嘘なんです。
 中級以上の方で、このフレーズを使って初級者を指導した人は多いと思います。かくいう私自身も、昔はこの台詞を使っていました。
 で、この後に続けるんです。
「だから麻雀はどこでメンツを作るかだけ考えればいいんだよ。ここにメンツがあって、これが両面で……(中略)……だからここではこれを切るんだ」

こんなんで初級者が理解できるかっつーの!

 いいですか、皆さん。
 これは中級以上の方も聞いていて下さいね。
 麻雀とは、確かに4メンツ1雀頭を作るゲームです。
 しかし、それを作るためには、何も手牌から4メンツ1雀頭を選び出さなくてもいいんです。
 手牌からいらない牌を除いていけば、自然と4メンツ1雀頭になるんです。

 判りやすく具体例を出しましょうか。
 こんな配牌があったとします。

 で、まぁここからは先に説明した規則に従って切っていくわけですが、まずはいらない字牌を切りましょうか。その結果、手牌はこうなりました。

 続いては「どれが得か」の規則に従って、いらないターツを切っていきましょう。
 手牌はこうなりました。

 だいぶ進んできましたね。
 で、うまいことツモが進んで、ツモでテンパイしました。
 いらないを切ってリーチです。

 判ったでしょうか?
 もちろん、私達は麻雀の際には欲しい牌、欲しいメンツを集めています。しかし、それは同時にいらない牌を手牌から除いていく作業でもあるのです。

 ここに気づけば、リーチをかける、テンパイをするコツは更に単純な言葉で説明できます。

いらないものを切っていく

 これです。
 いらないものを切っていけば、手牌は自然に必要なものだけで構成されます。それはすなわち、アガリに必要な4メンツ1雀頭に他なりません。メンツを集めよう、構成しようとやっきになる必要はありません。いらない牌を機械的に排除していくだけで、手牌はちゃんと構成できるんです。


 この考え方の優れている点は、

新しい知識を必要としない

 ことです。
 というのも、今までの講座を読み進めてきた方は、手牌の中でいらない牌、いらないターツを見つける技術は身についている筈だからです。これについては第2章でさんざん説明しましたからね。
 つまり、リーチをかけるための新たな知識は必要ないのです。第2章で身に付けた「いらないもの捜す知識」。これさえあれば、リーチをかけることが可能になるんです。

 こういう教え方は(ちょっと自慢話っぽくなりますが)今までの麻雀論にはなかったものです。というのも、やっぱりこういう考え方は本道ではないからなんですね。理由は簡単で、もっといろんな要素で手牌を考える時、つまり手役を増やそうとか攻防を考えるとか、そうなってくると自然と話は「何が欲しいか」になってきちゃうんです。「ここでは三色を狙って切り」とかね。
 もちろん、これだって究極的には「ここでは三色を狙って、それにはいらない切り」という表現で置き換えることは可能なんですが、それでも、やっぱりこの考え方は「どれを捨てる」ではなく「どれを残す」が基本にあります。
 しかし、皆さんは初級の段階ですから、まずはリーチをすることだけを考えればいいでしょう。ですから、上記のようなちょっと乱暴な考え方が成立するんです。


 リーチをするための考え方は「いらないものを捜すことにあり」、というのは理解していただけたと思います。しかし、ただ総論的な結論だけを述べてもそれを実地で生かすことは難しいでしょう。
 次項では、実際の手牌を参考にしてどうやってこの理論を生かすかを講義しましょう。

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