伏土竜の麻雀戦術論

効率編その4 役の効率

第2章 役を効果的に利用する(4)

9.七対子

 この役は特に有利な役の一つです。

 その最大の理由は、どんなバラバラの手牌からでも狙えることです。
 また、ドラを利用することができれば「リーチ・ツモ・七対子・ドラ2」の跳満を狙えることも魅力です。
 点数の効率のところで「現行のルールでは、なんらかの材料がない限り容易に跳満にはならない」と解説しましたが、唯一とも言える抜け道が七対子を利用した跳満です。
 跳満が必要な局面で他に材料がないなら、たとえ待ちがタンキになる不利を考えても、たとえツモ専(ツモアガリ専門の略。ロンアガリをしないで、ツモアガリのみに賭けること)であっても、七対子を狙えばなんとかなるかもしれません。と言うより、もはやそれしか方法はないでしょう。
 表ドラがなくとも、ウラドラが乗ることに賭けてみるのも一興でしょう。どうせもともと苦しい局面なのですから。

 トイトイと系統が同じため、どちらを狙うかの選択に迷うことがあります。
 その際の基準は、以下の通りです。

1.仮にトイトイを狙ったとして、他の役が複合できるかどうか
2.仮にトイトイを狙ったとして、容易に鳴けるかどうか
3.本来鳴きにくい牌が鳴けているか

 1.についてはトイトイの項でも触れました。他の役と複合できないなら七対子を狙ってください。

 複合できる、もしくはできそうな場合に適用する基準が2.です。
 例えば、

 という手牌からトイトイを狙うとすると、刻子にしたいのはの4つのうちの3つです。
 この4つは、牌の効率のところで解説したように他の人の使用効率が低いため捨てられやすく鳴きやすい牌です。ですから、ツモしかあてにできない七対子よりも、ポンをすることで手牌を早く進行させられる(可能性のある)トイトイを選択するのがベターとなります。

 しかし、

 のような手牌からトイトイを狙うとすると、刻子にしたいのはの4つのうちの3つです。
 は別ですが、残りの3つはどれも他の人にも使用効率が高いため捨てられづらく鳴きにくい牌です。かりにをポンできたとしても、残りの3つをポンすることは難しいでしょう。
 ポンできないとするとあてにできるのは自分のツモだけとなります。しかし、それでは七対子と条件は同じです。ならば、リーチやツモなどが複合できる門前役の七対子を狙うべきです。

 今説明した第2の基準を裏返したものが第3の基準になります。
 例えば先に示した手牌で、をポンできるよりも先にがポンできたなら、つまり鳴きやすい牌よりも先に鳴きづらい牌をポンできたのであれば、トイトイを狙うのが有力です。

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