伏土竜の麻雀戦術論

効率編その4 役の効率

第2章 役を効果的に利用する(3)

7.チャンタ

 この役は、チャンタという役の持つ性質上どうしてもペンチャンやカンチャンの苦しい待ちになりがちです。この点だけでもすでに大きな不利があります。
 また、喰い仕掛けを利用できるとはいえ、チャンタのみのアガリでは点数的に大したことにはなりません。
 つまり、門前で手牌を進めても苦しい待ちが残りやすく、苦しい待ちが残るのを鳴きでカバーしようとするとアガリ点数が安くなる、とう逃れられないジレンマがあるのです。

 そこで、チャンタ及びチャンタ系を狙う際には、

鳴きを入れてもアガリ点数が安くならなくするために、必ず何か他の役と複合させる

 ということが鉄則となります。
 何か、は翻牌でもサンショクでもドラでもなんでも構いません。喰い仕掛けをしても4翻になりうるのであれば、積極的に喰い仕掛けをするのも良いでしょう。
 逆に言うなら、他の役を複合できないようなら、門前で頑張りリーチとツモを利用することでアガリ点数を高くするよう心掛けてください。

 この役は、本来ならば使用効率が低い「端の方の牌」が必要となるので、他からの攻撃を受けて守備せざるをえなくなった場合に、比較的簡単に守備に回れる利点があります。
 この利点を生かした戦い方があります。
 配牌が7種8牌や8種9牌で何を狙うにしても遅くなりそうなときに、チャンタ系(そして究極の目標として国士無双)を狙い序盤から中張牌をばしばし捨てていき、「アガれなくて元々」といった気楽な感覚で手牌を進行させる方法です。
 うまくチャンタ系のテンパイになればそれはそれで最高ですし、どうせ元がアガリに遠い配牌なのですから他の誰から攻撃を受けた時にも未練なくオリに回ることができます。
 もし誰もアガらずに流局すれば、元々のヒドい配牌からすれば上々でしょう。

8.トイトイ

 この役は見た目も解りやすく、ポンを繰り返すことでできる役なので特に初心者に好まれているようです。
 初心者のトイトイ好きをからかうのに、「竹藪の火事」という表現があります。
 竹藪で火事が起きると竹は節の中の空気が加熱されて弾けるように破裂します。その際にポン・ポンと音を立てるからだそうです。

 閑話休題。

     ロン

 このアガリが何点になるか計算してみてください。
  答えは2000点です。
 見た目の派手さほど、点数は大したことがないことに気づかれるでしょう。
 このように、トイトイは単独で利用しても親で2900点・子で2000点、うまくテンパネしたとしても4800点・3200点にしかなりません。
 そこで、トイトイを狙う際はチャンタと同じように「必ず何か他の役(特に翻牌が有効)と複合させる」と覚えてください。
 なにも複合できないようであれば、喰い仕掛けをしてまでトイトイにするメリットはありません。
 むしろ最低でもリーチを複合できる分、七対子を目指した方が点数的に有効です。

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