誰も味方になってくれない……

 麻雀は4人でやるもの、とありましたが、3人がトップを牽制していくという反面、1人にラスを確定させるようにすることも作戦です。

 誰かが高そうなとき、自分はオリて他の2人に戦わせる、あるいは絞りきって流局に持ち込む、という戦法の方が有利なことが多いような気がします。

 デミさんの意見からの幕開けです。

 前回は面白おかしく書いちゃいましたが、shiotarさん自身も決してサシコミなどの「トップ包囲網作戦(<勝手に命名)」を否定しているわけではないと思います。まさに表題のごとく「誰も味方になってくれない……」ための自衛策として自力本願スピード戦術が浮上したんだと思います。
 実戦で実際に苦労した中で模索し磨き上げた戦術でしょうから、私自身はその態度は高く評価しています。もちろんみなさんも同じだと思います。ただ……というのが上のデミさんの意見なんでしょうね(掲示板上では1つ1つのレスが唐突に出てくるので流れがつかみにくいんですよ)。

 自分一人が髪振り乱してアガりに向かっても限界があります。そのためにツイている1人に対して3人で相手をしようという「トップ包囲網作戦」が発案されたわけです。しかし、実戦ではなかなか使えない。shiotarさんが喝破した通り、これは「他人の協力が必要」という致命的な欠陥(笑)があるからです。

 そこで一般的に使用されるのがデミさんが言うような戦術です。
 トップの者がいて、自分には戦えるだけの手材料がない。しかし、誰か他の人はトップと戦えるだけの手材料があるかもしれない。そこで、自分はオリを決め込んで、戦って(できれば勝って)くれる人を待つわけです。また、自分が守ることによっていくばくかのロン牌や急所牌を押さえることができれば、それは相手のアガりを遠のかせる作用になりえます。
 麻雀は戦争と違って終わりが決まっていますから、これはもう防御側が圧倒的に有利なんですね。アガリが遠のいてそのまま流局してしまえば攻撃失敗、アガリを取られることを考えれば100倍ましな結果です。

 ただ、もう一つの「ラスを確定させる」効力が私には判りません。私は麻雀はトップを取るものと考えていますので、ラスの心配がないことがどれほどのメリットなのかが判らないのです。
 例えば、ドヅカンの人を一人作ることによって、そっからなら点棒がむしりやすいから10000点差くらいなら逆転しやすい、だからラスを作ることも必要と、そういう意味なんでしょうか?(←そんな筈はないって(笑))

 さて。当のshoitarさんはどう思ったか? 以下にレスを引用します。

(デミさんの意見は)「オリても振らない」ということを前提にしてるように思えます。僕だけなのかもしれませんが、オリきるということは結構難しいと思います。また、オリてもツモられることもあります。
 そういうことから、ノーテンでいるよりは、聴牌で勝負ということになります。

 だそうです。

 個人的な感想としては「どうせオリようとしたってオリられないし、オリてもツモられるかもしれない」ということと、「ノーテンよりテンパイで勝負」間の開きが大きすぎるような気がします。
 これが例えば、「オリている間に振り込んだりツモられたりするよりもテンパイでアガりきる方が確率が高い。だからオリより勝負」と言うのであれば納得できるのですが、どうも私にはオリ切る確率の方が高いような気がしてなりません。
 というより、その相手の勝負手を普通にかわしてアガりきれるケースであればそれはかわすだろー、というのは全員共通の認識だと思うのです。そうではない、自分の手ではかわしきれるかどうか自信がない、という微妙なケースの時に「だから諦める」「それでも突っ込む」という話を現在はしていると。
 この両者のどちらを取るかと言われれば、私はオリを取りたいです。

 デミさん自身はこう返答しています。

 オリているというのは振らない(でも残念ながら95%)という前提です。
 100%が理想ですが、完全な安牌があるとは限らないときにオリ打ちを狙った打ち方(地獄単騎など)に引っかかる可能性があるのでなかなか…。

 逆に、簡単にオリれない状況にあっては手が多少不利でもオリない方がいいと思います。どのみち不完全なオリなら勝負、という心です(早リーなど)。

 ツモられることがあるというのは、もっともです。
 ただ、例えば満貫を振り込むと相手に16000点、他家とも8000点の差を付けられるのに対し、ツモられた場合には相手に10000点、他家には高々2000点しか離されません。これは大きな差です。

>そういうことから、ノーテンでいるよりは聴牌で勝負

 不聴から聴牌にするとき、あるいは聴牌を維持するためにいくつ勝負すべきか? によって、判断すれば良いと思います。

 いろいろ各論はあるんですが、結局、麻雀は期待値(確率×得失点)での判断にかかってくるんだと思います。
 実際に確率といっても数値化できない要素があるので、その代わりに個別のセオリーがあり、感覚的に理解できるようにしているのだと思います。

 私は手作りも守りも常に期待値を意識して決断することにしています。ただ、これで勝てれば苦労はいらないのですが。
 流れとかツキとかは、それを感じることはあるのですが、実際コントロールすることは不可能と思っているので、「無いのと同然」というのが私の考えです。だから常に同じスタイルを貫こうと考えています。

 まぁ、オリってのはそもそも振らないことを前提にしていますよね。そりゃそうです。点数についても、デミさんの言うとおりでしょう。もっとも、

 振り込みとツモられの関係についてですが、麻雀には「振った方が得」といったケースがかなりあるのでは。
 例えば、相手の手がリーチドラ2の5200の手だった時。
 振ると相手は+5200点、自分との点差は10400点。ツモられると満貫で相手は+8000点、点差は10000点。点差の違いが400しか無いなら結果的には振った方が……。

 勿論相手が必ずツモる保証は無いので一概には言えませんが、他家のもっと高い手を阻止したり連荘されたくない親を流したり出来るので状況に応じて振りこみも有効ですよね。

 という意見もあります。Hyper_DORAEMON22さんの意見です。なんか他2名との差を無視している気がしますが……。というかそれ以前に、点数の差がないなら自分で振った方がいいという理由が私には……。


 とりあえず今回はここまでとします。
 実は、この話こっから進んでないんですよ(泣)。まぁ、「いくかさがるか」ってのはいつの時代もどんなことでも究極の選択なんでしょうけどね。

 次回はmiyaさんの「展開」論講座をお届けします。
 今までの混沌の全てに決着がつきます(<ほんとか? ほんとか?)
 楽しみにお待ちください。

 なお、感想その他は掲示板に書きこんで下さい。