将棋コラム


  敗局は師なり 〜ちゃんと寄せよう〜 Date: 2004-01-06 (Tue) 
 7七桂戦法の終盤。だいぶ有利な局面で、今、後手が紛れを求めて△1五歩と突いたところ。

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 後手陣は3二銀・4三金で通常の形と逆なので、とりあえず指したい手はある。問題はそのあとだ。

 実戦はこう進んだ。

▲3一角△1二玉▲9一龍(第2図)

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 いったん駒を補充するのがうまい寄せ方だと思う。こうして▲1四香を狙うのが実は一番早い。
 第2図で△2二銀と受けるのは、△3一銀としてもいいところがない(▲同龍で3二の銀に当たり、かえって損)のであまり意味がない。そこで実戦は△2四歩と突き、▲1四香△1三桂打▲1五歩△2三玉(第3図)と進んだ。

 △1三桂打に▲同香成という手もあると思うが、△同桂の瞬間が少しぬるいと思ってやめた。先に▲1五歩として次に▲1三香成を狙うのがうまい手順だと思う。結果的に△2三玉という手が全くのムダ手になったからだ。

 ここで白砂は一気の寄せに出る。

▲1三香成△同香▲同角成△同玉▲1四歩△2二玉▲1三歩成△同桂▲同香成△同玉▲1一龍(第4図)

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 全部ばらして▲1一龍。これで後手玉は寄っている。
 △1二歩と受けるくらいしかないが、▲1九香と打てば即詰み。自分の将棋ながら、鮮やかな決め手だ。
 ちなみに、第4図から実戦はこう進んだ。

△1二歩▲1九香△1四香▲1五歩(第5図)△2三玉▲1四歩△3五歩(第6図)

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詰ませや……(泣)


 実は、△1四香合▲同香△同玉▲1二龍△1三歩▲1五歩△2五玉▲2六歩の時、△3五玉とよろけられて詰まないと思っていたのだ。▲3六歩△4六玉▲3七銀△4五玉は左に逃げられると。実際には、▲3六歩△4六玉の時、先に▲4八香と打って詰む

 しかしまぁ、第6図まで進んでもまだ勝ちは勝ちだ。
 第6図では3級でも指せる一手がある。
 実戦の進行を見てみよう。

▲1三歩成(第7図)

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▲2六桂としばって簡単だろうが……(泣)


 一応、将棋は勝った。ここまでが大差だったので。
 それにしても簡単な手が見えていない。終わった後、なんだか鬱になってしまった。

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