将棋コラム


  偽装右四間 Date: 2002-04-29 (Mon) 
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 1図はよくある四間飛車対右四間飛車の将棋。後手が趣向を凝らしていきなり△4六歩と突いていくとたいていこういう格好になる。「俺はすぐに▲6五歩と乱戦にするからこうはなんないよ」という声は置いといて(笑)、ここで穏やかに▲4八玉と指すとどうなるか?

▲4八玉△4四歩▲3八玉△4五歩▲2八玉△4二玉▲3八銀△3二玉▲5八金左△5二金右▲7七角△1四歩▲1六歩△4四角(2図)

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 △4四歩と突いて玉頭位取りにするのが後手の趣向。△4四歩にさすがに▲4六歩はないだろうから、この進行はだいたい妥当なところ。本譜は無関心に玉を囲いあったが、先手としてはなかなか攻めにもいけないので仕方がないだろう。これも序盤突っ張って5四銀型を作った効果である。
 2図となっては狙いは明らかで、もう後手は先手玉しか見ていない。あとは△3三桂△4二金直△2二銀△1二香として飛車を1筋にぶん回して端攻めである。7筋から攻めてくれば△7二飛と回って△7一飛〜△1一飛だし、6筋から攻めてくれば△6一飛〜△1一飛だ。とにかく「攻めてくる筋に飛車を回っていったん受けて、あとは飛車を引いて1筋に持っていく」ことだけを考えればいいので大変ラクである。

 こんなんなるのかなぁ……という気もするが、最近の四間飛車は右四間に対して▲5六銀あるいは▲5六歩としない指し方が流行しているので大丈夫だと思う。
 久しぶりに大学に行った時に後輩が指していた戦法なのだが、非常にユニークだと思う。対四間飛車に悩まされている人は一度指してみてはどうだろう。

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