7七桂戦法の研究テーマ

〜 テーマ5 8筋交換から桂頭狙い ▲7五歩型〜

変化:第6図△9五角で△7七角


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第13図以下の指し手
 ▲7三歩成(第14図)

 第13図は、第6図△9五角に替えて△7七角と攻め合いを目指した局面。
 飛角交換がほぼ確実な局面でもあり、うまく攻めがつながれば後手も有望だ。
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 ここでは、▲7三歩成と攻め合うのが正しい判断。▲8八銀などと日和っていては、△9五角成と▲7三歩成を防ぎつつ桂取りに指して後手がよくなる。

 第14図では、△6八角成と△9九角成が考えられる。



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第14図以下の指し手:1
 △6八角成▲同金△8九飛▲8八角(第15図)

 まずは△6八角成と飛車を取ってみる。

 ▲同玉もあるところだが、ここは▲同金と取るのが賢い取り方。△8九飛にも▲8八角とがっちり受けておけば、先手には▲8二とという飛車殺しが残っている。
 単純に飛角交換するのはどうもうまくないようだ。



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第14図以下の指し手:2
 △9九角成▲6二と△同飛▲8八銀(第16図)

 単純な攻めではうまくいかなかったので、今度は△9九角成と香を取りながら△7七歩成を見せる。△6八角成と清算するよりは、種駒を残しながら攻めるこちらの進行が本筋だろう。
 先手はとりあえず▲6二とと駒得しておく。

 これに△同金と取る手もあるが、それだと7一に空間ができるため、あとの攻めがうまくいかない。
 つまり、▲8八銀△8九馬▲8三銀△6六香と進んだ時、堂々と▲同飛と取られてしまうのだ。以下、△7八馬と金は取れるものの、▲7六飛(変化6図)と回られると馬取りと▲7一飛成の両狙いが防げない。
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 変化6図からは△6八金▲4八玉△8八馬▲7一飛成△6一金▲8一龍△1二飛▲9一角成といった展開が予想される。駒割りは金と桂香の二枚替えで、後手は飛車が遊んでいる。これは先手が有利だ。

 また、▲6二とに△同玉も考えられなくはないが、いかにも危険である。
 ▲8八銀(変化7図)とされた時に困ってしまう。
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 △8八同馬▲同金△7七銀、△8九馬から△6六香といった攻めをするなら、▲6二とは△同飛と取った方が勝る(△6二同玉と取った形が悪すぎる)。そこで△4四香と攻め合うが、▲9九銀△4六香▲8三銀△9五角▲8六角△同角▲同歩△7七角▲9二銀不成(変化8図)くらいで後手が苦しい。
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 変化8図は、合駒の関係で後手玉に▲8二飛からの詰めろがかかっている。
 そのため△6八角成▲同玉△9二香と駒を補充するしかないが、▲8二飛△7二飛▲8一飛成△7一金▲7二龍△同金▲7三歩(変化9図)で先手勝ちだ。
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 よって▲6二との王手は△同飛と取るが、変化7図と同様に▲8八銀(第16図)として△7七歩成を消すのが冷静な指し方となる。
 飛車が6二にズレたので、変化8図のような△4四香の攻めはない。ダイレクトに▲9一角成と取ることができるからだ。

 第16図では、△8八同馬▲同金△7七銀(第17図)とするか、△8九馬から△6六香(第19図)と攻めるかしかない。



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第17図以下の指し手
 ▲1八飛△8八銀不成▲9一角成△7七歩成▲4八玉△6七と▲8一馬(第18図)

 第17図は第16図の▲8八銀に△8八同馬▲同金△7七銀と攻めたところ。

 大体こういうイモ攻めはうまくいかないものなのだが、▲7七同金△同歩成などと付き合っているとややこしいことになる。▲1八飛△8八銀不成▲9一角成と、重い攻めは相手にせずスマートに攻めるのがよい。
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 後手は△7七歩成とと金も作れたが、▲4八玉の早逃げが当然ながらうまい手筋。これで後手の攻めは相当遅くなった。第18図まで、平凡に駒得しておいて先手大優勢である。
 第18図では次に▲7三桂成や▲4六香が大きな手として残っているが、それを防ぐのは難しい。また、下手に△4二玉と早逃げをしようとすると飛車が詰んでしまうのも痛い。
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 戻って、どうせ▲9一角成と取られるくらいなら、さかのぼって△6二同飛で△6二同玉と取っておけばいいようにも思える。しかし、その形だと▲9一角成のところで▲8三銀(変化10図)という手がある。

 次に▲9二銀成と飛車を取る手が、▲8二飛を見て非常に厳しい手となっている。これは6二玉の形が痛すぎる。△6二同玉という手がないと解説したのはそのためである。

 △8八同馬▲同金△7七銀という単純な攻めはうまくいかないようだ。



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第19図以下の指し手
 ▲1八飛△6七香成▲7九金△同馬▲同銀△7七歩成▲4八玉△7八歩▲8一馬(第20図)

 第19図は第16図の▲8八銀に△8九馬▲9一角成△6六香と攻めたところ。
 馬を生かしつつ攻める手で、第17図の展開よりは希望が持てそうではある。
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 しかし、▲1八飛から▲7九金と成香を相手にせず馬に働きかけるのが急所で、後手は手段に窮する。△9八馬では攻めが頓挫してしまうので馬を切って攻めるが、これでは第17図以下の展開とさして変わりはない。▲4八玉、▲8一馬という手順で駒得をして先手優勢である。ここでも、▲4八玉という早逃げは後手の攻めを遅らせる大きな手となっている。

 以上のように、第6図の△9五角で△7七角と攻め合う手は、先手も強気に応じて問題ない。



〜 テーマ5 8筋交換から桂頭狙い ▲7五歩型〜 解説目次

基本図周辺の解説
△7四歩の反発
変化:第4図△9二飛で△7三角
変化:第6図△9五角で△7七角