白砂青松の麻雀を打とう!

第1章 速く切るコツ

第7項 鳴いたら先に捨牌

 最初に言っておきますが、これから説明する事項は正式なものではありません。
 しかし、ごく普通に行われている「簡便法」なので、スピードアップの手段としてここで取り上げます。

 くどいようですが、これは正式な手順ではありませんので、お間違えのないようにして下さい。


 例えばこんな手牌で、

 

 が出ました。
 点数とかそういう難しい話は置いておいて、ここでをポンするとします。
 どうやってポンしますか?

「えーっ? 『ポン』って言います」

 ……そういう話ではなくてね(笑)。
 ポンしました。発声はちゃんとします、OKです。
 問題は、その後の牌の捌き方(動かし方)です。

 上の手牌から

  

 こうやってをみんなに見せて、

  

 捨牌を持ってきて、

  

 を捨てる。

 これが正式なやり方ですし、おそらく初級者の皆さんもこうやっているのではないでしょうか? ついでに言うと、捨てるまでに「う〜んとね〜」とか考えたりして(笑)。

 この方法だと時間がかかってしまいますので、実戦ではこうやってください。

 ポン、と言ったら

  

 こうやってをみんなに見せて、

  

 を捨てて、

  

 捨牌を持ってくる。

 違いは判りますね?
 1動作分早く捨牌ができます。

 極端に言えば、相手の捨牌を持ってくるのは別に自分の番でなくても(次の人に回ってからでも)いいわけですから、重要な「次の人に順番を回す」という作業を先に行ってしまおうというわけです。
 理由は「ツモった牌は手牌に入れない」のところで話したのと同じですから、敢えて説明する必要はありませんね。


 この方法に関して、注意する点が2点ほどあります。

 1つは、鳴く予定の牌だけはちゃんと最初に見せるということ。
 いくらスピード重視と言っても、「ポン」の発声−捨牌−ポン材を見せる-捨牌を持ってくるという動作ではマナーが悪すぎです。発生後ポン材を見せるのはマナーというよりもルールに近いものですので、これは簡便法だからといって省略せずに始めに見せて下さい。
 もちろん、ポンの発声をしない、なんていうのは論外です。

 2つ目は、鳴く時には捨牌を決めておくということ。
 いくらスピードアップの簡便法を使っても、肝心の捨牌がきちんと速くできなければ意味がありません。
 ですから、

捨牌が決まっていないのなら鳴かない

 ようにして下さい。

 鳴いていいのは、「ポン」の発声−ポン材を見せる−捨牌-捨牌を持ってくるという一連の動作が渋滞することなくできる時だけです。
 捨てる牌が決まらないというのは、結局先の方針が立っていないということです。その状態で鳴くこと自体がよくありませんし、場を停滞させることになります。

 逆に言うなら、鳴く時には次の捨牌は決めていなくてはならないわけです。


 実はこの部分は非常に難しく、中級者レベルの人でも、
「え〜っとね、ちょっと待ってね……」
 とやっています。

 例えばドラの飜牌を持っている時など、鳴ければばんばん鳴きたいという気持ちは判ります。
 しかし、そういう気持ちがあるのなら、「鳴くぞー、鳴くぞー」だけではなく、「鳴いてこれを切るぞー」という考えで臨んで下さい。

 繰り返しますが、これは非常に難しいです。
 鳴かないつもりであれば、考える時間は1順ありますから、それまでの時間で考えることができます。しかし、鳴く場合には、刻々と変化する場の様子を常に捉えないといけないのです。
 馴れた人はそれがちゃんとできているんですが、この講座を読んでいる貴方はまだそこまで慣れてはいないと思います。
 ですから、きちんと方針が決まっていない場合、スパッと鳴くことを諦めて下さい。
 自分の点棒はさみしくなるかもしれませんが(笑)、それがみんなのためです。きちんと鳴きの技術がつくまではじっと我慢して下さい。

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