伏土竜の麻雀戦術論

対応編その5 危険牌読み

第2章 スジの応用

 マタギスジ・ウラスジ・間四間・トビスジ・暗刻スジ・W面子・W捨て
 以上の七つが、スジを応用して相手の欲しいスジを、ひいては相手が必要としている牌を読む知識です。
 名称は別のものがあるかもしれません。あまり気にしないでください。要はそれが意味することを覚えればよいのです。
 それぞれ順に解説します。

  第1項 頻出するスジの応用

  その1 マタギスジ

 捨てられたある特定の牌をまたぐスジのことです。
 が捨ててあるなら、がマタギスジになります。

 牌の効率から考えて、序盤からとある形からを捨てることは滅多にありません。
 手牌がある程度整ってきた中盤に捨てられた中張牌をまたぐスジは、相手が必要としている可能性が高くなります。
 最後に手出しした牌をまたぐスジでテンパイしているなら、前章で解説したソバテンと同じことになります。

  その2 ウラスジ

 捨てられたある特定の牌のウラ(内側)のスジのことです。
 牌の効率から考えて、と持っていた場合、がドラだとか234の三色を狙っているというのでもない限りを捨てます。
 すると、捨てたの内側ののスジが、相手が必要としている可能性が高くなります。

  その3 間四間(あいだよんけん)

 と持っていて他にメンツができるようならば、普通はを捨ててのリャンメンを残します。
 この際に、捨てたの間が4つあることからこの名があります。
 ウラスジが2つ重なった形でもありますから、この形が相手の捨て牌にあったなら、相手が欲しいスジである可能性は特に高いことになります。

  その4 トビスジ

 とあったなら、役かドラが絡まない限り、普通はの順で捨てのリャンメンを残します。
 すると一見嫌ったかに見えるのスジを、相手が必要としている可能性が高くなります。

 のカンチャンが離れて捨てられた場合には、特にのスジが危険になります。
 ただカンチャンを捨てるだけなら、搭子の2枚を続けて捨てるのが手筋だからです。一方を捨ててもう一方を残しても、何のメリットもありません。それどころか、フリテンになるかもしれない、残したがためにその牌が誰かのアガリ牌になるかもしれない、という2つのデメリットだけが残ってしまいます。
 ですから、本来続けて捨てられるはずのカンチャン搭子を離れて捨てた場合、先の例ならからいったんを捨てその後にを捨てた場合は、残した牌に搭子が関係しているとしか考えられません。


 本項で解説したマタギスジ・ウラスジ・間四間・トビスジは、誰もが普通に牌の効率に基づいて手牌を進行させると、どうしても捨て牌に現れます
 この「誰もが」という点が重要です。
 個人的な癖、特徴といったものでなく、万人に共通する普遍的なものです。
 だからこそ、相手の捨て牌から相手の欲しいスジを読むことが可能なのです。

前のページ 目次 表紙 次のページ