伏土竜の麻雀戦術論

効率編その5 ドラの効率

第1章 ドラが翻牌の場合

 翻牌のドラは、刻子にするだけで満貫になる破壊力を持っています。これほどのパワーは他に類を見ません。
 捨てる際には、他のどの牌がドラの局よりもドラの原則2を厳しく適用してください

第1項 ドラ3の場合

 余計なことは何も考えずにひたすらアガリを目指してください
 これはドラが翻牌の場合に限ったことではなく、他のどの牌がドラでも同じです。せっかくドラ3の大チャンスなのですから、アガリ切ることだけ考えればよいでしょう。
 1つだけ注意するとしたら、他の人がドラを利用するチャンスを増やさないために、槓をして他のドラを増やさないようにすることです。

第2項 ドラ2の場合

 ドラの対子はポンをすることで刻子にしようとしても、ドラの価値を知らない初心者か、ドラの利用法を知らない初級者でもない限り、なかなか捨ててはくれずポンできません(もし捨ててくる人がいても、その人は何らかの対抗手段を持っているはずです)。
 よく「そんな牌抱えてたらアガれないだろー」などとのたまいドラを捨てない人を非難する人がいますが、それはあまりにも自己チューな考えです。自分にばかり都合のいいように、翻牌のドラがポンできると考えることの方が、そもそもの間違いです。誰だって、翻牌ドラ3の爆弾みたいなアガリの被害には遭いたくありません。捨てないことの方が自然なのです。

 翻牌のドラを2枚持っている場合に考えるべきことは、

ドラを雀頭として扱い、何か他の役でのアガリを狙う

 です。
 狙う主体役としては、リーチと「ドラ以外の翻牌」が有効です。
 ホンイツやチャンタ・トイトイでも構いませんが、変則手は普通にドラの翻牌が組み込めるので、周囲に余計に警戒される欠点があります。

第3項 ドラ1の場合

 この場合にまず考えるべきことは、

ドラを捨てずに済ませなおかつ自分が利用するために、ドラのタンキ待ちでロンアガリできるようにする

 です。 決して「他の人が対子になってポンをされる前に、早めに捨ててしまえ」ではありません。何度でも言いますが、ドラは使い切るもので捨てるものではありません
 そもそも、「早めに」とは言ってもいつなら早めなのかもはっきりしません。たとえ1巡目だろうと、誰かに2枚あるかもしれないのですから。
 ドラを捨てずに済ます(そしてなおかつできればアガりきる)ためには、どうしても先の考え方が必要なのです。
 たとえタンヤオやピンフが狙えそうでも、リーチを含めて4役にならなければ狙わない方がよいでしょう。その2種を狙うためには、最終的にドラを捨てなければならないからです。ドラを捨てて4役にならないようなら、ドラのタンキ待ちにしてリーヅモドラドラの4役を狙った方が、点数効率の面から見て有効です。
 点数的には劣りますが、他の翻牌を利用してドラのタンキ待ちにするのも有力です。

 リーチにほど遠いような手牌からは、チャンタやホンイツ・トイトイを多少の無理をしてでも狙ってください。こういった変則手ならば、最終的にドラのタンキ待ちになってもロンアガリできるからです。
 また、この場合に変則手を狙うと、手牌の進行過程中にドラをもう一枚引いても進路変更する必要がない、という利点もあります。

 リーチにもほど遠い、チャンタやホンイツ・トイトイにもなりそうもないという手牌ならば、最初からアガリを七対子一本に絞ってください
 これもドラタンキでロンアガリでき、途中でもう一枚引いても進路変更する必要がないからです。

第4項 ドラが0枚の場合

 この場合にまず考えるべきことは、

アガリ点数でなく、速度で対抗する

 です。
 自分にドラがないので、他の人のアガリ点数が(ドラを持っているかもしれないので)高くなりやすいからです。
 この場合に限らず、他の誰かによる高得点のアガリを阻止するために、自分が速度で対抗してさっさとアガってしまうことは非常に有効な戦術です。
 喰いタンやピンフのみの1000点でさっさと場を進めてしまえば、他の誰かの翻牌ドラ3とかリーヅモドラドラなどの爆弾を見ずに済みます。

 また、「ドラ以外の翻牌を(早めに)捨ててしまう」ことも大事です。
 ここまでの解説でお解りいただけると思いますが、翻牌がドラの場合は、他の牌がドラの場合よりも準主体役としての翻牌の価値が高まります。ですから、他の人に利用されないように早めに捨ててしうのです。ドラの翻牌でなければ、ポンされてもそんなに気にすることはありません。

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