デミリッチの多面張理論

第2章 初級編その5

(5)単騎に順子をくっつける

 さあ、(2)で4枚形の聴牌をドバっと出してしまいましたが、ここで作りかたとその結果について考察してみましょう。
 4枚形の聴牌形を作るには

単騎+順子  または  単騎+刻子

 が基本だと書きました。
 まず順子の場合について見てみます。

 という単騎待ちに順子をくっつけてみます。

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: 

 簡単ですね。当然前半と後半は数字が裏返し(1←→9)になるだけで対称になります。またをくっつけても、離れすぎているために待ちの変化は起こりません。
 これは逆に言えば、という順子に単騎(孤立牌)をくっつけたとき、からまでなら待ちが変化する可能性があり、だったら絶対に変化しないことでもあります。
 これを「守備範囲」という言い方をするなら、

の順子の守備範囲は、からまでである

 と言ってもいいし、もっと一般的に、

順子の守備範囲は、「右端の隣の牌」から「左端の隣の牌」までの5ケンである

 と言ってもいいでしょう。これはとっても重要で、言い換えれば、

聴牌形から2つ以上離れた単独の順子、は聴牌に何の影響も及ぼさない

 ということになります。例えば待ちを考える上で、



 で、上の手牌のは、待ちに影響するため外せないが、
は待ちが変わらないので外してもよい、ということが言えるわけです。


 もう1つ気付くことがあります。
 それは、単騎に順子をうまくくっつけたとしても、増える待ちは単騎のスジ牌(上の場合ではまたは)に限られるということです。
 つまり、順子を付けただけではスジ以外の牌が待ちに加わることはないのです。これは前に述べた「順子系のテンパイはスジの範囲に限られる」ということと大いに関係があります(例外もありますが、それについては後の「イーペーコーの魔術」のところで詳しく説明します)。


 さて、ここからが重要です。
 難しくなりますので、できればゆっくり何度でも読んでください。
 単騎待ちに順子を付けて形を変化させる(横に延ばす)には、2種類の方法があります。

(a) 単騎待ちにかぶせるように付ける場合

 例えば、に対してまたはと付けます。すると、

 

 という形となり、スジ牌が1つ待ちに加わります。
 できる形はリャンメン待ちですが、片方は単騎とも取れる形です。

(b) 単騎待ちに並べて付ける場合

 これは、に対してまたはと付けるときです。
 このとき、

 

 という形になり、やはりスジ牌が1つ待ちに加わります。
 できる形はノベ単になり、両方とも単騎待ちになります。

 この2つのパターンが、スジ待ちを作る基本となります。スジ待ちには、リャンメンかノベ単の形しかないのです(シャンポンで偶然スジ待ちになっている場合は除きます)。

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