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 第1図は白砂が作った……というかテキトーに配置した詰将棋の案。「奇蹟の軌跡」2004.7.23に紹介したものだ。
 作為は▲4八銀△同玉▲4三飛△4七銀合▲4九金△同玉▲4七飛成△4八銀合▲5八銀△3九玉▲1七角△2八歩合▲同角△同玉▲2九歩△同玉▲3八銀△3九玉▲2八銀△同玉▲2七龍△3九玉▲2九龍までの23手詰。
 手数だけ見ると長いけど、要するに龍を作れる位置に飛車を打ちたいから▲4八銀と一発捨てて、あとは飛車を引き成ってくる、というだけの手順。「奇蹟の軌跡」に書いてある通り、銀合が角合でもいいとか、▲5八銀が▲5八角でも詰むとか、まぁいろいろ問題があってまずく、ちょっと完成品とは言いがたかった。

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 そしたら先日、ある読者(?)さんからメールが届いた。
「この図は、▲4三飛に△4五歩合(第2図)▲同飛成△5九玉で、少なくとも30手以内では詰まないはずです」
な、なんだってー!!


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 ▲4三飛に単に△5九玉は、▲4八銀△6九玉▲6三飛成(第3図)と龍を作る筋があって簡単に詰む。なのでその変化は大丈夫と思っていたのだが、そこで△4五歩という捨合があることに気づかなかった。言われてみれば詰将棋ではありそうな手筋で、なんで気づかなかったんだおい、という感じである。やっぱ検討を柿木将棋7にばかり頼ってはいけないんだろうか(笑)。
 いや、笑い事じゃない。これが詰まないとすると、余詰がどうこうという話じゃないじゃないか。つーか、むしろこの筋を作為にすれば、少しは詰将棋らしくなるかも!?
 悪魔が囁いた(<違う)。
 そしてここから、白砂の苦悩が始まった。

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 △5九玉と逃げられた局面が本当に詰まないかどうか? である。
 ▲7七角とか▲8六角とか左を押さえてから▲4八銀としても詰まなそうだ。
 というわけで、ここは▲6八銀と捨ててから▲1三角(第4図)とするのがいい手だろう。
 ▲6八銀△同玉▲4八龍、という手ももちろんあるのだが、▲1三角の場合、△5七○合と合駒した時に▲4八龍△7七玉▲5七龍と駒を取りながら攻められるのが魅力である。▲4八龍に△5八○合とするのは▲5七角成があるからだ。

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 とりあえず5七の合駒は歩として進めていく。
 ▲5七龍に対する合駒は、▲6六龍を防いで金合の一手。対して先手は、▲8七金△同玉▲6七龍(第5図)と更に追う。

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 第5図で△7七金合は、▲9七金△8八玉▲7九角成△同玉▲7七龍以下詰み。
 △7七角合の逆王手が気になるが、バッサリ▲同龍と切って落とし、△同玉に▲5九角△8八玉▲8九歩△同玉▲7八銀△同玉▲6八角成△8九玉▲7九金△9八玉▲9九歩(第6図)△同玉▲7七馬以下、1枚も駒が余らずにピッタリ詰み上がる。
 その他の合駒、逃げ方など、いずれの変化も詰むので、この手順であればきちんとした詰将棋になる。
 ところが。
 第6図を見てピンと来た人は鋭い。

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 △7七角合から第6図に至る変化で出てきた歩打、これは全て玉方の合駒で得たものだ。
 だったら、歩を渡さなければいい
 つまり、初手から▲4八銀△同玉▲4三飛に△4五桂合とし、▲同飛成△5九玉▲6八銀△同玉▲1三角にも△5七桂合(第7図)とするのだ。

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 今度は歩がないから、同じように▲4八龍△7七玉▲5七龍△6七金合▲8七金△同玉▲6七龍と追うと、△7七角合▲同龍△同玉▲5九角△8八玉(第8図)でどうしても詰まない。
 うーん、やっぱり詰まなかったか。
 しかし(<またかよ)。
 桂桂という合駒をもらったのだから、それに見合う攻め方をすればいい。
 第6図の攻め方は歩歩という持駒だからこその攻め。桂を持っているのだから、玉が7段目にいるうちに使わなくてはいけない。

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 となれば、△5七桂合▲4八龍△7七玉に▲5七龍ではなく、▲8九桂(第9図)という攻めが浮かんでくるはずだ。

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 ▲8九桂に逃げ方は3つだが……
 △8七玉は▲7七金△9六玉▲4六龍△8五玉▲7六龍(第10図)以下詰み。

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 △7六玉は▲7八龍△8五玉(△8六玉は▲3一角成)▲9七桂△9四玉▲7四龍(第11図)以下詰み。
 というわけで、△8六玉の一手。

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 これには▲7五銀(第12図)が好手で、△同玉▲5七角成△7四玉▲5六馬△6三玉▲6七龍△5三玉▲6四龍△4二玉▲3四桂△3三玉▲4四龍△2四玉▲4六馬△2五玉▲3五龍△1六玉▲2六金△1七玉▲1五龍(第13図)まででピッタリ詰み。
 なんとも綺麗な詰将棋になってるじゃないか。

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 △4五歩の捨合から始まり、実は△4五歩ではなく△4五桂、△5七桂と逆王手を含みにした桂合2連発。対して、取れる桂馬をじっと我慢していったん▲8九桂。そして中空へ呼び込む▲7五銀捨て。最後はぐるっと一周回って1七で詰むという意外性。

……いいじゃんいいじゃん。詰将棋になってんじゃん……

 念のため柿木将棋7の余詰検索をかけながら、白砂はすっかり有頂天になっていた。
 柿木将棋は余詰検索というものがあって、余詰、別詰などを発見してくれる。例えば、この詰将棋では、最後▲3五龍のところ▲3五馬としても詰む。ただ、この程度であれば、特殊性を勘案して見逃してくれそ……。
  • 第28手目△2四玉の局面で 余詰▲57馬△15玉▲35龍△16玉▲26金△17玉▲39馬△28角▲37龍△18玉▲28馬まで11手詰(計39手詰)
  • 第24手目△4二玉の局面で 余詰▲62龍△52飛▲同龍△同玉▲64桂△43玉▲44飛△32玉▲23金△31玉▲34飛△42玉▲32飛成△53玉▲52龍まで15手詰(計39手詰)
  • 第22手目△5三玉の局面で 余詰▲45桂△42玉▲62龍△52飛▲同龍△同玉▲53金△41玉▲43飛△32玉▲33桂成△21玉▲41飛成△31歩▲32成桂△11玉▲31龍まで17手詰(計39手詰)

余詰多すぎ(泣)

 こら詰将棋にならんわ(号泣)。
作成日 2004-09-05 | [詰将棋]
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