将棋コラム


  時には冷静に…… Date: 2003-10-02 (Thu) 
 前回に続いて、将棋世界6段問題。今度は正答率4%である。

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 状況としては、先手玉に現在詰みはない。ただし△2五桂と打たれると受けが難しいのでまずい。例えば▲5一龍みたいな手だと△2五桂とされ、▲4二龍△4三馬で詰まないから後手が勝つ。
 前回は2手スキだったが今度は詰めろをかければ勝ち、というわけだ。

 しかし、なかなかそれが難しい。
 ▲2三銀くらいしかないが、△2三同玉▲2一龍△2二銀▲3五桂△同歩▲3四桂△3一馬▲2二桂成△同馬▲3四銀△同玉▲2二龍(第2図)と攻めると△1七銀とぶち込んで詰む。先程までは詰みはなかったのだが、さすがにここまで駒を渡すとトン死してしまう。

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 他に寄せはないしさてどうしたものか……というところで、正解を。

 ▲2六歩(第3図)、である。

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 △2五桂と打たれさえしなければ、先手玉は左翼への逃げ道が開けている。そのためにゆっくりと攻められるという仕組みである。
 かといって後手玉を受けようにも、どうにも受けようがない。
 △4二馬は▲2三銀で先程と同じ展開になるし、▲2三銀を防いで△2二銀としても、今度は▲5一龍とゆっくり攻められる。

 全ての変化を理解できれば、「互いの速度感覚を見切っていったん受ける手が正解」だったんだなと判る。なんでこんな簡単な手が判んないんだと(笑)。
 しかし、これを指せないのが実戦なのだ。
 そしてまた、「次の一手」として問題を出されると、余計に難しい。

 ……つーか、こんなん卑怯だよぉ(笑)。

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