FAQ形式で進む将棋指南書。「この局面でこんな風に潰されてしまいました。どう指せばよかったんでしょうか?」といった感じの質問が全部で102個ならぶ。質問は序盤中盤終盤戦形を問わずいろいろ出てくる。
発想としては面白いし、創元社の購読層にも合っている。
ただ、もう少し範囲を絞ってもよかったのではないか……とも思う。例えば棒銀対策の場合、その質問の対象棋力はさして高くないだろう。そういう人たちを相手に見開きの2ページで解説するというのは無理がある。「盤駒を出せ」なんて言葉で終わりにしてはいけない。
質問を半分の50に絞って、図面も文字ももう少し小さくして、一つ一つの回答をもう少しだけ詳しくする。これだけでずいぶんと構成はスッキリするはずだ。
「対象棋力が低いから、読む気力を奪わないために見開きで簡潔に解説する」というのは、正しいようで実は間違いだと白砂は思う。対象棋力が低いほど、懇切丁寧に図面をたくさん用意してやらなければいけないのだ。何を書いてあるか判らないから盤駒を出して並べます、なんていうのは、上から目線で見てしまう幻想なのである。
断っておくが、内容そのものが悪いわけでは決してない。
ただ、ページの都合上図面入んなかったんだろうな、変化書けなかったんだろうな、という場面があまりにも多いと感じたので、それだったら最初から思い切って見開きから離れたほうがよかったのでは……と思っただけである。もっとも、この辺は書いている当人が一番感じていることかもしれないので、こういう指摘はヤボなのかもしれないが。