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 将棋の序盤でやってはいけない手

将棋の序盤でやってはいけない手
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著者:高橋 道雄 / 出版社:創元社
出版日:
 (定価)/43pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は11月16日 23:32現在)

 定跡の中から「悪手」「疑問手」を抜き出して、逆に「こう指しちゃダメですよ」と解説することで定跡の正しい手順を理解しよう、という本。
 戦形もいろいろあり、総合定跡解説っぽくはある。

 ……という説明だけを聞けば面白そうだ、と思うかもしれませんけども。
 ちょっとなぁ……。

 まず、少し問題の難易度設定にバラつきがありすぎること。
 相矢倉の解説をするのに▲7六歩△3四歩▲6八銀はダメですよ、というところから始めるのに、相矢倉でこう指すと陣形合戦で不利になりそのまま負けるよ、というのを同時に解説するのはちょっと無理があると思う。有段者から見ればどちらも悪手・疑問手だとは思うが、悪さのレベルが違う。

 いっそのこと、戦形で分けるのではなく、難易度で分けるくらいの方がいいような気がする。例えばこんな感じで。
 第一章は▲7六歩△3四歩▲6八銀レベルでいいと思う。とにかく駒組の途中で駒損や角の両成りなどをされるという「目に見える悪手」。
 第二章は矢倉で▲7八金と備えずに▲4八銀としてしまうとか、角換わりで△4一玉と寄ると▲4五銀△同銀▲6三角とされるとか(形は察してくれ(笑))、5手から9手くらいまで読むと形勢を決定的に損ねることがわかる「読むとわかる悪手」。
 第三章は、第二章からもう少し進んで、右四間に対して矢倉を組むと攻めつぶされるとか、かなり深く読むと形勢を決定的に損ねることがわかる「読むとわかる悪手」。
 そして最後に、駒組が不自由になるなどの「不利になる疑問手」。例えばアマ有段者と級位者が戦ったらひっくり返されるくらいの、だけど悪い手とされているからその展開には飛び込まないようにしようね、という形など。

 これくらい分けて話をしてくれれば理解もしやすいし、逆に「知っといた方がいいけどまだ早いから完全に覚えなくてもいいよ」という感じで、棋力によって使い分けることもできる。
 正直、タイトルを見たときはこういうものを想像していたので、ハードルが高かった分なんか評価が低くなってしまった。悪い試みじゃないとは思うんだけど……。
作成日 2018-06-02 | [定跡 ( 全般 )]
 最新戦法の話

最新戦法の話 (最強将棋21)
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著者:勝又 清和 / 出版社:浅川書房
出版日:
¥ 1,620 (定価)/49pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は11月20日 20:34現在)

 現在、プロの間でよく指されている戦法(情けないことにこの文章は2015年に書いているので、8年も前のことになるが)について、どうしてそういう形、手順になっていったのかを判りやすく解説している本。元々、『将棋世界』に連載されていた講座を再編集し、プラス3つの新章を加えている。

 内容は、「矢倉」「一手損角換わり」「8五飛戦法」「藤井システム」「ゴキゲン中飛車」「石田流」「コーヤン流(三間飛車)」「相振り飛車」とバラエティに富んでいる。ほとんどは同時よく指されていたものだが、藤井システムのように「指されなくなった戦法」もある。振り飛車が多いのは、天敵居飛車穴熊対策としていろいろな振り飛車が試されていたからだろう。

 とても高度な内容のはずなのだが、不思議と読みやすい。定跡書ではなく、解説書に近いからだろうか。「プロ間では指されなくなりました」という感じで変化はかなり飛ばして、本筋の変化、新手合戦の部分のみを紹介している。なので、本書を読んでそれらの戦法が指しこなせるというわけではなく、本書を読むと現在のプロの最先端がよくわかる、という本だ。
 それでも、本筋の変化はキッチリと押さえているので、本書でざっくりと流れを押さえておいて、あとでそれぞれの戦法の定跡書を読めば、より深く理解が得られるだろう。本当に丁寧にまとめられている。

 また、戦法そのものの解説だけではなく、プロが将棋をどう捉えているのかについてもよく触れられている。「指し手の優先順位を考え、後回しにできる手は後回しにする」「禁忌はなく、どんな手・形でもきちんと精査する」といった考え方は、実際に将棋を指す上でもとても役に立つだろう。また本書では、プロ棋士達がそういった考えの元で、現実に数々の戦法を進化させていった様が、ドキュメンタリーのように語られる。
 そういえば、本書で特徴的なのは、実際にプロ棋士にインタビューをしているという点だろう。まさにその道のプロに話を聞き、戦法の勘所や新手を思いついた背景など、貴重な話がポンポンと出てくる。プロ棋士間で少し考え方が違っている点なども合わせて楽しめた。

 あとがきには、こんなことが書かれている。
最近のニュースでは説明責任Accountabilityという言葉がよく使われます。私たち棋士はファンに対する「説明責任」をきちんと果たしているだろうかと自問したとき、僕は自信がもてません。特にタイトル戦などトッププロの将棋はひとめですべて理解できるようなものではなく、何度も繰り返し鑑賞することで味わいも深くなります。本書を読み終えたみなさんに「なるほど、そういうことだったのか」「将棋を見る目がかわったよ」と思っていただけるとしたら、ほんの少しだけ説明責任を果たせたということで、これに優る喜びはありません。
 いや、自信を持っていいと思いますよ。少なくとも、本書のような良書が世に出ているということは評価したい。
 7年も後に評価しているから書けることではあるのだが(笑)、元々の連載は現在でも形を変えてまだ『将棋世界』誌で続いている。また、本書をもっともっと判りやすくした、『将棋・序盤完全ガイド 振り飛車編』のような「観るファン」向けの棋書も出ている。そういう流れがあるのは、本書の成功があってのことだと思いたい。
 棋力を問わず、初級者から有段者まで、全てのファンに勧められる良書だと思う。
作成日 2015-01-18 | [定跡 ( 全般 )]
 最前線物語2

最前線物語〈2〉 (最強将棋21)
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著者:深浦 康市 / 出版社:浅川書房
出版日:
¥ 1,470 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は11月14日 11:35現在)


『これが最前線だ!』『最前線物語』に続く、定跡の最前線を追うシリーズ。

 前著『最前線物語』はほとんどが藤井システム&8五飛戦法だったが、今回はいろんな戦法が登場している。
 振り飛車系ではゴキゲン中飛車、三間飛車(含早石田)、相振り飛車。居飛車系では一手損角換わり。この辺りはタイトル戦でも登場している戦形だけに、今回しっかりと解説してくれたのは嬉しく感じる。

 ただ、残念なことに2点ほど問題があって……。
 一つは、タイトル戦にも登場した「メジャーな戦法」を解説しているため、どれもこれも見たような気がする変化ばかりであるということ。もちろん、本書は「最前線のまとめ」なのだからそれで問題ないのだが、前2著に比べると新味感がやや薄く感じた。まぁ、特に前著は狭く深くだったから、それで余計にそう感じてしまうのだと思う。
 二つ目は、実は『将棋世界』の勝又講座と結構内容がかぶってしまっている点。一手損角換わり、ゴキゲン中飛車、藤井システム、相振りと、どれも講座で扱った内容なのだ。しかも相振りなんかは講座の方が詳しかったりするし。これも本書が悪いわけではないんだけどね。

 以上のようなことがあったので、白砂が読んだ感触としては「そんなに目新しくはない」という感じ。
 上記の欠点(?)も、本としてまとめてあるという功績は大きいし、調べる方もラクだからあっても問題はない。白砂の場合『将棋世界』は図書館に寄付してしまっているので特にあると嬉しい。

 8/21に八重洲ブックセンターに買いに行ったら、フラゲ日にも関わらず既に在庫なし。平積みの本棚にポッカリそこだけ空間ができていた。店員に訊いたところ、18冊あった在庫がすべて売れたらしい(あそこはPC管理なので、入荷と販売分がすぐわかる)。「こないだ仕入れたばっかりなんですけど、いや、こんなに売れてたんですね」という店員の言葉は、本書の価値を十二分に物語っていると思う。
 手元に置いて損はない一冊だろう。
作成日 2006-09-02 | [定跡 ( 全般 )]
 最前線物語

最前線物語 (最強将棋21)
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著者:深浦 康市 / 出版社:浅川書房
出版日:
¥ 1,470 (定価)/45pt (Amazonポイント)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫あり。(価格・在庫状況は11月19日 10:24現在)

『これが最前線だ!』の続編と位置付けていいと思う。出版社は違うのだが、独立してどうたらという話を聞いたことがある。まぁ大人の事情ということで、細かい詮索は抜きにしよう(笑)。
 現在プロで指されている最新形について、その形ごとにテーマ図を設けて解説している本。形が固定されてからの解説なので、どうやってこの形に組むんだいという人は対象にしていない。最新形・定跡形を追うという意味で本書を読むなら、対象棋力は道場4段から、と言っても過言ではない。それほど解説は難しい。

 前著では、およそプロで指されている形は奇襲・変態戦法や一部の力戦形を除いて全て網羅されているというほど広範囲にわたってカバーされていたが、今回は藤井システムと横歩取り8五飛戦法が誇張ではなく8割以上を占める。それだけ両戦法については突っ込んで解説されているわけだ。
 また、前著では固定されていたページ割りが、テーマごとにバラバラになった。詳しく書きたいテーマについては6ページくらい割いているし、3ページでさらっと流している(本筋の変化が少ないという意味で、決して簡単という意味ではない)テーマもある。そのため、とにかく知られている変化をぶちこんであるような感じを受ける。手の密度の濃さで言えば東大将棋シリーズ並だろう。
 しかし、東大将棋と違って数ページ単位で話を進めてくれるので、読んでいて内容を理解しやすい。解説のはじめに、半ページを割いて「これはこういう経緯でこうなった」「この狙いがあるのでこの形に持ってきた」というフリがある(ページ上半分に大図面があり、下半分に解説がある)ので、その都度きちんと立ち止まって読み込むことができるのだ。

 先に「最新形・定跡形を追うという意味で本書を読むなら」という表現を使った。
 何故かというと、本書の一番面白いところは、そこにないと白砂は思うからだ。
 本書では各テーマを提示し、それぞれについて実戦譜を元に詳しく研究していく。その過程を追うことによって、読者は単に最新形を理解するだけでなく、将棋を極めんとするプロの苦闘の跡を読み取ることができるのである。

 本書は、そんなプロ達の「激闘の記録」でもあるのだ。

 偉人の伝記を読むように、NHKの『プロジェクトX』を観るように(笑)、本書を読んでほしい。対象棋力は問わない。細かい手順など判らなくてもいい。読んでいけば、プロがいかに考え、悩み、試行錯誤したかが判るから。
 定跡という言葉でさらりと語られる手順の裏にある先人の苦闘。本書ではその過程をあますところなく見せてくれる。
 実は、本書をはじめて読んだのは9月の初めだったのだが、既に20回ほど読み返している。それだけ「よみもの」としての鑑賞に耐えうる本だということである。良書だと思う
作成日 2003-10-01 | [定跡 ( 全般 )]
 定跡外伝2

定跡外伝〈2〉―将棋の裏ワザ伝授します
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著者: / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は11月19日 9:40現在)


 出版当時は大変な反響を巻き起こした『定跡外伝』の続編。と同時に、今まで毎コミが出版した棋書のフォローにもなっているというのがおもしろい。ようするに、定跡とちょっと違う局面、意外と触れられていない裏定跡を紹介する本である。

 私自身は定跡ヲタなところもあるのでこういう本は読んでいて楽しいのだが、でははたしてどれだけの需要があるかと客観的な視点で見ると疑問ではある。
 見開き単位で一つの局面、というかなり制約されたレイアウトの中で解説をしているので、棋譜がかなり長々と載る。それを追っていける、もしくは盤駒を出して並べて鑑賞できるレベルの人向けの本である。これは需要はそう多くないよね。

 前作は居飛車対振り飛車のみだったが、今回は矢倉や横歩取りなども取り上げられている。その分、よりお得感が強まった気がする。脇システムや8五飛戦法外しなどは、まさに定跡「外伝」という感じで非常にいい。

 その定跡を知っている、ということが前提になるので100%有段者向けなのだが、たとえわからなくても級位者にも一度は読んでみてほしい。将棋のおもしろさ、奥深さがよくわかる良書である。
作成日 2002-07-19 | [定跡 ( 全般 )]
 これが最前線だ! 最新定跡完全ガイド

これが最前線だ!―最新定跡完全ガイド (最強将棋塾)
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著者:深浦 康市 / 出版社:河出書房新社
出版日:
¥ 1,470 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は11月14日 22:52現在)


「主要戦形を網羅! この形がタイトル戦に出る!」とは帯のヒキ文句だが、この言葉に偽りはない。
 振り飛車、矢倉、居飛車の「すべての」戦形について、最新の定跡が惜し気もなく紹介されている。どちらかの立場に立って書かれる「定跡書」ではなく、完全に「カタログ」に徹したのが成功した例だろう。
 この本を読んだおかげで矢倉や相掛りに興味を持てた。個人的にも絶対におすすめの一冊だ。級位者には難しいかもしれないが、初段以上には必須と言える。
 この一冊があれば、「古い本」を買う必要はない。そこまで言っても過言ではない。良書である。
作成日 1999-04-25 | [定跡 ( 全般 )]
 新手年鑑 vol.2

新手年鑑〈Vol.2〉
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著者:勝又 清和 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,223 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は11月17日 20:53現在)


『新手年鑑』に続いての出版。まさか続くとは思わなかったが、3が出ていないところをみるとやっぱり企画に無理があったのだろうか?(笑)

 定跡補完としての地位は『これが最前線だ!』の出版により全くなくなってしまったと言っていい。本書は、新手が出た「その時の臨場感」を味わう読み物とすべきなのだろう。
 シリーズ化は難しいかもしれない。雑誌の企画くらいがちょうどいいところなのだろうか。
作成日 1996-09-01 | [定跡 ( 全般 )]
 新手年鑑 vol.1

新手年艦〈vol.1〉
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著者:島 朗 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,223 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は11月18日 17:28現在)


 その時までに出た「新手」を、戦形別に分けて解説してくれる本。
 言ってみれば古くなった定跡書の改編集みたいなもので、定跡を勉強する上では参考になった。しかし、出版当時は「凄いなぁこれ」と素直に感心できたのだが、さすがにここまで劣化が進むと定跡補完としての価値も低い。
 それでも、そこそこ変化も書きこまれているし、変態戦法系も紹介されているので、目を通すくらいならしてもいい。また、読み物と割り切ってしまえばそれなりに楽しめるはずだ。
作成日 1995-08-01 | [定跡 ( 全般 )]
 将棋の基本戦法

将棋の基本戦法―図解
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著者:松田 茂行 / 出版社:日東書院本社
出版日:
¥ 525 (定価)
<%myrate1()%> (評価:級位者)
<%myrate2()%> (評価:初段~三段)
<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は11月17日 4:21現在)


 さまざまな将棋の戦法について、基本的な駒組みの部分までをわかりやすく解説した本。

 非常に古い本である。昭和53年初版発行だ。
 なので、取り上げられている題材は古い。有段者でも今の若い人は「新旧対抗」なんて知らないだろう。それほど古い。

 この本のすごいところは、前書きで堂々と「これは作った手順です」と宣言していることだ。初めて読んだ時には気が触れたかとも思ったが(笑)、続きを読んで納得。ようするに、「初心者には、正しい指し方を提示して『形勢不明』とするよりも、ウソの指し方であっても理想を展開して『有利』とした方がいい」という考え方らしい。
 これは、非常に優れた考え方だと思う。
 いや、今までのいわゆる「高段者の定跡本」というやつも、そういう考えでウソ手順を載せていたのかもしれない。しかし、それを「言わない」のではサギでしかない。それをきっちりと明確にしたところが本書の(発刊姿勢の)素晴らしさである。初級者、中級者にものを教える時にはこうありたいものだ。
作成日 1985-04-01 | [定跡 ( 全般 )]
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