佐藤康光の矢倉

佐藤康光の矢倉 (佐藤康光の将棋シリーズ)
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著者:佐藤 康光 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
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 四間飛車藤井システムを開発した藤井が、矢倉で新機軸を見せた「矢倉藤井システム」について解説した本。なんで佐藤が解説するのかはよく判らないのだが、内容はいいからまぁよしとしよう(笑)。
 そしてまたなんでか判らないのだが、森下システムとセットになっている。単純に考えると双方ともに1冊の本にするには苦しく、合わせて出版した……ということなのだろうか、内容はいいからまぁよしとしよう(笑)。

 矢倉藤井システムについては、基本的な形の解説から後手の対策までをいろいろ解説している。
 森下システムは、ざっくり森下システムが消えた理由を紹介した後、復活の一因となった深浦流の▲5三歩から▲5四香、それを避けて後手が△4三金右と変化する指し方を解説している。
 講座編で飛ばした部分を実戦編で紹介する、という、一風変わったシステムの本で、定跡本として読むと少し「とっ散らかった」印象を受ける。白砂は体系的に読んだ方が理解がしやすいクチなので、よりそう感じたのかもしれないが。とりあえず、講座編で「先手ピンチ。対策は実戦編で」はやめようよ(笑)。

 解説そのものはとても丁寧で、重要な部分では2、3手で1ページくらいのペースで進むため、初級者でも判りやすいと思う。実戦編の方でもそれくらいのペースで解説してくれるのは少し驚いた。ただ、それならやっぱり体系立ててきちんと解説してくれた方が……と思ってしまった。また、ほんの少しの工夫なのだが、それぞれの解説の概略部分では行間を少し広げて読みやすくしてくれている。これはいいアイディアだと思った。

 棋書としてはきちんとまとまっていて、ちゃんと藤井システム・森下システムが理解できる良書だと思う。

 ただ、ちょっと卑怯な話なのだが、個人的なことを言うと、実は以前、藤井自身による解説会に参加したことがあるのだ。その時は(当たり前だが)本人から口頭で講義を受けたのだけれども、それがまたとても判りやすかったのである。その講座の内容と比べてみると、やはり「藤井流とはどういうものなのか」という大事な部分についての解説が少ないと感じた。一応10-11ページで解説はしているし、19ページでも補足はしてあるのだが、言葉だけではなく手順や図など、もう少し工夫があればなぁ……と思う。
 もちろん、これはあくまでも個人的なバックボーンあっての感想であるし、解説が判りやすいことは確かである。初級者から有段者まで、しっかりと役に立つ棋書であることは間違いない。
作成日 2015-02-14 | [定跡 ( 矢倉 )]