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 1冊で全てわかる向かい飛車 その狙いと対策

1冊で全てわかる向かい飛車 その狙いと対策 (マイナビ将棋BOOKS)
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著者:安用寺 孝功 / 出版社:マイナビ出版
出版日:2018-05-16
 (定価)/50pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月20日 20:18現在)

 △4四歩と角道を止めてから△3二金として△2四歩と突いていく急戦向かい飛車と、向かい飛車にするメリケン向かい飛車、それと現代風の▲5六歩向かい飛車、角道オープン向かい飛車、最後に角頭歩戦法を解説している。 最初の章で振り飛車優勢の変化を多く解説し、次章に居飛車側の対策を解説する、タイトル通り「狙い」と「対策」を解説しているわけだ。読んでみると意外とスッと頭に入ってきて、これはこれでアリかなと思った。

 内容的には「ちょっとさらう程度」といった感じで、例えばメリケン向かい飛車なら本家の『公望流メリケン向飛車戦法』の方が3倍は詳しい。もっとも同書は絶版のようなので簡単には読めないが。最初の△3二金型の解説もおざなりな感じだし、だったら△3二銀型も採り上げてくれればもっと面白かったんじゃないかなと思ったりもした。
 ただ、本書のコンセプトがカタログ的にいろいろ紹介して、振り飛車の人は指してみてほしいし、居飛車の人はやられて困ったらこれを読んでね、という感じなのだろうから、ある程度解説が薄くなるのは仕方がないのかもしれない。

 そういう視点で見れば、初段くらいまでの人は十分に「買い」だし、それより上の人も一読はしてほしい。図面の取り上げ方もいい感じなので、盤駒がなくても読めると思う。それだけちゃんと練られていると感じた。
作成日 2018-07-26 | [定跡 ( 向かい飛車 )]
 堅陣で勝つ!飯島流引き角戦法 Final

堅陣で勝つ!飯島流引き角戦法 Final (マイナビ将棋BOOKS)
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著者:飯島 栄治 / 出版社:マイナビ出版
出版日:
 (定価)/50pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月20日 19:54現在)

 これまでにも発刊されていた『飯島流引き角戦法』の最終巻(?)。角道を開けずに駒組をする対振り飛車戦法で、これだけ聞くと鳥刺しと同じだが、平美濃に固く囲って攻めるという発想を加えたところが新しい。元々は対藤井システムから生まれたものだが、今は藤井システムはねぇ……orz。

 内容は後手向かい飛車と後手三間飛車、あと駒落ち。いや、それはさすがにさぁ……。
 前半はまぁ面白く読めた。これは別の平美濃を解説した棋書でもあったが▲7六角と打つ筋とか、角道を開けない形を活かした面白い手だと思う。▲3三歩と垂れ歩で攻めるという攻め筋も従来の急戦形ではあまり見ない手筋で(どういう局面か頭に出てこないでしょ?)、これは通常の急戦形に逆輸入できないもんかなと思ったりもした。

 角交換振り飛車やゴキゲン中飛車などの「攻める振り飛車」が台頭している今、「角道が開いてなきゃ急戦で攻めらんないでしょ」という発想は面白いと思う。なのでよりいっそう、なんで駒落ちを一緒に載せた……という思いが強い。前著が売れなくなるのはわからないではないが、改めて総集編をやるとか、前著から定跡が進んだ部分を載せるとか、やりようはいろいろあったと思うのだ。
 なんか本の作り方的にどうかなぁ……と感じてしまった。
作成日 2018-07-26 | [定跡 ( 振り飛車全般 , 駒落ち )]
 四間飛車・序盤の指し方 完全ガイド

四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)
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著者:井出 隼平 / 出版社:マイナビ出版
出版日:2018-03-13
 (定価)/50pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月19日 11:29現在)

 四間飛車vs居飛車について、急戦も持久戦も、ほとんどの戦形を解説している。
 しかも、四間飛車側は美濃囲いがメインで、居飛車穴熊などにも銀冠で戦う。なかなか「古い」形である。
 取り上げた戦形を列挙すると、急戦がナナメ棒銀・4五歩早仕掛け・棒銀・鷺宮定跡。居飛車穴熊が通常の穴熊と松尾流、角交換型。その他の戦形として左美濃・5筋位取り・玉頭位取り。右四間がないくらいで、確かにほとんどの戦形は網羅してある。

 解説の内容はいささか初級者向けで、例えばナナメ棒銀では△8六歩の突き捨ての形すら紹介されていない。なので▲6五歩のカウンターがまともに入って綺麗に勝つ。5筋位取りなんかも飛車を見捨てて▲7七角と出る、という懐かしい定跡がそのまま紹介されている。ノーマル四間を扱っているということから、あまり定跡が磨かれていない部分があるのは仕方がないが、白砂が学生の頃の定跡を平成最後の夏に目にするというのはなんというか……。

 最新形を追うのはある意味「疲れる」ことなので、居飛車穴熊あたりに対抗できるのであれば、ノーマル四間は非常に「楽な」戦法であると言えるだろう。こちらの陣形の理想形は決まっているので、組むのが格段に楽なのだ。なので、級位者がとりあえず四間飛車一本で初段を目指す、といった使い方は有用だと思う。そういった意味であれば本書は級位者には有用だろう。
 とはいっても、本書をきっかけの一冊とするのはアリだと思うが、あまりに解説が薄すぎるので、これ一冊で、というわけではいかない。他の棋書で補完する必要がある。
 とはいえ、著者の井出はプロの世界でこのノーマル四間で戦っているわけで、ということは棋力さえあれば十分に戦えるはずだ。加藤一二三が「棒銀が悪いわけではない」と語っていたが、それと同じなのかもしれない。フォロワーが少ないのでノーマル四間の復権はまだまだ遠いだろうが、同じ振り飛車党としては応援したい。
作成日 2018-07-17 | [定跡 ( 四間飛車 )]
 角換わり 初段の常識

角換わり 初段の常識
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著者:塚田 泰明 / 出版社:マイナビ出版
出版日:2018-04-11
 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月19日 11:15現在)

 角換わりの将棋である腰掛け銀・棒銀・早繰り銀について優しく解説した本。それぞれで一冊本が書けそうなくらいの戦法ばかりなので、とれもややカタログ的な紹介となっている。

 腰掛け銀については、さすがに木村定跡の解説はなく(笑)、富岡定跡がベースとなっている。△8六歩と突き捨てる筋なども解説していて、一通り読むにはちょうどいいボリュームだと思う。最新の▲4五桂を早く跳ねる手や▲4八金型なども少しだけ触れている。
 一方で、棒銀と早繰り銀は少し薄い感じがした。特に棒銀はかなり古い定跡も紹介していて、△5四角vs▲3八角なんて久しぶりに見た気がする(笑)。まぁこの戦形が多いわけでもないし、とすると定跡が止まったままなのだろう。ちなみに、白砂が学生の頃は△2四銀と打つ手が定跡で、最新形として△2四歩が出始めだったと思う。懐かしい。早繰り銀も「△6四歩型だとすぐ負けちゃうよね。なんで△7四歩型」くらいで解説が止まっている感じ。こちらも定跡の進歩はそんなにないと思うので、これまた仕方がないところだろうか。

 最初に言った通り全体的にカタログ的でそれを薄いと見るか網羅していると見るか、というところだろう。白砂は後者と受け取ったので、評価もそこそこ高いものとなっている。実際に読んでいて図面の使い方などがちょうどいい感じで、うまくまとめていると思う。
 タイトル通り、初段くらいまでの人であれば、角換わりをかじるという意味でも読んでいて損はないと思う。高段者の人は知っていて当然だと思うのでいらないかな。ついでに言うと、最新形を追っているわけではないので「観る将」の人もあんまり役には立たないと思う(笑)。
 とはいえ、繰り返しになるがきちんとまとめられているので、高段者の人でも観る将でも、一読の価値はあるかもしれない。
作成日 2018-07-17 | [定跡 ( 相掛かり・角換わり )]
 コンピュータ発! 現代将棋新定跡

コンピュータ発! 現代将棋新定跡 (マイナビ将棋BOOKS)
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著者:suimon / 出版社:マイナビ出版
出版日:2018-06-12
 (定価)/48pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月23日 11:32現在)

 現在(2018年6月)流行っている、または流行っていた将棋の戦法のうち、コンピュータ将棋発のものを4つ抽出して解説した本。
 もちろんプロの実戦などからも手を紹介しているが、floodgateでコンピュータ同士が対戦した棋譜を主に使用している。また、局面の評価についても、コンピュータの評価値を適宜紹介することで可視化している。昔、+とか±とか記号で形勢を表示していたものに似ているか。

 戦形は以下の4つ。
角換わり▲4五桂
駒組の途中のような形からいきなり▲4五桂と仕掛けていく現代将棋の立ち位置を示すような戦法。成立する・しないは細かい形の違いによって変わってくるため、いろいろな形について、おもに玉の位置の違いを中心に解説している。
角換わり▲4八金
▲4八金▲2九飛、というか元をたどれば△6二金△8一飛型になるのかな、去年(2017年)千田がこれで升田幸三賞を取っていた形。原型となった△6二金▲5八金型と、△6二金▲4八金を解説している。
雁木
高見増田の「矢倉は終わった」に代表されるように、近年矢倉に代わって急速に指されるようになった。本書ではツノ銀型を主に解説している(もちろん通常型の雁木もちゃんとある)。
相掛かり△7四歩取らせ
説明が難しいが、早めに△7四歩と突いてそれを▲7四飛と取らせ、その飛車を△7三銀△6四銀と追い掛け回すことで手得を強調する指し方。プロでは山﨑がよく指していたと思う。これはさすがに力戦形なので体系だった解説は難しいが、いろいろな形についてまとめている。
 まさに最新形の将棋ばかりだ。
 形勢判断についてもかなりシビアで、いやここで先手有利かよ……というような局面もゴロゴロある。昔の『角換わり腰掛け銀研究』のような感じである。これは有段者でも読みこなすのは難しい。正直白砂も一読しただけでは入ってこなかった。ちょっと面倒でも各章ごとに3回くらいずつ読み返すか、盤駒の力を借りないと理解するのは大変だと思う。

 欲を言えば、例えば▲4五桂にしても、昔は無理だと思われた形が現代に指されているわけで、例えばどの手順で無理だと思われていたのに思わぬ手があってそこに青信号が点ったから復活したとか、そういう「どんな新しい酒を盛ったのか」という部分の解説がほしかった。まぁそうなるとむしろ勝又教授の出番という気がしないでもないので(笑)、本書の立ち位置としてはあくまでも「プロを超えたコンピュータ将棋から見たプロの最新形」というこのスタイルでいいのか。
作成日 2018-06-15 | [定跡 ( 居飛車全般 )]
 将棋の序盤でやってはいけない手

将棋の序盤でやってはいけない手
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著者:高橋 道雄 / 出版社:創元社
出版日:
 (定価)/43pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月19日 14:09現在)

 定跡の中から「悪手」「疑問手」を抜き出して、逆に「こう指しちゃダメですよ」と解説することで定跡の正しい手順を理解しよう、という本。
 戦形もいろいろあり、総合定跡解説っぽくはある。

 ……という説明だけを聞けば面白そうだ、と思うかもしれませんけども。
 ちょっとなぁ……。

 まず、少し問題の難易度設定にバラつきがありすぎること。
 相矢倉の解説をするのに▲7六歩△3四歩▲6八銀はダメですよ、というところから始めるのに、相矢倉でこう指すと陣形合戦で不利になりそのまま負けるよ、というのを同時に解説するのはちょっと無理があると思う。有段者から見ればどちらも悪手・疑問手だとは思うが、悪さのレベルが違う。

 いっそのこと、戦形で分けるのではなく、難易度で分けるくらいの方がいいような気がする。例えばこんな感じで。
 第一章は▲7六歩△3四歩▲6八銀レベルでいいと思う。とにかく駒組の途中で駒損や角の両成りなどをされるという「目に見える悪手」。
 第二章は矢倉で▲7八金と備えずに▲4八銀としてしまうとか、角換わりで△4一玉と寄ると▲4五銀△同銀▲6三角とされるとか(形は察してくれ(笑))、5手から9手くらいまで読むと形勢を決定的に損ねることがわかる「読むとわかる悪手」。
 第三章は、第二章からもう少し進んで、右四間に対して矢倉を組むと攻めつぶされるとか、かなり深く読むと形勢を決定的に損ねることがわかる「読むとわかる悪手」。
 そして最後に、駒組が不自由になるなどの「不利になる疑問手」。例えばアマ有段者と級位者が戦ったらひっくり返されるくらいの、だけど悪い手とされているからその展開には飛び込まないようにしようね、という形など。

 これくらい分けて話をしてくれれば理解もしやすいし、逆に「知っといた方がいいけどまだ早いから完全に覚えなくてもいいよ」という感じで、棋力によって使い分けることもできる。
 正直、タイトルを見たときはこういうものを想像していたので、ハードルが高かった分なんか評価が低くなってしまった。悪い試みじゃないとは思うんだけど……。
作成日 2018-06-02 | [定跡 ( 全般 )]
 振り飛車の核心 ”さばき”の基本手筋

振り飛車の核心 “さばき
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著者:藤倉 勇樹 / 出版社:マイナビ出版
出版日:2018-04-23
 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は9月17日 10:09現在)

 振り飛車側から見た対抗形の定跡について、次の一手で勉強する本。三択・ヒントつきというどちらかというと級位者向けに作られている。

 問題は四間飛車がほとんどで、一応三間飛車・中飛車・向かい飛車もある。なぜか4→3戦法も入っているのがいいのか悪いのか。あと、中盤の次の一手というのも少し入ってたかな。
 特に四間飛車編では居飛車側の戦法がほとんど急戦で、▲8五歩△同銀▲8八飛とか、▲6四歩△7七角成▲6五銀△7五飛▲7七桂とか、居飛車穴熊黎明期を知っている白砂くらいの世代には懐かしい手順が紹介されたりしている。懐かしいのは結構だがしかしどれくらい需要があるのかが少し疑問で、同時にそんな風に将棋が変わってしまったことにちょっと残念に思ったりもしてしまった。

 定跡の基本的な部分の、振り飛車がカッコイイ部分を抜き出して紹介してくれているので、定跡の勉強というよりは振り飛車の「布教用」かなぁ……などとも考えてしまった。とにかくこういう手順・形を紹介して、捌きのカッコよさを吸収してもらおうというのであれば、一定の効果はあると思う。鈴木大介定跡というか(笑)。ただ、やっぱり振り飛車の醍醐味ってこれなんだよなぁ。
 初段くらいまでにはこの本の変化はすべて知っているくらいでないといけないと思うので(もしくは「こんな将棋にはならないから必要ない」か……orz)、それ以上の人は勉強用としては本書は必要ないと思う。ただ、「こんな将棋にはふだんはならないけど」というエクスキューズをつけないといけないのは少し悲しいけど、こういうのが振り飛車なんだよ、面白いでしょ! と級位者の人たちに知ってほしくはなる。
作成日 2018-06-02 | [その他 ( 次の一手 ) , 定跡 ( 振り飛車全般 )]
 佐藤康光の矢倉

佐藤康光の矢倉 (佐藤康光の将棋シリーズ)
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著者:佐藤 康光 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,620 (定価)/15pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月19日 6:53現在)

 四間飛車藤井システムを開発した藤井が、矢倉で新機軸を見せた「矢倉藤井システム」について解説した本。なんで佐藤が解説するのかはよく判らないのだが、内容はいいからまぁよしとしよう(笑)。
 そしてまたなんでか判らないのだが、森下システムとセットになっている。単純に考えると双方ともに1冊の本にするには苦しく、合わせて出版した……ということなのだろうか、内容はいいからまぁよしとしよう(笑)。

 矢倉藤井システムについては、基本的な形の解説から後手の対策までをいろいろ解説している。
 森下システムは、ざっくり森下システムが消えた理由を紹介した後、復活の一因となった深浦流の▲5三歩から▲5四香、それを避けて後手が△4三金右と変化する指し方を解説している。
 講座編で飛ばした部分を実戦編で紹介する、という、一風変わったシステムの本で、定跡本として読むと少し「とっ散らかった」印象を受ける。白砂は体系的に読んだ方が理解がしやすいクチなので、よりそう感じたのかもしれないが。とりあえず、講座編で「先手ピンチ。対策は実戦編で」はやめようよ(笑)。

 解説そのものはとても丁寧で、重要な部分では2、3手で1ページくらいのペースで進むため、初級者でも判りやすいと思う。実戦編の方でもそれくらいのペースで解説してくれるのは少し驚いた。ただ、それならやっぱり体系立ててきちんと解説してくれた方が……と思ってしまった。また、ほんの少しの工夫なのだが、それぞれの解説の概略部分では行間を少し広げて読みやすくしてくれている。これはいいアイディアだと思った。

 棋書としてはきちんとまとまっていて、ちゃんと藤井システム・森下システムが理解できる良書だと思う。

 ただ、ちょっと卑怯な話なのだが、個人的なことを言うと、実は以前、藤井自身による解説会に参加したことがあるのだ。その時は(当たり前だが)本人から口頭で講義を受けたのだけれども、それがまたとても判りやすかったのである。その講座の内容と比べてみると、やはり「藤井流とはどういうものなのか」という大事な部分についての解説が少ないと感じた。一応10-11ページで解説はしているし、19ページでも補足はしてあるのだが、言葉だけではなく手順や図など、もう少し工夫があればなぁ……と思う。
 もちろん、これはあくまでも個人的なバックボーンあっての感想であるし、解説が判りやすいことは確かである。初級者から有段者まで、しっかりと役に立つ棋書であることは間違いない。
作成日 2015-02-14 | [定跡 ( 矢倉 )]
 菅井ノート 後手編


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著者: / 出版社:
出版日:
 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月23日 12:40現在)

 NHKの冒頭インタビューを観て以来、というかその際に聞き手の矢内が「だいじょうぶ、すぐ終わるから」と励ましたという逸話を聞いて以来、夫婦でファンをやっている菅井(<どういう説明だ(笑))の著書。振り飛車党でもあり、超速対策として自らの名を冠された「菅井流」を生み出した開発者でもある。

 内容はほぼvs超速。
菅井流
▲3七銀に△4四歩と突く形。続けて▲4六銀なら△4五歩と引っ張り込んで攻めよう、という大胆な構想だ。▲7八銀型の対策にも触れている
△3二金型
いきなり後手が5筋を交換する形に対して、先手が▲5五歩とフタをする手と、2枚の銀で中央を制する形。また、少しスピードは落ちるが、▲5八金右まで囲う形や、端歩を突き合う形にも触れている。
△3二銀型
△3二金型と同様に5筋の歩を交換し、先手が2枚の銀で中央を制する形。後手の形の違いが問題となる。
銀対抗型
▲4六銀に△4四銀と受け止める指し方。穴熊の戦いになる。
一直線穴熊
前章をもっと先鋭的にして、超速を捨ててでもとにかく穴熊に囲う、という指し方。▲8八銀と上がらないことで、角頭を攻められた際に▲8八角と引くことができる、というう工夫により注目された。
その他
343戦法の改良形、少し古い5筋からの攻め筋など。
 現在(2015年)ではあまり見られなくなったゴキゲン中飛車だが、この当時(2012年頃)は、ゴキゲン中飛車に対して超速という特効薬ができたと、振り飛車党も居飛車党もこぞってこの戦形を指していた気がする。

『島ノート』ほどではないが、上記で説明した通り、それぞれの形について詳細に解説されている。図面の挟み方や文字フォント、行間に至るまで、とても丁寧に仕上げられた本である。
 繰り返しになるが現在ではやや下火になっている感がある戦法なので、今これを読んでゴキゲン中飛車党になる! という人はあまりいないだろうが、飛角が乱舞する振り飛車らしい振り飛車なので、指してみると楽しめると思う。振り飛車の勘所をこの戦法でつかんで、他の戦法、例えば角交換四間飛車などに移行すると、その感覚の同じところと違うところが判ってより一層指し手に深みが出るだろう。
 そういう意味では、内容は有段者向けの本なのだが、むしろ初段前後くらいの居飛車党にお勧めしたい。居飛車らしい緻密さだけではなく、振り飛車流の「いい意味でのおおざっぱさ」がきっと掴めると思う。
作成日 2015-02-12 | [定跡 ( 振り飛車全般 )]
 現代横歩取りのすべて

現代横歩取りのすべて (マイナビ将棋BOOKS)
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著者:村田 顕弘 / 出版社:マイナビ
出版日:2014-10-23
¥ 1,717 (定価)/51pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月20日 11:43現在)

 升田幸三賞を受賞した「横歩取り5二玉型」をメインに解説した本。メインに、と書いたのは、それ以外にも、横歩取りの基本となる話をいろいろと解説しているからである。

 内容は
横歩取りを避ける変化
▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩となったら、横歩取り以外は損だという解説。
5二玉型以外の横歩取りについて
△2三歩型や△4五角型などについて。
5二玉型
本書のメイン。△5二玉とした基本図から、▲5八玉、▲6八玉、▲4八銀の3つの変化を解説。
5二玉型最新形
リアルタイムで研究が進んでいて、まだ結論が出ていない形を中心に紹介。
青野流
先手が▲3六飛と引かず3四飛で頑張る形。
 かなり色々な内容で、特に最初の2つは、相横歩や△4四角型などを含め、本気で解説したらこれだけでまとめて1冊できそうなくらいのものである。まぁ、昔は『横歩取りは生きている』とかあったしなぁ(遠い目)。
 メインの5二玉型は、△2三銀から△2四飛とぶつける筋が中心になる。8五飛戦法の頃の5二玉型は(ものすごく乱暴に言ってしまうと)4一玉型の囲いの修正だったわけだが、8四飛型での5二玉型はそもそもの攻め筋からして違っていて、かなりとんがっている感じがする。
 その他、YSS新手や菅井流の歩を打ってしまう形など、最新の形にも触れている。こちらは「紹介」程度の内容ではあるが、どちらが有利と断言できないのであれば紹介だけしとくね、という、ある意味潔い態度ではある。

 特にメインの5二玉型については、それぞれの微妙な形の違いを判りやすく解説していてとてもよかった。
 また、変化のチョイスというか、実戦で使ってみたくなるような面白い手順を数多く紹介していて、すごくこの戦法の勘所が判っているなあと感じた(上から目線に聞こえたらすいません。そういう意図はありません)。
 

 とりあえず本書を読めば、初段くらいまでの人でも横歩取りの乱戦を楽しく戦えると思う(殴り合いなので勝ち負けは別ね)。有段者の人でも、最近の横歩取りの情勢には一通り触れられているので、一読しておくと自分の頭の中がすスッキリすると思う。もっとも、横歩取り党の有段者はこの辺りはキッチリ整理済みなのかもしれないが。門外漢の白砂だから特にそう感じてしまうのかな(笑)。
 最新の戦形の解説をタイムリーに出した良書だと思う。だったらお前もタイムリーに紹介しろというツッコミはすいませんナシの方向で。
作成日 2015-01-22 | [定跡 ( 横歩取り )]
 振り飛車党必読! 現代振り飛車はこう指せ!

現代振り飛車はこう指せ! (マイナビ将棋BOOKS)
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著者:佐々木 慎 / 出版社:マイナビ
出版日:
¥ 1,663 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月16日 15:41現在)

 第72期順位戦C級1組(平成25年度)最終戦、著者は残念ながら負けてしまい8勝2敗で終了した。ところが、昇級を争っていた中村(太)もやはり負けて同星の8-2となり、順位の差で昇級という劇的な結果となった。本書は、その順位戦の自戦解説(14567810局目)が中心となっている。
 その他、ページ後半半分くらいで、角交換四間飛車と左穴熊、先手中飛車の3つについて軽い解説がある。

 著者が振り飛車党であるので、タイトルがこうなっていたとしてもまぁ詐欺だとまでは言わないが、手に取って中を読むまではこれが自戦記集だとは気づきにくい。というか気づかなかったorz。後ろに講座があるとはいえ、こういう形式の本はどうなんだろうという気がする。
 もっとも、解説している3つの戦形はそれぞれ力戦形でもあり、実戦譜で解説を補う風になってはいたので、まぁ意味があったのかなとは思う。
 ただ、それならばそれでもう少しリンクを強くしてほしかった。講座と実戦譜の掲載順を逆にして、解説の中で「ここでこう指された場合にはこれで先手が有利になります。詳細は○ページの自戦記を……」くらい書いておくだけでイメージがだいぶ違うはずだ(なんかそれはそれでやっつけ仕事っぽい言い方だが(笑))。

 定跡解説の方は、3つの戦形共にそんなに深い解説ではなく、ちょっと都合がいい手順も多い気がした。例えば、角交換四間飛車で頻出する△3五歩▲同歩△同銀に▲6六角△4四角▲同角△同銀という手順が載っていない。その代わり、判りやすい手順が続くので、戦法の「勝ち方」は判るからそれはそれでいいと思う。初段くらいまでの人は一度読んでみるといいだろう。
 ただ、今はこの3つの戦法については良書も出ているので、本書をあえて選んで読むべきかというとちょっと……と思ってしまう。自戦記集に、ちょっぴりお得なおまけつき、程度の認識でいるのが一番平和なんだろうか。

 正直に告白すると、買う前にパラパラ……とめくって自戦記集であることに気づいて買うのをやめてしまったのであまり強いことは言えないのだが、繰り返しになるがちょっとこういう形式の本というのはどうなんだろう、と思った。まぁ、白砂が棋譜集をあまり評価していないからよりそう思ってしまうのだが、やっぱり棋譜集というのは数は売れないんだろうなぁ。
作成日 2015-01-19 | [その他 ( 実戦譜集 ) , 定跡 ( 振り飛車全般 )]
 最新戦法の話

最新戦法の話 (最強将棋21)
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著者:勝又 清和 / 出版社:浅川書房
出版日:
¥ 1,620 (定価)/49pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月23日 12:40現在)

 現在、プロの間でよく指されている戦法(情けないことにこの文章は2015年に書いているので、8年も前のことになるが)について、どうしてそういう形、手順になっていったのかを判りやすく解説している本。元々、『将棋世界』に連載されていた講座を再編集し、プラス3つの新章を加えている。

 内容は、「矢倉」「一手損角換わり」「8五飛戦法」「藤井システム」「ゴキゲン中飛車」「石田流」「コーヤン流(三間飛車)」「相振り飛車」とバラエティに富んでいる。ほとんどは同時よく指されていたものだが、藤井システムのように「指されなくなった戦法」もある。振り飛車が多いのは、天敵居飛車穴熊対策としていろいろな振り飛車が試されていたからだろう。

 とても高度な内容のはずなのだが、不思議と読みやすい。定跡書ではなく、解説書に近いからだろうか。「プロ間では指されなくなりました」という感じで変化はかなり飛ばして、本筋の変化、新手合戦の部分のみを紹介している。なので、本書を読んでそれらの戦法が指しこなせるというわけではなく、本書を読むと現在のプロの最先端がよくわかる、という本だ。
 それでも、本筋の変化はキッチリと押さえているので、本書でざっくりと流れを押さえておいて、あとでそれぞれの戦法の定跡書を読めば、より深く理解が得られるだろう。本当に丁寧にまとめられている。

 また、戦法そのものの解説だけではなく、プロが将棋をどう捉えているのかについてもよく触れられている。「指し手の優先順位を考え、後回しにできる手は後回しにする」「禁忌はなく、どんな手・形でもきちんと精査する」といった考え方は、実際に将棋を指す上でもとても役に立つだろう。また本書では、プロ棋士達がそういった考えの元で、現実に数々の戦法を進化させていった様が、ドキュメンタリーのように語られる。
 そういえば、本書で特徴的なのは、実際にプロ棋士にインタビューをしているという点だろう。まさにその道のプロに話を聞き、戦法の勘所や新手を思いついた背景など、貴重な話がポンポンと出てくる。プロ棋士間で少し考え方が違っている点なども合わせて楽しめた。

 あとがきには、こんなことが書かれている。
最近のニュースでは説明責任Accountabilityという言葉がよく使われます。私たち棋士はファンに対する「説明責任」をきちんと果たしているだろうかと自問したとき、僕は自信がもてません。特にタイトル戦などトッププロの将棋はひとめですべて理解できるようなものではなく、何度も繰り返し鑑賞することで味わいも深くなります。本書を読み終えたみなさんに「なるほど、そういうことだったのか」「将棋を見る目がかわったよ」と思っていただけるとしたら、ほんの少しだけ説明責任を果たせたということで、これに優る喜びはありません。
 いや、自信を持っていいと思いますよ。少なくとも、本書のような良書が世に出ているということは評価したい。
 7年も後に評価しているから書けることではあるのだが(笑)、元々の連載は現在でも形を変えてまだ『将棋世界』誌で続いている。また、本書をもっともっと判りやすくした、『将棋・序盤完全ガイド 振り飛車編』のような「観るファン」向けの棋書も出ている。そういう流れがあるのは、本書の成功があってのことだと思いたい。
 棋力を問わず、初級者から有段者まで、全てのファンに勧められる良書だと思う。
作成日 2015-01-18 | [定跡 ( 全般 )]
 矢倉5三銀右急戦

矢倉5三銀右急戦 (最強将棋)
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著者:村山 慈明 / 出版社:浅川書房
出版日:
¥ 1,620 (定価)/48pt (Amazonポイント)
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通常1~3週間以内に発送(価格・在庫状況は9月17日 11:44現在)

 タイトルを見ただけで「あぁ、あの形か」と判る人はそれだけで上級者な気がする。というのも、あまりメジャーな戦法ではないと思うからだ。また、形が流れによってかなり変ってしまうので、「あぁ、あの形か」の「あの形」が判りにくい、というのもあるだろう。
 要するに矢倉で後手が早めに△5三銀右と上がって、5筋の歩を交換する形のことである。急戦矢倉の一種ではあるのだが例えば右四間や米長流のようにただガンガン行くだけという戦形ではなく、そういう意味ではプロっぽい戦法なのかもしれない。一時期阿久津流と呼ばれたりもしていた(かな?)。

 この戦法のエポックメイキングは、本書でも「衝撃のW新手」として語られている、羽生-渡辺の竜王戦6・7局だろう。本書では、それまでの5三銀右急戦がどのように指されて結局先手有利で終わったかをまず説明し、続いて上記の渡辺新手の変化を解説。そして、その後どう結論が動いていったかまでが書かれている。
 類書はそんなに多くはなく、というかあるのだが前述の通り形が決まっていないため説明しづらく、形の紹介はあっても変化の解説は少ない、ということが多かったため、これだけまとまった解説がなされているということだけで貴重な一冊と言ってよいと思う。

 ただ、個人的には少し読みづらかった。
 基本的に定跡解説というよりは「実戦譜紹介」に近く、例えば目次にも「第1章 △2二角からの攻防(1989→1999)」とある通り、まずこんな感じで実戦に出ました。最初はうまく行ったが修正手順を指されて先手が有利とされました。次に郷田はこんな改良手を出したがうまくいかず、今度は阿久津がこんな新手を指し……といった感じで進んでいくのだ。
 これが『最前線物語』くらい短いテンポで進めばいいのだが、全編これをやられるとちょっと辛い。手の解説だけであれば、その辺りはいらない状況だからだ。一応、あぁこんなことがあったなそういえば……と感慨に耽りながら(笑)読んではみたが、正直そうやって読むにしては手の説明が詳しすぎる。その辺りが『最前線物語』辺りとの大きな違いだと思う。

 定跡はプロの指しての積み重ねでもあるし、プロがどうやって定跡を作り上げて行ったか、という点に面白さがあるということは、定跡ヲタとして十分に判る。しかし、やりたいことは判るのだが、ちょっと本書においてはカラ回りしてるかなぁ……と感じた。
 そっちの方に重点を置きすぎて、ちょっと本の作り方が甘いかな、とも思ったし。例えば『四間飛車破り 居飛車穴熊編』などは、本書と同じくらい変化を詰め込んでいたと思うが、かなり整理整頓されてそれが紹介されていたと思う。本書には、目次の工夫もフローチャートも図面をまとめたページもない。ただプロの実戦譜が解説つきでどんどん紹介されているのだ。「定跡書」として本書を見た場合、その構成や見せ方は、残念ながら稚拙だと言わざるを得ない。

 何度も言うが、狙いはいいし着眼点もよい。書かれている内容そのものも素晴らしい。
 ただ、評価の通り、棋書として級位者にはとても勧められないし、有段者であっても盤駒なしでザッと読むというのはかなり辛いと思う。
 いっそのこと帯にある「大河小説」のつもりで、変化等を一切深く考えずに、起こった出来事としてまず一読してみるといいのかもしれない。それでそういうプロ間の流れをつかんだ上で、もう一度しっかり「定跡部分」を読み直す。この方が盤駒なしなら読みやすいだろう。一度にやろうとするのはかなりハードルが高い。
 そうでないなら、本書は盤駒を脇に置いて、しっかりと熟読するのがいいだろう。それだけの内容が詰まっている良書だと思う。
作成日 2015-01-17 | [定跡 ( 矢倉 )]
 わかる!勝てる!! 現代中飛車

わかる!  勝てる! !  現代中飛車 (マイナビ将棋BOOKS)
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著者:大平 武洋 / 出版社:マイナビ
出版日:2014-12-13
¥ 1,663 (定価)/50pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月17日 20:36現在)

 元ZONEヲタ現乃木坂46ヲタの大平が解説した中飛車本。ハロヲタの白砂からすると敵以外の何者でもないな(<違う)。
 初手▲5六歩からの先手中飛車に限定して解説している。

 内容はこんな感じ。
先手中飛車の理想形
5五の位を取って、5六銀で支える形。玉は美濃囲い。……という、中飛車の理想形について解説している。その形を作ることが目標であり、後手はそれを阻止するんだ、という流れで本書は進んでいく。
5筋不交換・△7三銀型
先手が5筋の位を取った形から、後手が△7三銀△6四銀と角頭を攻めて来る形。
5筋交換型
▲5五歩△同歩▲同○として捌いてしまう指し方。
後手居飛車穴熊
難敵居飛車穴熊。先手はガンガン攻める。

 元々形を絞っているせいか、とても内容が濃く感じる。それでいて、随所に「ポイント」「注意」といったワンポイントがあるため、読んでいて判りやすい。
 また、中飛車を指すにはどのような心構えで行くべきか、という点についても度々触れているので、中飛車党になりたい級位者は参考になると思われる。単純な定跡や変化の解説に終わっていない。

 細かいことを言えば、編集で押している「指し手を示す矢印」はいらないんじゃないかなぁ、とか、いくつか「ですます体」が変に混じってたなぁ、とか、端歩の解説は序章に入れちゃった方がスッキリしたかなぁ、とかはあるが、本当にその程度。個人的にはフォントや図面の大きさ、行間に至るまで、どんぴしゃのどストライクで、とても読みやすかった。

 確か著者は居飛車党だった気がするのだが(笑)、そんなことを全く感じさせない良書だと思う。これから中飛車を指してみようという人は絶対に読んでみて損はない。
作成日 2015-01-06 | [定跡 ( 中飛車 )]
 居飛車穴熊の教科書


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著者: / 出版社:
出版日:
 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月16日 23:21現在)

 教科書シリーズの一冊。今度は居飛車穴熊を解説している。

 内容は、 となっていて、題材としてはちょっと古い。教科書なので基礎的な話をしましょう、ということなのだろう。

 3段くらいまでの居飛車党は、本書の内容をよく頭に叩き込んでおいてほしい。現在では同じ形になるということはないだろうが、7三の桂や3三の角を攻める手筋や、囲いが完成したら強気に攻めるという距離感は、居飛車穴熊党になるためには絶対に身に着けなければならない内容だ。
 逆に振り飛車党なら、本書の内容を踏まえつつ、だから石田流やゴキゲン中飛車や角交換四間飛車が流行しているという事実を理解してほしい。また、本書の中の「都合のいい手順」を探してみれば、ノーマル振り飛車も意外とやれるんだということがわかるだろう(特に捌き合いになった直後くらいに、振り飛車側の甘い手が目立つ)。
 なお、有段者についてはやや星を落としているが、これはもう常識の範疇なので、必要性があまりないと考えたから。まぁ元々対象棋力を外れているのだから当然といえば当然だろうか。
作成日 2015-01-05 | [定跡 ( 穴熊 )]
 奇襲振り飛車戦法 ~その狙いと対策~

奇襲振り飛車戦法 ~その狙いと対策~ (マイナビ将棋BOOKS)
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著者:飯塚 祐紀 / 出版社:マイナビ
出版日:2014-12-23
¥ 1,663 (定価)/50pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月18日 2:52現在)

 意外とB級戦法の本というのは少ないものだが、本書はB級以前の、まさに「奇襲戦法」を題材にしている。
 なにしろラインナップが、 である。なんだかとても懐かしい感じがした(笑)。

 基本的には、最初に奇襲成功のパターンを紹介し、そのあとで奇襲対策を紹介している。ものすごく大雑把に言ってしまうと、『超急戦!!殺しのテクニック』のような作りである。
 図面をふんだんに使っているのでとても読みやすいが、ページ数の割に変化が薄い気がするのはそのせいなのだろうか。正直なところ、「実戦で使えるか?」と疑問に思ってしまった。本気で変化を書こうと思えば3冊分くらいにはなる気がするので、これだけいろいろな奇襲戦法を紹介しているのであれば仕方がないところだろうか。

 最近では、角交換四間飛車とかゴキゲン中飛車とか、プロの将棋が変態戦法化している感すらある。また、ネットの普及や棋書の充実により、アマチュアでもプロはだしの本格的な序盤を指すようになっている。そのせいか、本書の戦法達を久しぶりに目にして、本当に本当に懐かしさを感じた。有段者の方、立ち読みでもいいから本書を手に取ってみてほしい。
 初級者の方は、本書を読んでみて、一度指してみるのもいいと思う。こういうのは将棋ソフト相手よりは対人の方が有効なので、ネット将棋などで。道場などに行くと嫌な顔をされるかもしれないですしね(笑)。いや、それ以前に、いまだにこういう戦法一本の御仁がいっぱいいるかもしれないな(笑)。
作成日 2015-01-05 | [定跡 ( 奇襲・変態戦法 )]
 横歩取りの教科書

横歩取りの教科書 (将棋の教科書シリーズ)
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著者:畠山 鎮 / 出版社:マイナビ
出版日:
¥ 1,663 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月18日 2:52現在)

 横歩取りの定跡及び終盤の戦い方について書かれた本(一応、中盤編というものもあるのだが、中盤についての解説という感じはしなかった)。

 内容は、△2三歩型の横歩取りから始まって、相横歩取り、8五飛戦法(新山﨑流や△2四飛ぶつけを含む)と、とても広範囲にわたっている。その分個々の内容は簡略化されているが、それでも本筋はしっかりと解説されているので、一通り読めば横歩取りとはどんな戦法かということは理解できるだろう。

 著者がこういう「殴り合い系」の将棋が大好きということもあってか、こういう将棋は面白いからもっとアマチュアの人も指してよ、という主張が強く感じられる。それはとても好感が持てた。ただ、初の著書ということもあってか、少し……ごめんなさい個人的にはかなり、文章がこなれていないと感じた。まぁ、大盤解説などを聞いていると元々こういう言語センスの人なのかなぁという気もするが、ここの語尾はこうだろう、とか、この文章は1文でいいよね、とか、なんだかどうでもいいようなことにすごく目が行ってしまった。
 あと、好きだということはとてもよく伝わったのだが、そのせいか(違うかもしれませんが)本当にギッシリと変化が詰まっている。上記では「簡略化されている」とはいったが、それでも初級者・中級者向けの内容と考えるとかなりのボリュームだと思う。熱血指導だなぁと好意的に捉えてはいるのだが(笑)、図面の使い方に少し難があると感じた。
 例えば、指し手が続いて、ここで後手からうまい手がある、という文章があったとする。この場合、ページの左下などに指了図があって、読者はその図面を見ながら次の一手を考え、そして答え合わせでページをめくる、というのが普通だろう。わざわざそこで「うまい手がある、考えてみましょう」と煽っているわけだし。しかし、本書の場合、そのページに図面が載っていなくて、次ページの右上の大図面しかないのだ。しかも、そこにそこから先の指し手も書いてある。これでは「うまい手がある」という惹き文句が台無しである。
 また、主要な変化であり、①②③などと変化も分かれている局面なのに、図面が1枚もなかったりする。白砂だったらこっちの図面じゃなくてここを使うのになぁ……と、読みながら何度か思ってしまった。これは著者の責任というより、編集が指摘したり考慮したりする部分じゃないのかなぁ。なんかもったいないと感じた。
 編集という点で言えば、項立ての構成も少しおかしい気がした。
 最初でも「中盤編」について触れたが、こういう章分けをする理由がいまいち伝わらない。
 また、各項のタイトルももう少し工夫がほしい。見出しを読んでも自分がいま何の戦形の解説を受けているのかが判りづらい。初級者・中級者向けに取っつきやすくと考えてのことだと思うのだが、タイトルとサブタイトルを使い分けるなどすれば、その辺りはクリアできたのではないかと思う。

 不満点ばかりをあげつらってしまって申し訳ないが、誤解の内容に繰り返しになるが書いておくと、取り上げている戦形や書かれている変化、著者の横歩取りに対する愛情は十二分に感じられる。それだけに、処女作なんだからもう少し編集頑張ってやれよと、そこが残念なのである。白砂が頭の中で再編集した原稿が読みやすく理解しやすいかは保証できないが、それこそ1からリライトしたいくらいに内容は素晴らしい本だった。
 初段くらいまでの居飛車党なら、本書からB級な変化の部分を選んで指してみても面白いだろう。それこそ、著者が言う「面白い将棋」が堪能できると思う。有段者でも、正直購入を薦めるほどに詳しい本ではないが、横歩取り使いではないのであれば、一度は読んでおけば最新形までの過去からの流れが整理されて判りやすく理解できるはずだ。できれば文章などには目をつぶって、符号を中心に追いかけるとより理解が深まるだろう。
作成日 2014-12-30 | [定跡 ( 横歩取り )]
 右四間飛車戦法 四間飛車破りの決定版!

右四間飛車戦法―四間飛車破りの決定版! (スーパー将棋講座)
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著者:先崎 学 / 出版社:創元社
出版日:
¥ 1,404 (定価)/39pt (Amazonポイント)
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<%myrate2()%> (評価:初段~三段)
<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫あり。(価格・在庫状況は9月19日 14:23現在)

 アマチュアに人気の右四間飛車を解説した本。先手右四間vs後手四間飛車の、居飛車vs振り飛車に特化した解説となっている。振り飛車が先手だとか、矢倉vs右四間の相居飛車というのももちろんあるが、それらはスッパリ切り捨てている。単純な戦法ではあるが変化の解説が多いに越したことはないので、この見切りは正解だと思う。
 内容は、居飛車の玉型を3種類に分けている。 急戦は振り飛車のうまい受けがあって不発、という解説を最初に持ってきたのがうまい構成で、解説の「公平感」をうまく出せていると思う。いやいやそんなあざとい読み方をしなくてもという気もするが、まぁこれはテクニックの一つということで(笑)。実際、右四間側が攻略できる変化も数多く紹介しているから、その点は評価できる。

 実はどれも△5四銀型なのでそもそも振り飛車側の受けが限られるとか、穴熊の△6五銀はいろんなタイミングがあるんじゃないのかとか、ツッコミを入れればキリがないだろうが、創元社の初級者向け解説本であることを考えるなら本書くらいの構成でいいと思う。難しい話は上に行ってからで十分で、初級者はまずは攻めの「形」を覚える方が先である。
 ただ、香が5枚あったのはいただけなかったかな……(笑)←ただの誤植。振り飛車が△9五香と走ったのに9一の香を消し忘れていた。

 内容はとても判りやすく、変化の解説も十分にされている。攻め筋の紹介もたくさんあったし、初級者が初めに取る一冊としては良書だと思う。
作成日 2014-12-30 | [定跡 ( 四間飛車 )]
 よくわかる矢倉戦法

よくわかる矢倉戦法
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著者:関根 茂 / 出版社:東京書店
出版日:
¥ 1,575 (定価)/16pt (Amazonポイント)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫あり。(価格・在庫状況は9月16日 21:24現在)

「将棋は歩から」の東京書店の本。
 矢倉を解説しているのだが、なにしろ復刻版なので内容はかなり古い。3七銀戦法を最新と言っているくらい古い。なので、はっきり言ってしまえば棋書マニア以外には意味のない本だと思う。
 4七銀・3七桂の形などを見て懐かしい気分に浸りたい人にはいいのかもしれない(笑)。
作成日 2014-12-27 | [定跡 ( 矢倉 )]
 振り飛車の真髄② 石田流の極意 先手番の最強戦法


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著者: / 出版社:
出版日:
 (定価)
<%myrate1()%> (評価:級位者)
<%myrate2()%> (評価:初段~三段)
<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は9月16日 21:24現在)

 初心者の救世主・鈴木大介が送る石田流解説本。

 内容は、といった感じ。一通りの対策は出揃っているので、本書を読めばとりあえず相手の出方は判る。そして、鈴木大介なので、振り飛車の勝ち方がよく判る。

 7手目▲7四歩のところで△6二金の変化がないとか、左美濃で「省けない」と解説した端歩を居飛車穴熊編では突いていないとか(一応、手数が足りないという理由付けはしているが……)、少し都合のいい変化がないわけではない。
 それでも、これだけの戦形を網羅し、とりあえずでも対応策を載せているのはポイントが高い。このレビューを書いている2014年では、石田流の流行は角交換四間飛車に取って代わられた感があり、そのためかあまり本書が古く感じない。4段前後くらいまでなら、本書の対策だけで結構指しこなせるのではないかと思う。

 本筋の変化だけしか書いていないということもあり、とても読みやすい。
 石田流初心者にはぜひとも勧めたい本。
作成日 2014-08-04 | [定跡 ( 三間飛車 )]
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