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 久保&菅井の振り飛車研究

久保&菅井の振り飛車研究 (マイナビ将棋BOOKS)
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著者:久保 利明、菅井 竜也 / 出版社:マイナビ
出版日:
¥ 1,663 (定価)/16pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は7月19日 22:36現在)

 現在A級唯一の振り飛車党である久保と、最近は居飛車も指していて不純粋な振り飛車党である菅井が、指定局面について自分の意見を述べる、という体裁で書いた本。
 冒頭で言われているように要するに『将棋世界』の「イメ読み」の2人版なのだが、それぞれが独自の見解を述べた後、2人でいっしょに解説する、というフェーズがあるのが新しい点である。

 取り上げるテーマ図は7種22テーマ。ちょっと数は多いが羅列すると……
ゴキゲン中飛車
超速の変化から、「菅井新手△2四歩」と「▲4六銀△4四銀対抗形」。▲5八金右の超急戦から、▲3三香の変化。両者の見解が一番分かれているのが本章だと思う。菅井が意外と「やれない」と考えていることに驚いた。指した当人なのに(笑)。
石田流
4手目△3二飛と、似たような変化で早石田に組んだ形。先手石田流で▲6五歩△同歩▲同桂と攻める形。
角道オープン四間飛車
角交換四間飛車の藤井手筋である▲2四歩に対する△2二歩という受けについて。もっと言うと、△3一金という形にも触れている。あとは、早い▲4六歩に向かい飛車にせずそのまま四間飛車で後手から攻める形と、藤井-羽生戦の向かい飛車+筋違い角の局面。
向かい飛車
ダイレクト向かい飛車に▲6五角とする形。対向かい飛車で▲2八飛と戻る「菅井流2手損居飛車」。升田流向かい飛車を更に斬新にアレンジした「久保流急戦向かい飛車」。……升田流向かい飛車っていうのが死語かなぁ(笑)。
先手中飛車
先手が5筋と7筋の位を取って、▲5六飛とする形。電王戦の菅井vs習甦戦。超速とは違うが、▲6六銀△6四銀と、銀がにらみ合う形。
相振り飛車
▲8五歩としておきながら▲6八飛と回る西川流▲8五歩型四間飛車。先後同形の相金無双。後手が早い段階で△4四角として、端攻めを含みにする向かい飛車。
昭和の定跡
山田定跡、鷺宮定跡、▲4五歩早仕掛け、棒銀の4つの急戦策。
 かなりのボリュームで、それぞれ興味深い局面が並んでいる。

 最先端の形が多いが、中には「いくらなんでもこれはテーマとしてピンポイントすぎないか」というものもあった。例えば石田流先手番の変化とか。これが通らないと振り飛車側はかなり手前で変化する必要があるので、重要なテーマではあるのだろう。それは判るのだが、いかんせんレアすぎる気が(笑)。また、逆に角交換四間飛車の変化で▲2四歩に△2二歩という形は? と聞かれても、そんなん知らんがなという感じになってしまいそうで、もう少しなかったのかいいテーマは、と思った。藤井-羽生戦もかなりなレアケースで、あまり「テーマ」という感がなかったし。
 と、いくつか不満があったものの、大部分のテーマは素直に楽しめた。
 特にヒットだったのが最後の「昭和の定跡」の章で、居飛車穴熊以降の世代である菅井と、居飛車穴熊以前の世代である久保の感想の違いにはビックリした。特に菅井。「急戦の定跡は知らない」「でも玉が固いし捌けているから振り飛車がいいでしょ」のオンパレード。読みながら何度も微笑んでしまったけれど、実は昔の振り飛車ってそうだったんだよね。なんだか「振り飛車のよさ」に改めて気づかされた感じがした。まぁ、居飛車穴熊以前の世代でありながら、7七桂戦法を指しているせいで△3二金という形に何の違和感も持たないという、ある意味両方の気持ちが判る人間なので、よりいっそう楽しめたのかもしれないが。

 もう少し個人的なことを言わせていただくと、本書を読んでから少しだけ細かく分析してみて、実は白砂は久保派の振り飛車党だったんだなぁ……と思った。感覚というか、局面の良し悪しの捉え方がなんとなく似ているように感じたのだ。
 例えば、本書の中で、同じ振り飛車党の藤井の名前が何度か出てくるが、どちらかというと「別のカテゴリ」的な扱いをされている(ように思えた)。「これは藤井だから指しこなせる」とか「藤井はこの局面がいいと思っている」とか。藤井を振り飛車党の第一人者としてリスペクトしつつも、自分の感覚だとちょっと違う、同じ振り飛車党でもやっぱり違う、という認識なのだな、と感じた。で、そうやって分類すると、白砂は振り飛車党でもどちらかというと久保寄りなのかなぁ……と。局面の感じ方についても、例えば▲6五角急戦とかゴキゲン中飛車の超急戦なんかが実はイヤだとか、攻めとというよりは捌きが好き、みたいな、そういう感じが似ていると思った。

 そういう視点で見てみると、本書には振り飛車党のスピリッツがそこかしこに出ていて、初段くらいの振り飛車党であれば、細かい変化はすっ飛ばして2人の掛け合いを一読するだけで間違いなく強くなると思う。振り飛車党から見て、どういう局面を「捌けている」「こっちが指しやすい」と捉えるものなのか、大局観がきっと身につくだろうから。
 掛け合いと言えば、本書の2人のやりとりもとても楽しめた。特に、電王戦の菅井vs習甦戦あたりのくだりは必読である。できればこれは映像化すべきなんじゃないのかと本気で思ってしまったが、カメラが入るとすがちゃんはダメなのかなぁ……と思い直してその考えはすぐ捨てた(笑)。
 級位者くらいだと少し難しい内容かもしれないが、少しガマンしてでも、上記のように難しい変化は読み飛ばしてでもいいから、振り飛車党であれば一度は読んでみてほしい。有段者にとっても参考になるだろう。良書だと思う。
作成日 2015-02-06 | [総合 ( 大局観 )]
 谷川浩司の本筋を見極める


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著者: / 出版社:
出版日:
 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月15日 10:27現在)

 著者が、自身が務めたNHK将棋講座をまとめたもの。
 序盤、中盤、終盤それぞれについての基礎的な知識と考え方が書かれている。

 内容は、 といったところ
 講座で細切れに解説する必要があったからなのだろうが、コンパクトにうまくまとまっていると思う。

 個人的には、中盤での形勢判断法として紹介されている「働いている駒をカウントして、多い方が有利」という簡便法が目からウロコだった。もちろん、ものすごい正確な判断法でないことは少し考えれば判ることではあるのだが、初心者にとって大事なのは「形勢判断をする」ことそのものなのだから、その方法はできるだけ簡単な方がいいに決まっている。遊び駒は悪いものであるということも分かるし、これはいい方法だと思った。

 また、これは一例だけだったのだが、駒の損得と形勢判断について、とても詳細に解説しているのもよかった。

 第1図。▲2三歩成というおいしい手が見えるが、それに飛びついていいのか? という問題だ。
 ▲2三歩成に△同金▲同飛成は先手がおいしすぎる展開でそう進めばなんの問題もないのだが、当然後手は反発してくる。▲2三歩成に対して、△2五歩▲同飛△3四銀(第2図)という手順である。
 これで飛車と「と金」の両取りで、後手は受け切ることができる……と、まぁよくある入門書だと解説はここで打ち切りだろう。もう少し踏み込んで、▲3二と△2五銀(第3図)と進んだ局面を解説するくらいか。先手は金と歩を取って、プラスと金を作った。後手は飛車を取った。この取引ならまぁ互角くらいでしょう、と。
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 しかし本書では、第3図から「今後、先手のと金や後手の持ち飛車がどう働くか」を示し、そこまで踏み込んで形勢判断を考えよう、としているのだ。
 具体的には、 と、こういう具合に話を進めている。
 初級者どころか、中級者くらいであってもかなり高度な話だと思うのだが、しかし、こういう風に形勢を判断していくことはとても大事なことだとも思う。たった一例ではあるけれども、基礎的な解説の中にも、このような上級者になるための指針のようなものが書かれているのはすごいと思った。
 その他にも、「美濃囲いで飛金と角銀、どちらを渡しても大丈夫か考えるべき」など、中級者以上の人にも参考になる内容も数多い。
 タイトル通り、まさに「本筋を見極める」内容の数々。級位者はもちろん、3段くらいまでの人は、一度は手に取ってみる価値はあると思う。
作成日 2015-01-06 | [総合 ( 大局観 )]
 阿久津主税の中盤感覚をみがこう

阿久津主税の中盤感覚をみがこう (NHK将棋シリーズ)
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著者:阿久津 主税 / 出版社:日本放送出版協会
出版日:
¥ 1,260 (定価)/39pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は7月15日 23:46現在)

「アッくんの、めぢからあ(棒)」でお馴染みだった(そうか?)アッくんこと阿久津主税のNHK将棋講座が本になったもの。
 講座は見ていたのだがテキストは買っていなかったので、どれくらい加筆されているのかどうかは残念ながら判らない。

 内容は、中盤での戦い方の解説、ということになっているが、升田式石田流の形から▲7七銀~▲8六歩と攻めるものや、矢倉▲3七銀戦法で▲1五歩と端歩を詰めた場合の攻め方や▲6五歩と突く宮田新手など、定跡の続きといったものも少なくない。もちろん中盤での戦い方であることに変わりはないのだが、『金言玉言新角言』とか『羽生の新格言集105』みたいな本を期待するとちょっとがっかりするだろう。
 むしろ、有段者用の突き詰める定跡書ではなく、そういう定跡書で「この手は後手不利になる」とさらっと書いてあるところを補足する、といった趣が強い。

 それぞれの項頭に見開きでポイントの局面を載せ、「いい局面」「悪い局面」を事前に提示したり、その局面の差を判りやすくするために悪い局面の方はグレーの網掛けで表すなど、細かい部分にも気を使ってわかりやすく表示しようと頑張っている意志を感じた。本文の行間を通常よりやや広くして見やすくしてあるようにも感じたし、フォントやポイント数などもかなりいろんな種類を使っている気がする。それらが合わさって非常に「見やすい」本になっていて、これは評価したい。
 ただ、ちょっと不満だったのが、見開きの部分の「悪い局面」のところ。全部で6図面あって、いい局面悪い局面が3図ずつある。基本的には1対1に対応している(こう指すのがいい、というのと、こう指しちゃだめ、というのが対応している)のだが、場合によっては悪い局面が進んでいく過程を表していくときがある。悪い局面1があるとして、そのまま進むと局面2、さらに進んで局面3、といった具合だ。これは、さきほどの説明にある1対1とは違う表現法になっている。
 矢印で流れが表現されているので、ちゃんと読めば判ることなのだが、ここはちょっとムリでも統一してほしかった。それか、もう少し矢印を大きくして「対応」なのか「流れ」なのかを明確にするとか。ちょっと意地悪なことに、2図面は流れで1図面は対応、なんていう場合もあったりするのだ(P.226など)。

 まあそんな細かい部分が逆に気になってしまうくらい、「ちゃんとした」本に仕上がっていると思った。もう少しこの形式のレイアウトの本が出てもいいんじゃないだろうか。「棋書アレルギー」の人にこそ読んでほしい一冊だ。
作成日 2011-09-12 | [総合 ( 大局観 )]
 阿部隆の大局観・良い手悪い手普通の手

阿部隆の大局観―良い手悪い手普通の手
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著者:阿部 隆 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,365 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は7月16日 13:55現在)

 NHK将棋講座の内容をまとめた本。
 なぜか知らないが、毎コミからの出版となっている。ひょっとすると若干内容が増えたりしているのかもしれないが、目次にも「NHK将棋講座を元に……」とあったし、何回か見た講座の内容とは合致している。よく判らないのでこの辺は考えないことにしよう。

 内容は書名通り「大局観を養う本」になっている。
 3択形式で出題し、その手がなぜいいか、なぜ悪いかを解説する。また、ところどころに「ポイント」という項が設けられていて、重要なポイントを解説してくれる。

 著者が居飛車党のため、対抗形はすべて居飛車の立場で書かれているし、相居飛車はあるが相振り飛車はない。矢倉も3七銀戦法と脇システム(!)、横歩取りは8五飛戦法と、講師の立場に立って書かれたものであることが判る。大局観を養うという点ではすべての層の人に読んで欲しいが、振り飛車党が読んでも鬱になるだけかもしれない(笑)。
 この辺りはこの手の本で問題となるところで、例えば居飛車党の大局観と振り飛車党の大局観は、微妙に、しかし根っこのところで完全にズレている。まぁだからこそ各種の戦法が存在しそれを得意にしている人がいるわけなのだが、では、居飛車党の立場に立って書かれた大局観の本が、振り飛車党の立場にどれだけ役に立つかというとこれまた微妙だ。

 もっとも、本書についてはそういう懸念はない。対象棋力がやや下に設定されているため、戦法の問題ではなくまずは正しい大局観の捉え方考え方を見につけましょう、という内容になっているからだ。
 対象棋力は高く見積もっても3段まで、一般には、初段くらいが対象だと思われる。それ以上の棋力の人は、本書はあまり必要がない。題材も最新形ではないし、本書で書かれていることは有段者ならすでに身につけていなければならないことだろう。 逆に、定跡書を何冊も読んでるのに勝てない、という級位者の人は、まずは立ち読みで最初だけでも読んでみて欲しい。おそらく何か得るものがあるはずだ。

 中級者向けの非常にいい本だと思うのだが、一つだけ苦言を呈したい。
「ポイント」を出してくれるのはいいのだが、その「ポイント」という表示が非常に目立たない。せっかくのポイントなのだから、もう少し太字で書くとか(一応太字にはなっている)、背景をグレーにするとか、もう少し工夫をして欲しかった。
 これもとりあえず店頭で確認してみて欲しい。せっかくのポイント表示が、かえってキツキツのレイアウトを際立たせてしまっている。じゃあどうすりゃいいんだよというと(文字数の問題もあって)難しい問題なのだが、本書の対象棋力くらいの人に対しては「読みやすく読ませる」工夫も必要だろう。
作成日 2006-01-08 | [総合 ( 大局観 )]
 上達するヒント

上達するヒント (最強将棋レクチャーブックス(3))
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著者:羽生 善治 / 出版社:浅川書房
出版日:
¥ 1,365 (定価)/43pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は7月19日 22:45現在)

 将棋を指す時の大局観とか考え方について、羽生が解説した本。
 いつだったか会社の厚生部のイベントに無理矢理狩り出されてねずみランドまで行かされて、「俺はこんなとこ嫌いじゃあ!!」とか言って速攻で新森ビルに遊びに行って、そのついでに寄った八重洲ブックセンターで『羽生の奥義』とかいう本を見つけて中を見てみたら外人向けの解説かなにかが書いてあって、どうもその本を一冊にまとめたものらしい(長ぇよ)。

 内容としては、先崎の『ホントに勝てる~』シリーズを将棋全般に拡充したような感じだ。位とか捌きといった概念をなるべく言葉で説明しようという意図が感じられた。随所に「~か判れば有段者」といった記述があるように非常に難しい作業だったと思うのだが、なかなかうまくいっていると思う。
 大人のための入門書、という体ではあるが、読み進むとともに対象棋力も上がっていくので、実際には初段くらいないと全部を理解するのは難しいかもしれない。初心者向けではなく、初級者、中級者向けの本だろう。

 将棋の概念は口で説明するのが本当に難しいのだが、それに果敢に挑戦した本だと評価したい。
 もっとこういう本が出れば、アマチュア棋力の底上げにもなると思う。
作成日 2005-02-10 | [総合 ( 大局観 )]
 役に立つ将棋の格言99

役に立つ将棋の格言99 (週将ブックス)
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著者: / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,365 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月17日 22:22現在)

『金言玉言新角言』『大覇道伝説』などの流れをくむ「実戦的格言」本。

 今回もまた、実戦的な格言が多く出てくる。
 格言が99コもあるので、これは少し無理がないか……というものもいくつかあった。これだけの実戦的格言を取り揃えるのは大変だったろうから、その辺は察してあげるのが大人というものだろう(笑)。

 大会前などに、パラパラとめくるだけで、なんとなく力がつきそうに感じる本だ。
 白砂は昨日見つけてそのまま買ってきたのだが、就寝前のローテーション読書を計画している。見開き構成になっているので、数分間の読書にはもってこいだ。
作成日 2004-07-19 | [総合 ( 大局観 )]
 金言玉言新角言

金言玉言新角言―実戦に役立つ新格言集 (MYCOM将棋文庫)
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著者: / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 735 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月14日 0:30現在)


『大覇道伝説』と同じく、大局観、局面の考え方について書かれた本。もう刊行されてからずいぶん経つのだが、素材が定跡のように日々変わるわけではないだけに今でも十分通用する。
 実戦から遠ざかっている社会人は必読である。

 大会の日、会場に向かう電車の中でよく読んでいた。なんかそれだけで力が出てきそうな本である。良書と思う。
作成日 2003-09-14 | [総合 ( 大局観 )]
 谷川浩司の戦いの絶対感覚

谷川浩司の戦いの絶対感覚 (最強将棋塾)
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著者:谷川 浩司 / 出版社:河出書房新社
出版日:
¥ 1,470 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月19日 22:45現在)


「戦いの絶対感覚」シリーズから、ついに待望の谷川版が出版。
 どんな内容なんだと期待して、立ち読みだけでは飽き足らず結局買ってしまいました(笑)。

 で、内容なのだが……。

ち ょ っ と 残 念

 谷川自身の実戦譜を元にしている、という部分もあるのかもしれない。しかし、それにしてもなんとなく解説に既視感がある。どこかで聞いたような解説ばかりなような気がする。
 しばらく読み進めて、わかった。
 観戦記を読んでいるときと、まったく同じ空気なのだ。

 今までの「戦いの絶対感覚」シリーズは(特に最初の佐藤本森内本は)、まさに「感覚」の部分を解説してくれたように思う。ところが、前回の羽生本あたりからだと思うのだが、単に実戦譜を解説してるだけやん、みたいな感じに変化している気がする。
 特に谷川の場合、その鋭い攻めは谷川ならではという感が強いので、よりいっそう普遍的でない解説になっている。なので、どうしても「この呼吸を会得しよう」ではなく「おーすげー」となってしまって、これが自分の血肉になるのか疑わしくなってくるのだ。

 読んでまったくためにならない、とまでは言わない。
 ただ、これを読んだから強くなると断言できるか……というと、ちょっと疑問だ。
 ちょっと邪道な感はあるが、谷川の好プレー集として読むと楽しめると思う。
作成日 2003-05-21 | [総合 ( 大局観 )]
 羽生善治の戦いの絶対感覚

羽生善治の戦いの絶対感覚 (最強将棋塾)
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著者:羽生 善治 / 出版社:河出書房新社
出版日:
¥ 1,470 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月19日 8:38現在)


 絶対感覚シリーズ第3弾。シリーズ決定版ともいうべき羽生の登場である。

 しかし、正直に感想を言うと「物足りなかった」。
 今までの2冊(佐藤本森内本)に比べて、キレがあまりない感じがするのだ。
 題材の選び方が白砂の肌に合わなかっただけかもしれないが、なんとなくよくある局面のよくある解説を聞かされている感じがした。
 それでも、大局観というものを考えるうえで有効な指針が数多く含まれていることは間違いない。このシリーズ、ここで打ち止めになっている感じがするが、できればもっと他の棋士のものも読んでみたかった。
作成日 2001-11-20 | [総合 ( 大局観 )]
 これで簡単形勢判断

これで簡単 形勢判断
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著者:高野 秀行 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月14日 14:29現在)


「大局観」に関する著書は意外と少ないが、その最新刊になると思う。『これにて良し? 四間飛車VS急戦定跡再点検』の続編といってもいい内容である。
 基本的なコンセプトは前回と変わらない。従来から言われている形勢判断の4つの要素……駒の損得、玉型、駒の働き、手番……を分析して、現在の局面の形勢判断をするというものである。初級者にとっては大事なことなので、本書を読んで勉強するのはいいと思う。

 ただ、題材が「ありきたり」というかそんなにたいしたものではない(と白砂は感じた)ので、初段以上の人が改めて読むのはどうだろう、という気がした。いくつか面白い変化はあったので損はしないと思うが、かといっておぉそうかと感銘を受けるほどではない。
 個人的に言わせてもらえば、本当にプロが本書のような形勢判断法をもって形勢判断を行っているのかどうかが気になる。なんかこの4つの要素というのは「使い古された感じ」がしてしまうのだ。
 例えば、「駒の働き」という項目。なにをもって働いているかをどうやって判断するか、というのが形勢判断方のひとつだと白砂は思うのだがどうだろう。「それがわかりゃ苦労しねえんだよ」みたいな(笑)。非常に抽象的だと思う。
 逆にプロになればなるほどそういう部分は「感覚」でわかるようになってくるので、それを文字にして伝えるのは難しいのだとは思う。しかし、初級者の底上げのために本当に役立つのはそういう感覚の部分を数値化・言語化することだと白砂は考えている。その点、ちょっと本書には不満がある。

 もちろん、それこそ「それができりゃ苦労しねえんだよ」というプロの声が聞こえてきそうな贅沢な要求なのだが(笑)。
作成日 2001-09-28 | [総合 ( 大局観 )]
 将棋の公式

復刻版 将棋の公式
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著者:加藤 治郎 / 出版社:東京書店
出版日:
¥ 1,575 (定価)/16pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は7月14日 14:29現在)


 これを知っている人は相当古い人か、さもなくば「通」であると断言する。

『将棋は歩から』の加藤治郎名誉九段(確か死んでこうなったと記憶している)の、1981年の著書である。
 内容は『将棋は歩から』に劣らず高度なもので、将棋を指すうえでの基本的な考え方を講義している。こういう類の素材は時が経っても色あせるものではなく、また、加藤名誉九段の将棋に対する姿勢も手伝ってか、現在でも立派に通用する内容になっている。

 将棋とは高等数学である。そして数学とは、公式を組み合わせて解いていくものである(というか、数学を判りやすくしているのが公式である)。プロが短時間の読みでも最善手を逃さないのは、この公式に基づいて考えているからであり、弱い人が長く考えても悪手を指すのはこの公式が理解できていないからである。だからこそ、定跡や寄せなどの「末端」の知識よりも、将棋の「本質」に直結する公式を理解するべきである……と、長くなったがこれが本書の基本姿勢である。
 目次を見ればそれが判るだろう。
 本書では公式を大中小に分け、大型公式と中型公式について解説している。内訳はそれぞれ、 となっている。
 言葉だけでは意味がわかりにくいものもいくつかあるが、有段者であればなにを言わんとしているかは判るはずだ。これだけ重要な問題をまるまる一冊かけて丁寧に解説してくれるわけである。
 また、『将棋は歩から』もそうなのだが、棋書には珍しく二色刷り&横書きである。図面が本物の盤駒と同じ色というのも凄いし、横書きの棋書なんてこの本くらいだろう。これは想像だが、先に出た「将棋は高等数学」を意識してのことと思われる。
 これを見つけたのは、確か大和の古本屋だったと思う。古本屋での値段は400円だったが、その何十倍分もの知識をこの本からはもらった。

 おそらくほぼ間違いなく絶版だと思う。こんな良書を埋もれさせるとは、一人の愛棋家として本当に情けない限りだ。


付記:本書は2000年に復刻された。一人の愛棋家として本当に嬉しく思う。
作成日 2001-01-10 | [総合 ( 大局観 )]
 実戦!!森内の次の一手 勝利の三段論法、優駿流ここでどう指す

実戦!!森内の次の一手―勝利の三段論法、優駿流ここでどう指す
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著者:小暮 克洋、森内 俊之 / 出版社:主婦と生活社
出版日:
¥ 998 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月19日 22:45現在)


 森内優駿流(どうもこのネーミング好きになれないんだけどなぁ……)シリーズの一冊。現状を正しく認識し、それを踏まえてどうすべきか方針を立て、指し手を決定するという考え方の本である。
 一度読んでみるのはいいかもしれないが、そんなに凄い本でもないなぁ……というのが正直な感想。ただ、初段直前くらいの人で、「茫洋とした局面でどう指せばいいか判らない」と感じている人は一度手にとって見るといいかもしれない。なにか発見があるかもしれない。

 ……かも、だけど。
作成日 2000-09-04 | [総合 ( 大局観 )]
 イナズマ流逆転術

イナズマ流逆転術
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著者:森 ケイジ / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月14日 14:29現在)


『終盤の魔術師』森9段が書いた「逆転術」の解説書。

 ……と聞くと面白そうなのだが、実戦での逆転劇を見せられても、それを体系化できんのかい、という疑問が残る。まぁ、本書はそこそこうまく分類整理している方だと思うので、読んでいて苦にはならない。

 ただ、苦にはならないのだが、立ち読みならいいけど買うほどでもないなぁ……というのが本音である。申し訳ない。
作成日 2000-07-30 | [総合 ( 大局観 )]
 佐藤康光の戦いの絶対感覚

最強将棋塾 佐藤康光の戦いの絶対感覚 (最強将棋塾)
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著者:佐藤 康光 / 出版社:河出書房新社
出版日:
¥ 1,470 (定価)
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<%myrate2()%> (評価:初段~三段)
<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は7月16日 9:52現在)


 序盤中盤終盤の各局面での考え方について、佐藤康光の考え方を解説していくことによって習得しようという内容。『読みの技法』の佐藤先生特別レッスン版といえばいいだろうか。

 非常に高度な内容なので、有段者でないと理解できないかもしれない。懇切丁寧に解説しているようでいて、基本的な大局観などは「すでに持っているもの」として解説しているので、基本ができていない人が読んでもきっとチンプンカンプンだと思う。そういう意味では非常に読者を選ぶ本である。
 もっとも、佐藤の大局観を解説してもらっているわけなのだから、簡単なわけがない。これは仕方がないというものだろう。
作成日 2000-01-20 | [総合 ( 大局観 )]
 読みの技法

読みの技法 (最強将棋塾)
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著者:島 朗、羽生 善治、佐藤 康光、森内 俊之 / 出版社:河出書房新社
出版日:
¥ 1,365 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月16日 9:52現在)


 島八段が出題する局面について、羽生・佐藤・森内の三者が自分の「読み」を披露する。局面は漠然としたものが多く、次の一手のように厳然たる正解が存在するものではない。つまり、トッププロの三者が「実戦でどう読んでいるか」が正直に書かれているのである。
 実際にその局面に出会った時、どういう風に読みを展開していくのがいいのか。棋風の違いなども考慮しつつ読むと読み物としても楽しめる。

 このシリーズは全体的に有段者向けに書かれているので級位者には辛いかもしれないが、それでもできれば手に取ってほしい。
 もちろん、有段者は必携である。
作成日 1999-03-25 | [総合 ( 大局観 )]
 週刊将棋の伝説シリーズ4 大覇道伝説

大覇道伝説〈秘法巻之参〉 (秘法 (巻之3))
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著者: / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,020 (定価)
<%myrate1()%> (評価:級位者)
<%myrate2()%> (評価:初段~三段)
<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は7月16日 13:55現在)

 定跡をなぞって進行している間は、将棋を指していてもあるていど気が楽なものである。
 しかし、一度定跡を離れると、自分の大局観と読みがすべてを決めることになる。これは楽しくもあるが、同時にとても怖いことだ。特に「腕力」に自信がない人にとっては、その恐怖感はより強いものになる。
 本書は、そういった定跡を外れた局面、漠然とした場面での指針を解説したものである。特定の戦形に限らず、序盤での差し手争い、中盤でのもみ合い、終盤での競り合いすべてについて解説をしているので、非常に「お得感」が強い。

 大局観という形にしにくいものを表現することに挑戦し、そして成功した良書と思う。
作成日 1991-09-20 | [総合 ( 大局観 )]
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