四間飛車の急所 (4) 最強の4一金型 (最強将棋21)
著者:藤井 猛 / 出版社:浅川書房
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(評価:級位者)
★★★(評価:初段~三段)
★★★★★(評価:四段以上)
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『四間飛車の急所』シリーズ第4弾。
 今回は後手四間飛車側が△5二金左を保留した形を解説する。

 形自体はそれこそ大山時代からあった指し方で、部分的な裏技としてはいくつかの棋書でも散見できる。有名なところでは、対右四間飛車で▲1一角成△3一金として後手有利、というものがある……といって判る人が意外と少なかったりして……。
 白砂の個人的なことを言うと、学生時代に高井さんがこの形を得意にしていて、急戦を袖飛車で破って勝星を荒稼ぎしていた。居飛車穴熊が出てしばらくの頃で、その頃は「鷺宮定跡」誕生などもあり、まだ急戦も多く指されていたものだった(<遠い目)。

 まぁ、とにかく4一金型。
 基本的なコンセプトは、△5二金左としないことにより、盤面右側に金を応援に出しやすくし、急戦を正面から受け止めようというものだ。また、△5四歩△6四歩といった歩を突かないことにより、△6四角とか△5四銀といった通常の定跡では生じない筋が発生することもある。もちろんこれはメリットばかりではなくデメリットもあってなんとも言えないところだが。
 矢倉において飛車先不突きが誕生したように、金上がりを保留することによって、居飛車の態度に合わせてこちらの体勢を変化させることができる。これが本書の4一金型の狙いである。

 そういう事情であるので、できれば、というか必ず2/3巻は読んでおかなければならない。「従来の形と比べて」という比較が多々発生するからだ。形は全然違うが、高田流新戦略3手目7八金と同じように、少しでも得をしようという志向レベルの高い形である。

 内容は、そういう事情もあってか意外と薄い。
 いや、こういう言い方は語弊があるか。比較対照という作業が多いため、新しく変化を覚えるという感じにはならないので、そんなに苦にならずに読めるのだ。少なくとも、既刊の2冊を読みこなせるレベルであれば本書はラクに読めるだろう。
 もっともここが評価の難しいところで、ということは前2冊をきちんと理解せず本書を読んだ場合、どの程度それが「役に立つ」かというと疑問なのだ。もちろん本書だけ読んで4一金型の優秀性を理解し、4一金型だけを指す、ということは十分に可能だ。ただ、それができるのであれば前2冊はラクに読めるはずだし、ということはやっぱり本書は難しいのか……。
 評価が難しいので、とりあえず「そこそこ大変」とだけ覚悟して下さい(<をい)。

 本書の特徴は、今までになかった「実戦編(という名称ではないが)」がついたところだろうか。

 今までのシリーズでは、仮にそれが実質的に実戦解説であっても、形としては定跡解説の体だった。
 しかし、4一金型は「少しの違い」がたくさん生じる実戦的な戦法のためか、全ての形を網羅的に解説という形にはしづらい。そこで、戦い方考え方だけでも判ってほしい、ということで、実戦編を設けたのだろう。
 厳しいことを言ってしまうと、煩雑であってもきっちりと「定跡」を作ってほしかったな……と思うのだが。

 以上のように、本書はかなり高度な内容になっている。
 初段くらいでは厳しい。きちんと読みこなせれば3段クラスにはなっていると思う。

(2005.3.30 記)

作成日 2005-03-30 | [総合]




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