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 久保&菅井の振り飛車研究

久保&菅井の振り飛車研究 (マイナビ将棋BOOKS)
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著者:久保 利明、菅井 竜也 / 出版社:マイナビ
出版日:
¥ 1,663 (定価)/30pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月23日 12:43現在)

 現在A級唯一の振り飛車党である久保と、最近は居飛車も指していて不純粋な振り飛車党である菅井が、指定局面について自分の意見を述べる、という体裁で書いた本。
 冒頭で言われているように要するに『将棋世界』の「イメ読み」の2人版なのだが、それぞれが独自の見解を述べた後、2人でいっしょに解説する、というフェーズがあるのが新しい点である。

 取り上げるテーマ図は7種22テーマ。ちょっと数は多いが羅列すると……
ゴキゲン中飛車
超速の変化から、「菅井新手△2四歩」と「▲4六銀△4四銀対抗形」。▲5八金右の超急戦から、▲3三香の変化。両者の見解が一番分かれているのが本章だと思う。菅井が意外と「やれない」と考えていることに驚いた。指した当人なのに(笑)。
石田流
4手目△3二飛と、似たような変化で早石田に組んだ形。先手石田流で▲6五歩△同歩▲同桂と攻める形。
角道オープン四間飛車
角交換四間飛車の藤井手筋である▲2四歩に対する△2二歩という受けについて。もっと言うと、△3一金という形にも触れている。あとは、早い▲4六歩に向かい飛車にせずそのまま四間飛車で後手から攻める形と、藤井-羽生戦の向かい飛車+筋違い角の局面。
向かい飛車
ダイレクト向かい飛車に▲6五角とする形。対向かい飛車で▲2八飛と戻る「菅井流2手損居飛車」。升田流向かい飛車を更に斬新にアレンジした「久保流急戦向かい飛車」。……升田流向かい飛車っていうのが死語かなぁ(笑)。
先手中飛車
先手が5筋と7筋の位を取って、▲5六飛とする形。電王戦の菅井vs習甦戦。超速とは違うが、▲6六銀△6四銀と、銀がにらみ合う形。
相振り飛車
▲8五歩としておきながら▲6八飛と回る西川流▲8五歩型四間飛車。先後同形の相金無双。後手が早い段階で△4四角として、端攻めを含みにする向かい飛車。
昭和の定跡
山田定跡、鷺宮定跡、▲4五歩早仕掛け、棒銀の4つの急戦策。
 かなりのボリュームで、それぞれ興味深い局面が並んでいる。

 最先端の形が多いが、中には「いくらなんでもこれはテーマとしてピンポイントすぎないか」というものもあった。例えば石田流先手番の変化とか。これが通らないと振り飛車側はかなり手前で変化する必要があるので、重要なテーマではあるのだろう。それは判るのだが、いかんせんレアすぎる気が(笑)。また、逆に角交換四間飛車の変化で▲2四歩に△2二歩という形は? と聞かれても、そんなん知らんがなという感じになってしまいそうで、もう少しなかったのかいいテーマは、と思った。藤井-羽生戦もかなりなレアケースで、あまり「テーマ」という感がなかったし。
 と、いくつか不満があったものの、大部分のテーマは素直に楽しめた。
 特にヒットだったのが最後の「昭和の定跡」の章で、居飛車穴熊以降の世代である菅井と、居飛車穴熊以前の世代である久保の感想の違いにはビックリした。特に菅井。「急戦の定跡は知らない」「でも玉が固いし捌けているから振り飛車がいいでしょ」のオンパレード。読みながら何度も微笑んでしまったけれど、実は昔の振り飛車ってそうだったんだよね。なんだか「振り飛車のよさ」に改めて気づかされた感じがした。まぁ、居飛車穴熊以前の世代でありながら、7七桂戦法を指しているせいで△3二金という形に何の違和感も持たないという、ある意味両方の気持ちが判る人間なので、よりいっそう楽しめたのかもしれないが。

 もう少し個人的なことを言わせていただくと、本書を読んでから少しだけ細かく分析してみて、実は白砂は久保派の振り飛車党だったんだなぁ……と思った。感覚というか、局面の良し悪しの捉え方がなんとなく似ているように感じたのだ。
 例えば、本書の中で、同じ振り飛車党の藤井の名前が何度か出てくるが、どちらかというと「別のカテゴリ」的な扱いをされている(ように思えた)。「これは藤井だから指しこなせる」とか「藤井はこの局面がいいと思っている」とか。藤井を振り飛車党の第一人者としてリスペクトしつつも、自分の感覚だとちょっと違う、同じ振り飛車党でもやっぱり違う、という認識なのだな、と感じた。で、そうやって分類すると、白砂は振り飛車党でもどちらかというと久保寄りなのかなぁ……と。局面の感じ方についても、例えば▲6五角急戦とかゴキゲン中飛車の超急戦なんかが実はイヤだとか、攻めとというよりは捌きが好き、みたいな、そういう感じが似ていると思った。

 そういう視点で見てみると、本書には振り飛車党のスピリッツがそこかしこに出ていて、初段くらいの振り飛車党であれば、細かい変化はすっ飛ばして2人の掛け合いを一読するだけで間違いなく強くなると思う。振り飛車党から見て、どういう局面を「捌けている」「こっちが指しやすい」と捉えるものなのか、大局観がきっと身につくだろうから。
 掛け合いと言えば、本書の2人のやりとりもとても楽しめた。特に、電王戦の菅井vs習甦戦あたりのくだりは必読である。できればこれは映像化すべきなんじゃないのかと本気で思ってしまったが、カメラが入るとすがちゃんはダメなのかなぁ……と思い直してその考えはすぐ捨てた(笑)。
 級位者くらいだと少し難しい内容かもしれないが、少しガマンしてでも、上記のように難しい変化は読み飛ばしてでもいいから、振り飛車党であれば一度は読んでみてほしい。有段者にとっても参考になるだろう。良書だと思う。
作成日 2015-02-06 | [総合 ( 大局観 )]
 谷川浩司の本筋を見極める


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著者: / 出版社:
出版日:
 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月18日 2:52現在)

 著者が、自身が務めたNHK将棋講座をまとめたもの。
 序盤、中盤、終盤それぞれについての基礎的な知識と考え方が書かれている。

 内容は、 といったところ
 講座で細切れに解説する必要があったからなのだろうが、コンパクトにうまくまとまっていると思う。

 個人的には、中盤での形勢判断法として紹介されている「働いている駒をカウントして、多い方が有利」という簡便法が目からウロコだった。もちろん、ものすごい正確な判断法でないことは少し考えれば判ることではあるのだが、初心者にとって大事なのは「形勢判断をする」ことそのものなのだから、その方法はできるだけ簡単な方がいいに決まっている。遊び駒は悪いものであるということも分かるし、これはいい方法だと思った。

 また、これは一例だけだったのだが、駒の損得と形勢判断について、とても詳細に解説しているのもよかった。

 第1図。▲2三歩成というおいしい手が見えるが、それに飛びついていいのか? という問題だ。
 ▲2三歩成に△同金▲同飛成は先手がおいしすぎる展開でそう進めばなんの問題もないのだが、当然後手は反発してくる。▲2三歩成に対して、△2五歩▲同飛△3四銀(第2図)という手順である。
 これで飛車と「と金」の両取りで、後手は受け切ることができる……と、まぁよくある入門書だと解説はここで打ち切りだろう。もう少し踏み込んで、▲3二と△2五銀(第3図)と進んだ局面を解説するくらいか。先手は金と歩を取って、プラスと金を作った。後手は飛車を取った。この取引ならまぁ互角くらいでしょう、と。
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 しかし本書では、第3図から「今後、先手のと金や後手の持ち飛車がどう働くか」を示し、そこまで踏み込んで形勢判断を考えよう、としているのだ。
 具体的には、 と、こういう具合に話を進めている。
 初級者どころか、中級者くらいであってもかなり高度な話だと思うのだが、しかし、こういう風に形勢を判断していくことはとても大事なことだとも思う。たった一例ではあるけれども、基礎的な解説の中にも、このような上級者になるための指針のようなものが書かれているのはすごいと思った。
 その他にも、「美濃囲いで飛金と角銀、どちらを渡しても大丈夫か考えるべき」など、中級者以上の人にも参考になる内容も数多い。
 タイトル通り、まさに「本筋を見極める」内容の数々。級位者はもちろん、3段くらいまでの人は、一度は手に取ってみる価値はあると思う。
作成日 2015-01-06 | [総合 ( 大局観 )]
 仕掛け大全 居飛車編

仕掛け大全 居飛車編 (マイコミ将棋ブックス)
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著者:所司 和晴 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,944 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月20日 6:59現在)

『仕掛け大全 四間飛車編』『仕掛け大全 振り飛車編』に続く、仕掛け周辺の解説本。これで完結とのこと。

 相居飛車ということで、矢倉・横歩取り・角換わり・相掛かりと、一通りの戦形は解説されている。
 急戦矢倉や雁木、塚田スペシャルのような、誰が指してるんだという形も解説されていて、ガイドブックだから必要なんだろうなという思いと、限られた紙数なんだからもっと他に入れるべき形はあるんじゃないかという思いとが複雑に交錯してしまった(笑)。

 シリーズ全般に言えることなのだが、やっぱりそもそものコンセプトがどうだったんだろうという気がする。
 例えば、いろんな形・定跡をガイドブック的に紹介するというにしては、検索機能がとてもしょぼい。目次が検索の役に立たないのだ。なので、結局、大づかみでページを開いて、あとは1ページずつ見ていくしかない。で、見ていくと気づくのだが、やはり個々の変化が圧倒的に少ないため、ヒット数が少ない。正確に言えば、初期図面と指し手を照会し、ついでに解説されている変化まで対象にすればヒット率は上がるのだろうが、それを紙媒体で行うというのはとても苦痛である。
 ……ということで、本気で検索したいなら、結局『激指定跡道場』を買いなさい、という話になる(笑)←『激指定跡道場』には全ページ載っている。
 てことはさぁ、このシリーズ3書って、ソフトに入れる局面を厳選するための抽出過程でできた指し手を集めて、それを書籍化しただけ? とか、いらぬ邪推をしてしまう。邪推だと思っていても、そう考えるとなんとなくいろんなことが腑に落ちるのだ。個々の指し手の解説が少ないとか(ソフトで1手ごとに表示される解説文はそんなに多くできないだろう)、ガイドブックといいながら検索しづらい目次とか(目がソフトの方を向いていて、紙媒体にまで目が回らなかった?)。

 あくまで個人の感想なのでそこは押さえておいてほしいのだが、妄想はさておいても本書の作りがこういう意味で甘いのはきちんと指摘しておきたい。例えば目次をもう少し充実させるだけでも検索力は上がるだろう。そういう努力をもっとしてほしかった。
作成日 2014-12-30 | [総合 ( 仕掛け )]
 仕掛け大全 振り飛車編

仕掛け大全 振り飛車編 (MYCOM将棋ブックス)
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著者:所司 和晴 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,944 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月23日 12:43現在)

『仕掛け大全 四間飛車編』に続く、仕掛け周辺の解説本。定跡を集めて、手の解説というよりは仕掛ける「形」の紹介に徹している。

 今回は振り飛車編ということで、前著の四間飛車以外の、三間飛車、中飛車、向かい飛車、相振り飛車を解説している。また、冒頭に「最新の仕掛け」として、発売当時の最新形を紹介している。個人的には、ここでなぜゴキゲン中飛車を取り上げたのかが判らない。本項を「最新の四間飛車の仕掛け」として、ゴキゲン中飛車は普通に中飛車の項に組み込んだ方がよかったと思うのだが。その方が、シリーズが続いている感も出せたし(笑)。いや、最新定跡を取り上げてるんでそれはこっちにまとめました的な事なんだろうことは判るのだが、定跡の新旧よりも戦法ごとに取りまとめた方が、「ガイトブック的な定跡紹介本」という本書のコンセプトには合っていると思うのだ。

 個々の内容についても、三間飛車、中飛車、向かい飛車、相振り飛車と4つに増えていることから、いっそう薄くなってしまっている。三間飛車(石田流)ブームはもう少し後だった(と思う)から仕方がないとしても、ゴキゲン中飛車や相振り飛車は結構はやっていたはずで、変化や戦形も多彩だったと思われる。であれば、読者としてはもう少し分冊するなりしてボリュームを増やしてほしかった。いろいろ難しいであろうことはよく判るので無理を言っているというのは重々承知なのだが、販売数やコスト、売上といった売り手側の「大人の事情」は脇に置いといて、読者としてはそう思ってしまう。
 実際に良書は売れているわけで、ましてや総合定跡書的な内容で出版するのであれば、どっしりと腰を落ち着けた内容にしてもよかったのでは……と思う。
 まぁ、コンセプト的に白砂は手元に置かないと思うので、強く言えないんだけど……。
作成日 2014-12-30 | [総合 ( 仕掛け )]
 仕掛け大全 四間飛車編

仕掛け大全 四間飛車編 (MYCOM将棋ブックス)
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著者:所司 和晴 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,944 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月20日 6:59現在)

 四間飛車vs居飛車の各戦形について、タイトル通り「仕掛け周辺」の指し手について解説した本。
 ……というと判りにくいだろうからハッキリ言うと、定跡の駒がぶつかった瞬間からの指し手を集めた本である。
 定跡の紹介であるので、「実戦的な」仕掛けであるとか、少しB級チックなちょっかいの出し方とか、そういうものを解説しているわけではない。タイトルを見て少しだけ期待したのだが、著者を見て諦めた(笑)。

 内容は、5七銀左戦法の急戦から始まって、4六銀戦法や右四間飛車、烏刺し戦法といった急戦、居飛車穴熊、左美濃、玉頭位取り、ミレニアムといった持久戦、立石流や振り飛車穴熊まで、本当にいろいろな戦法が登場する。これらの戦法について、仕掛けの周辺を、見開き2ページにまとめてガイドブック的に紹介している。

 元々のコンセプトが仕掛けの手順を「見開きで紹介」するということなのだろうからしょうがないのだろうが、いきなり仕掛けの場面から始まるので、局面に必然性が感じられない。通常の定跡書だと、こんな感じでお互いに最善手を指してはいこの基本図、というところからのスタートだが、それがないのだ。なので、とても役に立つ本だと思うのだが、通しで読むのが意外とキツい。あくまでも「観光案内」なので。
 例えば、『るるぶ箱根』を最初のページから全ページ読む、ということを想像してもらいたい。行く予定もない場所の紹介を丹念に読むのは意外と面倒くさいものだ。……いや、これはこれで読んでて面白いから例としては不適切だったか?(笑)

 紹介している定跡そのものは(当時の……ごめんなさい、すぐに紹介を書けばよかった)最新のものなので、手の意味の説明がとても少ない解説書と考えれば、かなりコストパフォーマンスが高い本だと言える。『東大将棋』シリーズの解説をもっと淡泊にしてギュッと押し込んだ感じだ。そう考えればかなり重宝する1冊にもなりうる。
 定跡を勉強するため、頻繁に「あれ、この局面って……」と定跡書をひっくり返すのであれば、手元に本書があればたいていは事足りるだろう。
 そういう人であれば買い。そうでない人は、ちょっと本書で勉強というのは辛いと思う。
作成日 2014-12-30 | [総合 ( 仕掛け )]
 羽生の法則 Volume 6 仕掛け

羽生の法則〈6〉仕掛け
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著者:羽生 善治 / 出版社:日本将棋連盟
出版日:
¥ 1,404 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月20日 20:22現在)

 法則シリーズのラストは「仕掛け」。

「まえがき」では、さまざまな戦形の攻め方の基本を紹介する、というようなことが書いてある。ラインナップを見ると確かにその通りで、内容はこんな感じになっている。 ただ、ラインナップは確かにこうなっているのだが、それぞれの変化は乏しく、さほど網羅的というわけでもない。一番うまく行く変化を1つ紹介、くらいの感じである。
 個人的には、振り飛車の紹介でいきなり石田流でしかもいきなり角交換の変化というのはどうかと思ったし、次がまたメリケン向かい飛車というのも、なんというか本筋なのかそれ? と思ってしまった(笑)。もう少し考えようがあるよねぇ……。

 あと、そもそも「仕掛け」と言っているのだから、仕掛けの局面から始めた方がよかっただろう。初手から並べるのはハッキリ紙面のムダだ。そこは割り切って、変化や戦形を増やした方がもっとよかった。

 全体的に、なんか薄い本(←違う意味に取らないように←意味が判らない方は気にせず飛ばしてください)という感じ。2段くらいであれば、ほぼ常識の範疇といってよく、本書を読む必要はほとんどないだろう。初級者がいろんな戦形を一渡りするのにはいいと思う。
作成日 2014-08-04 | [総合 ( 仕掛け )]
 久保利明の振り飛車の手筋1 さばきの四間飛車・急戦編

久保利明の振り飛車の手筋〈1〉さばきの四間飛車・急戦編
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著者:久保 利明 / 出版社:山海堂
出版日:
¥ 1,404 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月17日 9:17現在)

 振り飛車党の代表選手である久保が書いた手筋本。今回は四間飛車vs急戦に絞って解説している。

 四間飛車が先手の場合も後手の場合も解説されているが、▲6五歩急戦がなかったり、▲4六銀戦法で2筋を突き捨てなかったりと欠けている部分も多い。また、内容のほとんどは後手四間の解説ではあるのだが、定跡近辺の解説ではなく実戦譜の解説のようになっており(確認したわけではないのだが、問題を見ていただければそう感じた理由も判っていただけると思います)、いやそりゃあ手筋だけどさぁ……とちょっと残念な気分になった。

 あと、難易度がバラバラすぎる。
 △8五歩に▲7七角、という問題が2問もあった(3問だったかな?)かと思えば、とても難しい手筋がふんだんに出てきたりしている。
 それと、次の一手本の宿命のようなもので仕方がないことなのかもしれないが、解説が少なすぎる。
 例えば第30問で、△8八歩と桂取りに打った手に対して、▲7二歩という手筋が正解である、としている。それは正しいと思うのだが、その解説が「△7二同飛と取らせると利かしになる」だけではあまりに不親切すぎる。後手は桂取りに歩を打ったのだから、まず説明するのは△8九歩成とされたらどう切り返すか、だろう。しかしその解説は一切されていない。
 実際のところ、△8九歩成は▲同飛と取っておけば、今度は△7二飛と取れない(8五に銀がいて、△8九歩成▲同飛△7二飛は▲8五飛とボロッと銀を取られる)から△6二銀と▲7一歩成を受けるくらいしかなくて、そこで▲7六銀とすれば△同銀と取れない(8五の銀が動くと▲8二飛成と飛車が素抜かれる)から後手が困っている、ということだと思われるので、問題に間違いがあるわけではない。しかし、この説明を一切省いて「利かしが一発入った」で終わらすのは不親切に過ぎる。

 攻められた手に対して▲6五歩や▲7八飛という振り飛車の手筋を再三登場させることで印象を強めたりとか、大駒をぶった切って攻めたりとか、面白い問題も数多く入っており、それなりに勉強になるとは思う。実際、白砂は第53問から第54問の手筋が見えなくて解答を見て感心したし。

 題材や方向性、やりたいことは間違っていないと思うのだが、料理の仕方が間違っていたのではないか、と思ってしまう。ちょっと残念だった。
作成日 2014-08-04 | [総合 ( 手筋 ) , 定跡 ( 四間飛車 )]
 阿久津主税の中盤感覚をみがこう

阿久津主税の中盤感覚をみがこう (NHK将棋シリーズ)
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著者:阿久津 主税 / 出版社:日本放送出版協会
出版日:
¥ 1,260 (定価)/39pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月20日 20:22現在)

「アッくんの、めぢからあ(棒)」でお馴染みだった(そうか?)アッくんこと阿久津主税のNHK将棋講座が本になったもの。
 講座は見ていたのだがテキストは買っていなかったので、どれくらい加筆されているのかどうかは残念ながら判らない。

 内容は、中盤での戦い方の解説、ということになっているが、升田式石田流の形から▲7七銀~▲8六歩と攻めるものや、矢倉▲3七銀戦法で▲1五歩と端歩を詰めた場合の攻め方や▲6五歩と突く宮田新手など、定跡の続きといったものも少なくない。もちろん中盤での戦い方であることに変わりはないのだが、『金言玉言新角言』とか『羽生の新格言集105』みたいな本を期待するとちょっとがっかりするだろう。
 むしろ、有段者用の突き詰める定跡書ではなく、そういう定跡書で「この手は後手不利になる」とさらっと書いてあるところを補足する、といった趣が強い。

 それぞれの項頭に見開きでポイントの局面を載せ、「いい局面」「悪い局面」を事前に提示したり、その局面の差を判りやすくするために悪い局面の方はグレーの網掛けで表すなど、細かい部分にも気を使ってわかりやすく表示しようと頑張っている意志を感じた。本文の行間を通常よりやや広くして見やすくしてあるようにも感じたし、フォントやポイント数などもかなりいろんな種類を使っている気がする。それらが合わさって非常に「見やすい」本になっていて、これは評価したい。
 ただ、ちょっと不満だったのが、見開きの部分の「悪い局面」のところ。全部で6図面あって、いい局面悪い局面が3図ずつある。基本的には1対1に対応している(こう指すのがいい、というのと、こう指しちゃだめ、というのが対応している)のだが、場合によっては悪い局面が進んでいく過程を表していくときがある。悪い局面1があるとして、そのまま進むと局面2、さらに進んで局面3、といった具合だ。これは、さきほどの説明にある1対1とは違う表現法になっている。
 矢印で流れが表現されているので、ちゃんと読めば判ることなのだが、ここはちょっとムリでも統一してほしかった。それか、もう少し矢印を大きくして「対応」なのか「流れ」なのかを明確にするとか。ちょっと意地悪なことに、2図面は流れで1図面は対応、なんていう場合もあったりするのだ(P.226など)。

 まあそんな細かい部分が逆に気になってしまうくらい、「ちゃんとした」本に仕上がっていると思った。もう少しこの形式のレイアウトの本が出てもいいんじゃないだろうか。「棋書アレルギー」の人にこそ読んでほしい一冊だ。
作成日 2011-09-12 | [総合 ( 大局観 )]
 勝つ将棋 詰めろ入門―気持ちいいほど終盤の急所がわかる

勝つ将棋 詰めろ入門―気持ちいいほど終盤の急所がわかる
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著者:中原 誠 / 出版社:池田書店
出版日:
¥ 1,050 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月21日 12:58現在)

 詰めろ入門、とあるが、要するに必死の本。また、30ページほどだが詰め将棋も載っている。

「おとなのための徹底的終盤入門書!」と折り返しに煽り文句が入っているが、入門にしては実は結構難しい。最初は簡単なのだが、後半に進むにしたがってどんどん難易度や読む手数が上がっていく。「詰めろの一手を考えてください→15手」とか言われたらそりゃあ萎えるよね(笑)。まぁ、長く使えるという意味では一冊のコストパフォーマンスは高いと思うので、入門のつもりで買った人はあせらず読んでほしい。

 詰めろを探す、というアプローチは斬新だなと思った。プロの将棋でも、2手開いているから詰めろの連続で押し切る、などという展開は珍しくないが、初心者はまずその詰めろを探すのが一苦労だ。その指針の一つにはなるだろう。
 問題点として、本書の場合、実は詰めろと必死の境界線が凄くあいまいで、詰めろを扱っているのに必死問題だったりしている。それだったら、詰めろのかけ方は詰めろの章だけで独立させて、必死問題は必死問題の章に移したほうが分かりがいいと思う。詰めろの解説が90ページあるのに必死の解説が50ページしかないので、ちょっとバランスがおかしい。

 そういう細かい問題点はあるものの、なかなかの良書である。
 表紙のイラストがちょっと持ち歩きを躊躇させるが、2段くらいまでの人であれば十分実用に耐えうる。また、4段くらいまでの人も、タイムトライアルのつもりで挑戦してほしい。白砂もやってみたが、結構詰まった問題もあった。なかなか骨っぽい本だ。
作成日 2011-08-31 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 将棋上達の方程式 手筋の公式 基礎編

将棋上達の方程式 手筋の公式 基礎編
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著者:北島 忠雄 / 出版社:日本将棋連盟
出版日:
¥ 1,365 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月21日 12:58現在)

 駒別の手筋について、初心者(初級者ではなく、本当の意味での初心者)に解説する本。

 はじめの2/3くらいで、講義形式でずーっと手筋を解説するという、かなり贅沢というか丁寧というか、ありそうでなかった形式を取っている。『寄せが見える本』の初心者版、といった感じだろうか。この形式は評価したい。
 題材も、初心者向けということで、▲2二歩と打って桂馬が取れますとか、▲2五香で田楽刺しですとか、▲4一銀と割り打ちますとか、そういうレベルのものを一通り集めている。半可通の方が見ると「こんなカンタンすぎるもの」と哂いそうなものもたくさんあるが、こういう知識の集成が実は上達には一番いいのだ。著者はそこのところをよーくわかっているのだろう。本文中のイラストも含めて、物を教える才能があるのだと思う。こういう人はこういう人で立派なプロだ。

 本音を言えば、個人的には若干文章が気になった。もう少し練ればさらに読みやすくなるのでは……と感じる部分も多々あった。ただ、この点については個人の手癖の部分が大きいからなんとも言えないのかな……と考えることにしている。

 後ろのほうにちょっとだけ高度な(単に手数が長いだけと言ってしまえばそれまでなのだが(笑))手筋を載せて、「これが理解できたんだ。上達したんだなオレって」と読み手の心理をくすぐることも忘れていない(←冗談ですが、まったくの妄想ではないと思います)。なかなかに練られた良書だと思う。
作成日 2008-07-21 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 3手1組プロの技

3手1組プロの技 (マイコミ将棋ブックス)
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著者:片上 大輔 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は9月17日 19:41現在)


 3手一組の指し手を考える、次の一手ならぬ次の三手本。
 考えてみれば、次の一手というものは次の一手だけを当てればいいというものではなく、その局面から勝ち筋有利筋を引き出すものだ。そういう意味では、一手だけではなく連続した手筋というのを扱うのも当然といえば当然である。

 本書で扱っている3手一組は、「歩の手筋」「攻めの手筋」「しのぎの手筋」の三種類。計86問である。
 白状すると、結構難しかった。
 いわゆる手筋的な……という表現はよろしくないのだろうが、いかにも作りもの的な問題はさすがにすぐにわかった。ただ、タイトルどおり「プロの技」がたくさん詰まっているので、パッと正解が浮かぶという問題ばかりではない。問題を解く、というより、プロの技を鑑賞するといった感じになってしまった。

 それぞれのテーマごとに最初に少しだけ解説が載っているが、それもなかなか親切でよかった。
 量産するのは難しいジャンルかもしれないが、こういう本がもっとたくさん出ると、3段くらいからのステップアップにはいいと思った。
作成日 2008-04-18 | [総合 ( 手筋 )]
 寄せの極意

寄せの極意―対居飛車、対振り飛車を徹底解説 終盤の華麗な技で勝利をつかめ! (スーパー将棋講座)
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著者:高橋 道雄 / 出版社:創元社
出版日:
¥ 1,260 (定価)/39pt (Amazonポイント)
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一時的に在庫切れですが、商品が入(価格・在庫状況は9月21日 12:58現在)


 寄せの技術についての解説本。
 各テーマごとに、見開き2ページの基本問題と、テーマを応用した実戦解説を4ページ前後費やしている。
 サブタイトルが対居飛車・対振り飛車となっているが、著者が純粋居飛車党ということもあって、対居飛車は矢倉のことであり、対振り飛車は居飛車から見た美濃・穴熊攻略である。振り飛車党は逆の立場で読まなければいけないし、横歩取りなどは出てこない。

「とにかく上から押さえていこう」「王手をかけて玉を逃がすのは下策」といった感じの初級編テイストではあるが、基本問題から全体図を使用しているため、やや複雑な印象を受けた。このレベルのことを解説したいのであれば、部分図にしたほうが頭には入りやすいんじゃないかなぁ……と思う。
 また、ちょっとムリがないかこのテーマは? というものもないではない。「遊び駒を活用せよ」とか「盤面を広く見ろ」とか、これは寄せの極意というよりは常に考えておなければならないことだと思うのだが(笑)。また、基本問題で美濃囲いの▲7四桂という手を解説しておきながら実戦編では▲9四桂という手を出すとか(▲7四桂の筋はかけらも出てこない)、ちょっとチグハグな部分もないではなかった。この辺りの部分をもう少し整理して削り、横歩系の陣形に対する寄せを盛り込んだ方が、内容としては充実した気がする。

 やや重箱の隅的な注文ではあるが、逆に言うとそれ以外の部分、たとえば問題のレベルや解説の多寡などは非常にバランスが取れていてすばらしい。創元社らしい初級者に優しい作りになっていると思う。
 前述のとおりすべてが全体図なのでとっつきにくい印象があるかもしれないが、初段前後までであればお勧めできる良書である。
作成日 2008-03-22 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 将棋・ひと目の端攻め―攻防の手順がわかる200問

将棋・ひと目の端攻め [マイコミ将棋文庫SP] (マイコミ将棋文庫SP)
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著者: / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,050 (定価)/33pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月19日 14:27現在)


「端攻め」という1ジャンルにしぼって解説している手筋本。一局の将棋で端がからまないということなどはほとんどなく、そういう意味では必修手筋とも言えるはずなのだが、これまであまりクローズアップされてこなかった。
 もちろんそれは触れてこなかったという意味ではなく、実は「歩の手筋」「囲いの崩し方」という形で取り上げられてはいた。しかしそのためやや手筋が分散してしまった感があった。本書では、200問の次の一手形式で端攻め手筋を網羅している。

 端攻めの基本手筋から始まって、終盤での手筋、囲いの崩し方と、本当にいろいろな形での端攻めが載っている。また難易度も、▲4六角△1一香△1四歩持駒歩歩の局面で「▲1二歩△同香▲1三歩で香得が確定」というレベルから(正直、最初の問題がこれだったので「入門書だったのか?」と少し不安になった)9手くらいの一連の手筋までさまざまだ。下は初心者(初級者ではなく)から上は2、3段くらいまで十分に楽しめる。

 個人的な話になるが、今回200問を解いてみて、自分がやはり振り飛車党だということがよくわかった。矢倉の崩し方の正答率が他に比べてかなり低かった(4、5問は出なかった)。「自分の客観的な将棋観をはかる」という、ちょっと変わった楽しみ方もできるようだ(笑)。
 有段者にとっては常識レベルの話だろうが、そこまで行かないなぁ……という人であれば、一度目を通しておくのもいいと思う。いっぺんでいいなら立ち読みでも十分だが、できればたまに読み返して棋力が落ちてないかをはかる試験にするという読み方もある。
 次の一手形式というサラッと読める形式なので、こちらもそれを活かした読み方をするべきだ。
作成日 2008-03-20 | [総合 ( 手筋 )]
 光速の寄せ1 振り飛車破りの巻

光速の寄せ〈1〉振り飛車破りの巻 (Super series special (Volume 1))
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著者:谷川 浩司 / 出版社:日本将棋連盟
出版日:
¥ 1,020 (定価)
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<%myrate2()%> (評価:初段~三段)
<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は9月19日 17:17現在)


「光速の寄せ」で名を馳せる谷川の寄せ解説本。もともと谷川の著書は一定以上のクオリティを持っているが、本書は格別。殿堂入りにしても文句ない名シリーズである。

 5巻セットの1巻目は居飛車から見た振り飛車退治の本。基礎知識編で美濃囲いと穴熊囲いの特徴を学び、手筋編で崩し方を、即詰み編で詰み手筋を次の一手形式で解説する。
 非常に内容が濃く、実戦で生じやすい形がよく出てくる。本書の手筋を知っているかいないかだけでかなり勝率が違ってくるだろう。しっかりと体系化された良書だと思う。
作成日 2007-09-03 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 終盤の定跡デラックス

終盤の定跡デラックス
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著者:週刊将棋 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 999 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は9月21日 12:58現在)


 昔、毎コミで出ていた『終盤の定跡』をまとめたもの。それに加えて、囲いの崩し方と3手5手の詰め将棋が載っている。

 そもそもの『終盤の定跡』シリーズが週刊将棋の段級認定問題を採録したもので、本書では初歩から3段までが載っている。2段だの3段だのといいつつ、しかし他の記事はといえば初級講座と3手詰5手詰というのはかなりの違和感だが(笑)、要はそれだけ問題が難しくはないということだろう。事実、正解率が9割前後の問題は「よくある手筋」がほとんどだ。

 初級者が力をつけるには悪い本ではないと思うが、なにぶん現在は手に入りづらい。類書もあることだし、わざわざ手間をかけてまで読む本ではないだろう。古本屋などで見かけたらキープしておくのはアリだと思う。
作成日 2007-08-31 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 終盤の手筋 詰み・詰めろ・必至・囲いの攻略・受けの基本テクニックを学ぶ

終盤力養成講座〈1〉終盤の手筋 (将棋終盤力養成講座 (1))
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著者:勝浦 修 / 出版社:創元社
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は9月21日 12:58現在)


 級位者向けに詰め手筋や囲いの崩し方を教える、という内容。

 一冊に詰め込むにしては範囲が広く、そのためやや散逸な印象を受ける。しかし、もともと基本手筋の紹介であるのでこれで十分だろう。
 図面も大きく、初級者から中級者にとっては「読みやすい」本でもある。
 創元社らしい、入門向けに手がたく作られた良書だ。
作成日 2007-08-30 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 不思議流受けのヒント

不思議流受けのヒント―勝ちを決める手筋の宝庫! (スーパー将棋講座)
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著者:中村 修 / 出版社:創元社
出版日:
¥ 1,260 (定価)/13pt (Amazonポイント)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫あり。(価格・在庫状況は9月18日 9:22現在)


「受ける青春」おさむちゃん(<こら)の、将棋の「受け」の部分について書かれた本。

 結論から言ってしまうと、なんともよく判らないできあがりになっている。
 というのも、扱っている題材の難易度がバラバラなのだ。初級レベルの歩の手筋を解説していたかと思えば、ギリギリで切らせて入玉などといった高度な話をしている。合わせ歩を習う人間が、10手先の局面を考えての受けの手なんて指せるかっ!(笑)
 ただ、逆に言うと、どの棋力の人でもそれなりに楽しめる内容にはなっていると思う。
 級位者の人は、易しい手筋を覚えるだけにして、難しい部分は「鑑賞」すると割り切ってしまった方がいいだろう。
 初段よりちょっと上の人は、ここで挙げられている題材を見ながら、「切らせて勝つ快感」を覚えて下さい。切らせて勝つ快感を覚えてきたら、どうぞ3二金戦法の世界へ……(<違う)。

 かように面妖な本なので、ちょっと購入するのは勇気がいると思う。まずはいったん中を確かめて、後悔しないと確信したら買うといいだろう。

作成日 2006-09-02 | [総合 ( 手筋 )]
 終盤の謎

森信雄の強くなる将棋〈2〉終盤の謎 (森信雄の強くなる将棋 (2))
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著者:森 信雄 / 出版社:山海堂
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は9月21日 12:58現在)


 前著『終盤の鬼』に続く「寄せのレッスン本」。ただし、前著もそうだったが、基本に忠実ではあるのだが問題自体はスーパートリックである(まえがきにも断り書きがある)。

 もともと白砂はこういう「次の一手本」というものをあまり信用していないので、その点でやや評価は辛くなっている。ただ、本書は「詰めろ逃れの詰めろ」といった切り返しの技が基本なので、自陣敵陣に目を配りつつ、速度計算もしつつ……と、結構高度なことを考えないといけない場面も多い。まぁ、大体は妙手一発で終わるんだけどね(爆)。

 正直な感想を言えば、スーパートリックの続きのような「鑑賞物」という位置づけに近いと思う。
作成日 2006-09-02 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 詰めと必至ハンドブック

詰めと必至ハンドブック
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著者:内藤 國雄 / 出版社:日本将棋連盟
出版日:
¥ 1,155 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は9月21日 12:58現在)


 初級者から中級者向けくらいを対象にした、易しい必死集。
 簡単な1手必死120問と、少し難しい1手必死30問とからなる。

 終盤を鍛えるなら詰将棋より必死の方が実践的で、というか必死はその中に詰将棋を内包しているため、読みの長さが少し多く必要になる。そのため、たった1手の必死とはいえ、詰将棋に直すと5手とか7手分を読むことになる。読みの訓練になるのも納得というものだ。
 本書では、前段として詰みの形について解説し、どの持ち駒があれば詰むかという練習問題でウォーミングアップする。それから1手必死に入っていくので、徐々に読み筋が深まっていくのだがあまり気にならない。

 問題数、問題の質ともに、初段以下の人には最適だと思う。

 こういう良質な必死本を読むと、必死と詰将棋を合わせた本というのも欲しくなってくる。
 問題が提示されるが、詰むかどうかが判らない。詰ますか必死をかけるかという選択も同時に迫られる。応用問題として、詰みも必死もかからないのでいったん受けに回るとか、2手スキをかけて勝ちとか、そういう問題がところどころに入っているとなおいい。
 浅川書房あたりで一つよろしく(笑)。

作成日 2006-07-08 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 羽生善治の終盤術2 基本だけでここまで出来る

羽生善治の終盤術〈2〉基本だけでここまで出来る (最強将棋21)
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著者:羽生 善治 / 出版社:浅川書房
出版日:
¥ 1,365 (定価)/43pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月21日 12:58現在)


 前作に続き、寄せについて書いた本。お得意の「本をひっくり返す」次の一手方式で書かれている。

 サブタイトルは「基本だけでここまで出来る」となっていて、取り上げられた形を見ても、なるほど基本的な手筋だけで構成されている。入門書で手筋を覚えても、実際に使いこなせなければ意味がないという好例だろう。
 同時に、羽生の「大山先生は手を読んでない。ホントに読んでないんですよ」という発言も思い出した。大局観と基本的な手筋が頭にあれば、手を読むことなどしなくてもツボに手が行くということだろう。事実、本書に載っている、堅そうな陣形、手がかりのなさそうな玉形が、あっという間に寄ってしまう。「公式は暗記するのが重要なのではなく、使いこなすことが重要」だということがよく判る。

 次の一手形式も効果的に機能していると思う。
 羽生が講座で壇上に立ち、大盤を動かしながら「これはこうやっていきます。……次の形、これはこう攻めれば潰れてますね」と解説しているようなスピード感が感じられる。次の一手形式の「ブツ切り感」がいい方に作用しているのだろう。

 ただ、その点から苦情を呈すると、個々の問題に関連がないのが逆に気になった。
 前述のたとえを使うなら、「これはこうやっていきます。……次の形、これはこう攻めれば潰れてますね」と言う時、通常は「先程と同じく……」とか、「この筋があるので前回の手順は使えず、代わりに……」とか、前後にはなんらかの関係性があるものだろう。そうやって体系的に学ぶことによって、よりいっそう理解が深まる。本書には、あまりそれが感じられなかった(ないわけではない。念のため)。
 そのため、本当に単に次の一手をいっぱい解くだけ……という雰囲気もなってしまいがちだ。
 題材の難易度など、非常にうまくできていると思うので、もったいないと感じた。

作成日 2006-07-08 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
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