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 勝てる棒銀戦法
勝てる棒銀戦法 (将棋最強ブックス)
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著者:青野 照市 / 出版社:創元社
出版日:
¥ 1,365 (定価)
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在庫あり。(価格・在庫状況は5月18日 10:01現在)

 以前、『最新 棒銀戦法』という本を書いていた著者がまたまた書いた棒銀本。「急戦の青野」と言うだけあって、なかなか面白く読めた。

 内容は、すべて棒銀(当たり前か(笑))。
相掛かり棒銀
▲3六銀戦法、と言った方が通りがいいんだろうか。創元社の本らしく、相手が初級者の場合はこう攻める、というところから解説して、△8四飛~△3三角と正確に受けられた場合までを解説している。端桂を捌く筋というのはプロの実戦でもあったと思うのだが、そう言われてみれば解説した棋書はあまり見なかった気がする。
矢倉棒銀
早囲いにして、さらに▲3八銀▲2七銀から一直線に棒銀にしていく形。
後手であれば、『超過激!トラトラ新戦法』に出てたムリヤリ矢倉がそうなのかな。先手が早囲いにしているのにのんきに△4四歩△4三金右などと指して速攻をかけてこない「都合のいい変化」ではあるのだが、逆に今頃に早囲い、なんていうのはレトロとは言えなくもないので(まぁ藤井流があるか)解説書もそんなになく、中級者くらいまでであれば本書の通りにハマってくれるかもしれない。▲3六歩▲3七銀なんてしないで直球、というのは覚えやすくていいと思う。
vs四間飛車
角道を止めるクラシックな四間飛車に対しての棒銀。▲5七銀▲6八金直の2手を省略していきなり攻める形である。『四間飛車の急所 3 急戦大全 下』には載っている形ではあるのだが、▲4六歩まで省略して素早く攻めるというのが主張である。定跡外しとしては面白いと思うのだが、残念なことにその後の手順がかなり「創作的」でいただけない。藤井本に合流できる(結局棒銀側は▲4六歩と突くので、理屈的にはそのときに△1二香とすれば藤井本と同じ形になる)のにしなかったりとか、△6四角と出て▲5七銀と上がらせて△5三角と引くとか、ある程度対象棋力を下げるためには仕方がなかったのだと思うが、もう少しなんとかならなかったのだろうか。前述の『最新 棒銀戦法』は結構公平に書かれていたと思うのだが。
vs振り飛車穴熊
やはり▲6八銀型のまま攻める棒銀。最近の本には載っていないが、『定跡外伝』で同じ形が紹介されていた。あと、△3五銀の両取りの変化(といってどれくらいの人がわかるのか(笑))のとき、▲1六飛△4四銀▲1五飛に△3五銀という手があるのだが触れられていなかった。『定跡外伝』では▲4三角があるから無効、となっていたのだが、△3五銀▲4三角△7一金▲3二角成△同金と飛角交換しても、飛車の飛車がかなり不自由なので穴熊も指せる気がする。まぁこの変化を載せろとは言わないが、この変化に触れずに△1四歩▲1六飛△3五銀と「わざと手順前後をして」▲5五歩として逃げられるから棒銀良し、というのはちょっとウソくさい。
 ……と、随分と文句ばかり垂れたが、基本的に「本筋と少し違う指し方をして相手を惑わしハメる」という本なので、相手が惑わされた場合(=正解手ではない指し手を指した場合)の手順を載せるというのは全く問題がない。上記のツッコミは「ハメ手に対する受け方も書いといてくれると親切なのに……」というだけで、減点と言うほど酷いことだというわけではない。
 むしろ、「本筋の有段者向け定跡書」が増えた中、まだこんなヒッカケ手順があったのか──いい意味でね──というのに驚いた。
 まさに「勝てる」戦法で、なかなか面白く読めた。有段者でも一度読んでおくといいと思う。ヘンな話だが、定跡を微妙にずらすというのは将棋ソフトでも対応が難しい部分なので、24のソフト指し相手にも効くかもしれないね(笑)。
作成日 2012-02-19 | [総合 , 定跡]
 阿久津主税の中盤感覚をみがこう
阿久津主税の中盤感覚をみがこう (NHK将棋シリーズ)
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著者:阿久津 主税 / 出版社:日本放送出版協会
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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在庫あり。(価格・在庫状況は5月18日 9:58現在)

「アッくんの、めぢからあ(棒)」でお馴染みだった(そうか?)アッくんこと阿久津主税のNHK将棋講座が本になったもの。
 講座は見ていたのだがテキストは買っていなかったので、どれくらい加筆されているのかどうかは残念ながら判らない。

 内容は、中盤での戦い方の解説、ということになっているが、升田式石田流の形から▲7七銀~▲8六歩と攻めるものや、矢倉▲3七銀戦法で▲1五歩と端歩を詰めた場合の攻め方や▲6五歩と突く宮田新手など、定跡の続きといったものも少なくない。もちろん中盤での戦い方であることに変わりはないのだが、『金言玉言新角言』とか『羽生の新格言集105』みたいな本を期待するとちょっとがっかりするだろう。
 むしろ、有段者用の突き詰める定跡書ではなく、そういう定跡書で「この手は後手不利になる」とさらっと書いてあるところを補足する、といった趣が強い。

 それぞれの項頭に見開きでポイントの局面を載せ、「いい局面」「悪い局面」を事前に提示したり、その局面の差を判りやすくするために悪い局面の方はグレーの網掛けで表すなど、細かい部分にも気を使ってわかりやすく表示しようと頑張っている意志を感じた。本文の行間を通常よりやや広くして見やすくしてあるようにも感じたし、フォントやポイント数などもかなりいろんな種類を使っている気がする。それらが合わさって非常に「見やすい」本になっていて、これは評価したい。
 ただ、ちょっと不満だったのが、見開きの部分の「悪い局面」のところ。全部で6図面あって、いい局面悪い局面が3図ずつある。基本的には1対1に対応している(こう指すのがいい、というのと、こう指しちゃだめ、というのが対応している)のだが、場合によっては悪い局面が進んでいく過程を表していくときがある。悪い局面1があるとして、そのまま進むと局面2、さらに進んで局面3、といった具合だ。これは、さきほどの説明にある1対1とは違う表現法になっている。
 矢印で流れが表現されているので、ちゃんと読めば判ることなのだが、ここはちょっとムリでも統一してほしかった。それか、もう少し矢印を大きくして「対応」なのか「流れ」なのかを明確にするとか。ちょっと意地悪なことに、2図面は流れで1図面は対応、なんていう場合もあったりするのだ(P.226など)。

 まあそんな細かい部分が逆に気になってしまうくらい、「ちゃんとした」本に仕上がっていると思った。もう少しこの形式のレイアウトの本が出てもいいんじゃないだろうか。「棋書アレルギー」の人にこそ読んでほしい一冊だ。
作成日 2011-09-12 | [総合 ( 大局観 )]
 勝つ将棋 詰めろ入門―気持ちいいほど終盤の急所がわかる
勝つ将棋 詰めろ入門―気持ちいいほど終盤の急所がわかる
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著者:中原 誠 / 出版社:池田書店
出版日:
¥ 1,050 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は5月18日 9:59現在)

 詰めろ入門、とあるが、要するに必死の本。また、30ページほどだが詰め将棋も載っている。

「おとなのための徹底的終盤入門書!」と折り返しに煽り文句が入っているが、入門にしては実は結構難しい。最初は簡単なのだが、後半に進むにしたがってどんどん難易度や読む手数が上がっていく。「詰めろの一手を考えてください→15手」とか言われたらそりゃあ萎えるよね(笑)。まぁ、長く使えるという意味では一冊のコストパフォーマンスは高いと思うので、入門のつもりで買った人はあせらず読んでほしい。

 詰めろを探す、というアプローチは斬新だなと思った。プロの将棋でも、2手開いているから詰めろの連続で押し切る、などという展開は珍しくないが、初心者はまずその詰めろを探すのが一苦労だ。その指針の一つにはなるだろう。
 問題点として、本書の場合、実は詰めろと必死の境界線が凄くあいまいで、詰めろを扱っているのに必死問題だったりしている。それだったら、詰めろのかけ方は詰めろの章だけで独立させて、必死問題は必死問題の章に移したほうが分かりがいいと思う。詰めろの解説が90ページあるのに必死の解説が50ページしかないので、ちょっとバランスがおかしい。

 そういう細かい問題点はあるものの、なかなかの良書である。
 表紙のイラストがちょっと持ち歩きを躊躇させるが、2段くらいまでの人であれば十分実用に耐えうる。また、4段くらいまでの人も、タイムトライアルのつもりで挑戦してほしい。白砂もやってみたが、結構詰まった問題もあった。なかなか骨っぽい本だ。
作成日 2011-08-31 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 将棋上達の方程式 手筋の公式 基礎編
将棋上達の方程式 手筋の公式 基礎編
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著者:北島 忠雄 / 出版社:日本将棋連盟
出版日:
¥ 1,365 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は5月18日 9:59現在)

 駒別の手筋について、初心者(初級者ではなく、本当の意味での初心者)に解説する本。

 はじめの2/3くらいで、講義形式でずーっと手筋を解説するという、かなり贅沢というか丁寧というか、ありそうでなかった形式を取っている。『寄せが見える本』の初心者版、といった感じだろうか。この形式は評価したい。
 題材も、初心者向けということで、▲2二歩と打って桂馬が取れますとか、▲2五香で田楽刺しですとか、▲4一銀と割り打ちますとか、そういうレベルのものを一通り集めている。半可通の方が見ると「こんなカンタンすぎるもの」と哂いそうなものもたくさんあるが、こういう知識の集成が実は上達には一番いいのだ。著者はそこのところをよーくわかっているのだろう。本文中のイラストも含めて、物を教える才能があるのだと思う。こういう人はこういう人で立派なプロだ。

 本音を言えば、個人的には若干文章が気になった。もう少し練ればさらに読みやすくなるのでは……と感じる部分も多々あった。ただ、この点については個人の手癖の部分が大きいからなんとも言えないのかな……と考えることにしている。

 後ろのほうにちょっとだけ高度な(単に手数が長いだけと言ってしまえばそれまでなのだが(笑))手筋を載せて、「これが理解できたんだ。上達したんだなオレって」と読み手の心理をくすぐることも忘れていない(←冗談ですが、まったくの妄想ではないと思います)。なかなかに練られた良書だと思う。
作成日 2008-07-21 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 3手1組プロの技
3手1組プロの技 (マイコミ将棋ブックス)
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著者:片上 大輔 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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<%myrate2()%> (評価:初段~三段)
<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は5月18日 9:59現在)


 3手一組の指し手を考える、次の一手ならぬ次の三手本。
 考えてみれば、次の一手というものは次の一手だけを当てればいいというものではなく、その局面から勝ち筋有利筋を引き出すものだ。そういう意味では、一手だけではなく連続した手筋というのを扱うのも当然といえば当然である。

 本書で扱っている3手一組は、「歩の手筋」「攻めの手筋」「しのぎの手筋」の三種類。計86問である。
 白状すると、結構難しかった。
 いわゆる手筋的な……という表現はよろしくないのだろうが、いかにも作りもの的な問題はさすがにすぐにわかった。ただ、タイトルどおり「プロの技」がたくさん詰まっているので、パッと正解が浮かぶという問題ばかりではない。問題を解く、というより、プロの技を鑑賞するといった感じになってしまった。

 それぞれのテーマごとに最初に少しだけ解説が載っているが、それもなかなか親切でよかった。
 量産するのは難しいジャンルかもしれないが、こういう本がもっとたくさん出ると、3段くらいからのステップアップにはいいと思った。
作成日 2008-04-18 | [総合 ( 手筋 )]
 寄せの極意
寄せの極意―対居飛車、対振り飛車を徹底解説 終盤の華麗な技で勝利をつかめ! (スーパー将棋講座)
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著者:高橋 道雄 / 出版社:創元社
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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<%myrate2()%> (評価:初段~三段)
<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫あり。(価格・在庫状況は5月18日 9:59現在)


 寄せの技術についての解説本。
 各テーマごとに、見開き2ページの基本問題と、テーマを応用した実戦解説を4ページ前後費やしている。
 サブタイトルが対居飛車・対振り飛車となっているが、著者が純粋居飛車党ということもあって、対居飛車は矢倉のことであり、対振り飛車は居飛車から見た美濃・穴熊攻略である。振り飛車党は逆の立場で読まなければいけないし、横歩取りなどは出てこない。

「とにかく上から押さえていこう」「王手をかけて玉を逃がすのは下策」といった感じの初級編テイストではあるが、基本問題から全体図を使用しているため、やや複雑な印象を受けた。このレベルのことを解説したいのであれば、部分図にしたほうが頭には入りやすいんじゃないかなぁ……と思う。
 また、ちょっとムリがないかこのテーマは? というものもないではない。「遊び駒を活用せよ」とか「盤面を広く見ろ」とか、これは寄せの極意というよりは常に考えておなければならないことだと思うのだが(笑)。また、基本問題で美濃囲いの▲7四桂という手を解説しておきながら実戦編では▲9四桂という手を出すとか(▲7四桂の筋はかけらも出てこない)、ちょっとチグハグな部分もないではなかった。この辺りの部分をもう少し整理して削り、横歩系の陣形に対する寄せを盛り込んだ方が、内容としては充実した気がする。

 やや重箱の隅的な注文ではあるが、逆に言うとそれ以外の部分、たとえば問題のレベルや解説の多寡などは非常にバランスが取れていてすばらしい。創元社らしい初級者に優しい作りになっていると思う。
 前述のとおりすべてが全体図なのでとっつきにくい印象があるかもしれないが、初段前後までであればお勧めできる良書である。
作成日 2008-03-22 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 将棋・ひと目の端攻め―攻防の手順がわかる200問
将棋・ひと目の端攻め [マイコミ将棋文庫SP] (マイコミ将棋文庫SP)
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著者: / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,050 (定価)
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<%myrate2()%> (評価:初段~三段)
<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫あり。(価格・在庫状況は5月18日 9:59現在)


「端攻め」という1ジャンルにしぼって解説している手筋本。一局の将棋で端がからまないということなどはほとんどなく、そういう意味では必修手筋とも言えるはずなのだが、これまであまりクローズアップされてこなかった。
 もちろんそれは触れてこなかったという意味ではなく、実は「歩の手筋」「囲いの崩し方」という形で取り上げられてはいた。しかしそのためやや手筋が分散してしまった感があった。本書では、200問の次の一手形式で端攻め手筋を網羅している。

 端攻めの基本手筋から始まって、終盤での手筋、囲いの崩し方と、本当にいろいろな形での端攻めが載っている。また難易度も、▲4六角△1一香△1四歩持駒歩歩の局面で「▲1二歩△同香▲1三歩で香得が確定」というレベルから(正直、最初の問題がこれだったので「入門書だったのか?」と少し不安になった)9手くらいの一連の手筋までさまざまだ。下は初心者(初級者ではなく)から上は2、3段くらいまで十分に楽しめる。

 個人的な話になるが、今回200問を解いてみて、自分がやはり振り飛車党だということがよくわかった。矢倉の崩し方の正答率が他に比べてかなり低かった(4、5問は出なかった)。「自分の客観的な将棋観をはかる」という、ちょっと変わった楽しみ方もできるようだ(笑)。
 有段者にとっては常識レベルの話だろうが、そこまで行かないなぁ……という人であれば、一度目を通しておくのもいいと思う。いっぺんでいいなら立ち読みでも十分だが、できればたまに読み返して棋力が落ちてないかをはかる試験にするという読み方もある。
 次の一手形式というサラッと読める形式なので、こちらもそれを活かした読み方をするべきだ。
作成日 2008-03-20 | [総合 ( 手筋 )]
 光速の寄せ1 振り飛車破りの巻
光速の寄せ〈1〉振り飛車破りの巻 (Super series special (Volume 1))
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著者:谷川 浩司 / 出版社:日本将棋連盟
出版日:
¥ 1,020 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は5月18日 9:59現在)


「光速の寄せ」で名を馳せる谷川の寄せ解説本。もともと谷川の著書は一定以上のクオリティを持っているが、本書は格別。殿堂入りにしても文句ない名シリーズである。

 5巻セットの1巻目は居飛車から見た振り飛車退治の本。基礎知識編で美濃囲いと穴熊囲いの特徴を学び、手筋編で崩し方を、即詰み編で詰み手筋を次の一手形式で解説する。
 非常に内容が濃く、実戦で生じやすい形がよく出てくる。本書の手筋を知っているかいないかだけでかなり勝率が違ってくるだろう。しっかりと体系化された良書だと思う。
作成日 2007-09-03 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 終盤の定跡デラックス
終盤の定跡デラックス
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著者:週刊将棋 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 999 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は5月18日 9:59現在)


 昔、毎コミで出ていた『終盤の定跡』をまとめたもの。それに加えて、囲いの崩し方と3手5手の詰め将棋が載っている。

 そもそもの『終盤の定跡』シリーズが週刊将棋の段級認定問題を採録したもので、本書では初歩から3段までが載っている。2段だの3段だのといいつつ、しかし他の記事はといえば初級講座と3手詰5手詰というのはかなりの違和感だが(笑)、要はそれだけ問題が難しくはないということだろう。事実、正解率が9割前後の問題は「よくある手筋」がほとんどだ。

 初級者が力をつけるには悪い本ではないと思うが、なにぶん現在は手に入りづらい。類書もあることだし、わざわざ手間をかけてまで読む本ではないだろう。古本屋などで見かけたらキープしておくのはアリだと思う。
作成日 2007-08-31 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 終盤の手筋 詰み・詰めろ・必至・囲いの攻略・受けの基本テクニックを学ぶ
終盤力養成講座〈1〉終盤の手筋 (将棋終盤力養成講座 (1))
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著者:勝浦 修 / 出版社:創元社
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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通常2~4週間以内に発送(価格・在庫状況は5月18日 9:59現在)


 級位者向けに詰め手筋や囲いの崩し方を教える、という内容。

 一冊に詰め込むにしては範囲が広く、そのためやや散逸な印象を受ける。しかし、もともと基本手筋の紹介であるのでこれで十分だろう。
 図面も大きく、初級者から中級者にとっては「読みやすい」本でもある。
 創元社らしい、入門向けに手がたく作られた良書だ。
作成日 2007-08-30 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 不思議流受けのヒント
不思議流受けのヒント―勝ちを決める手筋の宝庫! (スーパー将棋講座)
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著者:中村 修 / 出版社:創元社
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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「受ける青春」おさむちゃん(<こら)の、将棋の「受け」の部分について書かれた本。

 結論から言ってしまうと、なんともよく判らないできあがりになっている。
 というのも、扱っている題材の難易度がバラバラなのだ。初級レベルの歩の手筋を解説していたかと思えば、ギリギリで切らせて入玉などといった高度な話をしている。合わせ歩を習う人間が、10手先の局面を考えての受けの手なんて指せるかっ!(笑)
 ただ、逆に言うと、どの棋力の人でもそれなりに楽しめる内容にはなっていると思う。
 級位者の人は、易しい手筋を覚えるだけにして、難しい部分は「鑑賞」すると割り切ってしまった方がいいだろう。
 初段よりちょっと上の人は、ここで挙げられている題材を見ながら、「切らせて勝つ快感」を覚えて下さい。切らせて勝つ快感を覚えてきたら、どうぞ3二金戦法の世界へ……(<違う)。

 かように面妖な本なので、ちょっと購入するのは勇気がいると思う。まずはいったん中を確かめて、後悔しないと確信したら買うといいだろう。

作成日 2006-09-02 | [総合 ( 手筋 )]
 終盤の謎
森信雄の強くなる将棋〈2〉終盤の謎 (森信雄の強くなる将棋 (2))
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著者:森 信雄 / 出版社:山海堂
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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 前著『終盤の鬼』に続く「寄せのレッスン本」。ただし、前著もそうだったが、基本に忠実ではあるのだが問題自体はスーパートリックである(まえがきにも断り書きがある)。

 もともと白砂はこういう「次の一手本」というものをあまり信用していないので、その点でやや評価は辛くなっている。ただ、本書は「詰めろ逃れの詰めろ」といった切り返しの技が基本なので、自陣敵陣に目を配りつつ、速度計算もしつつ……と、結構高度なことを考えないといけない場面も多い。まぁ、大体は妙手一発で終わるんだけどね(爆)。

 正直な感想を言えば、スーパートリックの続きのような「鑑賞物」という位置づけに近いと思う。
作成日 2006-09-02 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 詰めと必至ハンドブック
詰めと必至ハンドブック
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著者:内藤 國雄 / 出版社:日本将棋連盟
出版日:
¥ 1,155 (定価)
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 初級者から中級者向けくらいを対象にした、易しい必死集。
 簡単な1手必死120問と、少し難しい1手必死30問とからなる。

 終盤を鍛えるなら詰将棋より必死の方が実践的で、というか必死はその中に詰将棋を内包しているため、読みの長さが少し多く必要になる。そのため、たった1手の必死とはいえ、詰将棋に直すと5手とか7手分を読むことになる。読みの訓練になるのも納得というものだ。
 本書では、前段として詰みの形について解説し、どの持ち駒があれば詰むかという練習問題でウォーミングアップする。それから1手必死に入っていくので、徐々に読み筋が深まっていくのだがあまり気にならない。

 問題数、問題の質ともに、初段以下の人には最適だと思う。

 こういう良質な必死本を読むと、必死と詰将棋を合わせた本というのも欲しくなってくる。
 問題が提示されるが、詰むかどうかが判らない。詰ますか必死をかけるかという選択も同時に迫られる。応用問題として、詰みも必死もかからないのでいったん受けに回るとか、2手スキをかけて勝ちとか、そういう問題がところどころに入っているとなおいい。
 浅川書房あたりで一つよろしく(笑)。

作成日 2006-07-08 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 羽生善治の終盤術2 基本だけでここまで出来る
羽生善治の終盤術〈2〉基本だけでここまで出来る (最強将棋21)
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著者:羽生 善治 / 出版社:浅川書房
出版日:
¥ 1,365 (定価)
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 前作に続き、寄せについて書いた本。お得意の「本をひっくり返す」次の一手方式で書かれている。

 サブタイトルは「基本だけでここまで出来る」となっていて、取り上げられた形を見ても、なるほど基本的な手筋だけで構成されている。入門書で手筋を覚えても、実際に使いこなせなければ意味がないという好例だろう。
 同時に、羽生の「大山先生は手を読んでない。ホントに読んでないんですよ」という発言も思い出した。大局観と基本的な手筋が頭にあれば、手を読むことなどしなくてもツボに手が行くということだろう。事実、本書に載っている、堅そうな陣形、手がかりのなさそうな玉形が、あっという間に寄ってしまう。「公式は暗記するのが重要なのではなく、使いこなすことが重要」だということがよく判る。

 次の一手形式も効果的に機能していると思う。
 羽生が講座で壇上に立ち、大盤を動かしながら「これはこうやっていきます。……次の形、これはこう攻めれば潰れてますね」と解説しているようなスピード感が感じられる。次の一手形式の「ブツ切り感」がいい方に作用しているのだろう。

 ただ、その点から苦情を呈すると、個々の問題に関連がないのが逆に気になった。
 前述のたとえを使うなら、「これはこうやっていきます。……次の形、これはこう攻めれば潰れてますね」と言う時、通常は「先程と同じく……」とか、「この筋があるので前回の手順は使えず、代わりに……」とか、前後にはなんらかの関係性があるものだろう。そうやって体系的に学ぶことによって、よりいっそう理解が深まる。本書には、あまりそれが感じられなかった(ないわけではない。念のため)。
 そのため、本当に単に次の一手をいっぱい解くだけ……という雰囲気もなってしまいがちだ。
 題材の難易度など、非常にうまくできていると思うので、もったいないと感じた。

作成日 2006-07-08 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 羽生善治の終盤術3 堅さをくずす本
羽生善治の終盤術〈3〉堅さをくずす本 (最強将棋21)
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著者:羽生 善治 / 出版社:浅川書房
出版日:
¥ 1,365 (定価)
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 かなり高度な内容を実は解説しているこのシリーズ。第3弾は「囲い」にスポットを当て、その崩し方を解説している。

 登場するのは美濃・矢倉・穴熊の3種。
 囲い崩しだったら対振り飛車の舟囲いはないの? と思ったが、冷静に書名を見てみれば『堅さをくずす本』だった。舟囲いは固さよりは広さを主張する囲いだ。

 内容としては、まずはじめに一般的な囲い崩しの「形」を解説し、次に実戦譜で具体的な手順を解説する。次の一手形式で延々続く形式なので、図面はかなり多い。

 ただ、どうも不満というか、事前の触れ込みとの落差のようなものを感じてしまった。こちらが勝手に感じてしまったものなので酷な話ではあるのだが。
 最初、本書は「どういう形であればどういう囲い崩しの手筋が利用できるか」というテキスト(講座)的なものだと思っていたのである。この形はこの金と龍の位置関係に注目、この場合はこういう手筋が利きます、とか、この場合はここに後手の利きがあるため、手筋1は使えません、とか。
 それも基本的な囲い崩しだよ、と言われてしまえばそれまでなのだが(<そうなのか)、むしろこれは「囲い崩しの応用」だと思う。で、本書は、その応用のメカニズムを解明した画期的なものだと思ってしまっていたのだ。

 もっとも、本書の形式が白砂にはあまりなじまなかった、という方が根本的な問題で、そのために評価が低くなってしまっているのかもしれない。次の一手形式とはいえ、きちんと順序立てた例題が並んでいるので、体系的に学べると言えなくもない。
 また、扱われている手筋はよくあるものだが、プロの実戦で出てきた「王道の寄せ」である。その手触りを覚えることは、間違いなく棋力向上につながるだろう。

 結局のところ、題材自体は悪くない。あとは読者の腕次第、という感じの本だと思う。
作成日 2006-07-08 | [総合 ( 終盤・寄せ )]
 羽生の法則 Volume5 玉の囲い方
羽生の法則〈5〉玉の囲い方
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著者:羽生 善治 / 出版社:日本将棋連盟
出版日:
¥ 1,365 (定価)
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 今までの4冊は「駒の手筋」を解説した本だったが、今度はもっと大きな視点で見た、今までのシリーズとは違う中級者向けの本ができた。
 タイトル通り、玉の囲い方についてカタログ的に解説している。

「振り飛車」「矢倉」「相居飛車」といった具合に大まかに戦法を分けて、そこで出てくる囲いについて紹介している。
 解説されているのは「囲いができるまで」で、囲った後の攻め筋や囲いの攻略法などは載っていない。思いっきり身も蓋もない言い方をすると、序盤だけが延々と続く本だ。そういう意味では「退屈な本」と思われてしまうかもしれない。

 しかし。
『将棋世界2006.8』の勝又講座のように、プロでは序盤の数手にも気を使っている。
 本書は、形をカタログ的に駆け足で紹介することによって、「こういう形になると、このあとはこういう囲いになるんだよ」という未来図をいくつも示してくれる。これは、前述の講座ほど細やかで専門的ではないが、序盤の駒運びというものに目を向ける効果がある。雑になりがち、自分のことばかり考えがちな初級者中級者にとって、「相手がこうやってくるならこっちはこうしよう」という将棋の面白さに気づかせてくれるという点で、本書は立派に役に立つだろう。
作成日 2006-07-08 | [総合 ( 総合 )]
 清水市代の将棋トレーニング
清水市代の将棋トレーニング (NHK将棋シリーズ)
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著者:清水 市代 / 出版社:日本放送出版協会
出版日:
¥ 1,050 (定価)
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<%myrate2()%> (評価:初段~三段)
<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は5月18日 9:59現在)

 NHK将棋講座の内容をまとめた本。本には「加筆修正」と書いてあった気がするが、NHKの録画時間は10:23~12:00までとしている(こうするとちょうど指し初めから録画される)ので、真偽のほどは判らない。

 一読して、かなりいいんじゃないかと思った。
 中盤の手筋や寄せの局面を抽出して、手筋を紹介するというまぁありふれた本ではあるのだが、それなりにきっちりとまとまっている。もう少し強くなるためのステップアップコラムのようなものも用意されていて、初級者が中級者になるにはちょうどいい難易度になっていると思う。

 確か昔の『近代将棋』だったと思うのだが、「上達法はなにか?」という記事があり、そこで「▲7六歩より頭金」と結論されていた。小難しい序盤よりは、詰める詰められるというスリリングな終盤を体験する方が上達の早道である、ということだ。そのとき、著者も同様のことを言っていたように記憶する。
 本書は、そんな著者の哲学にピッタリ沿った内容になっている。入門書としては申し分ない。
作成日 2006-03-31 | [総合 ( 手筋 )]
 角交換振り飛車
角交換振り飛車 (スーパー将棋講座)
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著者:畠山 成幸 / 出版社:創元社
出版日:
¥ 1,260 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫あり。(価格・在庫状況は5月18日 10:01現在)


 後手から角を交換して△4二飛とし、機を見て向かい飛車に振り直す、いわゆる「2手損四間飛車」を解説した本。
 サブタイトルのネットで流行の真偽は判らないが、白砂の記憶では『奇襲大全』に少し載っていた程度で類書はほとんどなく、初めての解説書といっても過言でないと思う。

『奇襲大全』では四間飛車穴熊穴熊型のみが解説されていたが、本書では高美濃型も紹介されている。また、角交換拒否のタイプも紹介されているので、とりあえず指してみるには十分な情報が揃っていると言える。

 個人的な事情を言うと、7七桂戦法の変化で似たような形になる(△6四歩型)ので、出版後すぐに買った。そして、すぐに「そうだこれは創元社だ……」と(笑)。
 指し初めには有効だが、指しこなすには本書だけではちょっとキツい。実戦で揉まれる必要があるだろう。

(2006.1.8 記)

作成日 2006-01-08 | [総合]
 阿部隆の大局観・良い手悪い手普通の手
阿部隆の大局観―良い手悪い手普通の手
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著者:阿部 隆 / 出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:
¥ 1,365 (定価)
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<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫切れ(価格・在庫状況は5月18日 10:00現在)


 NHK将棋講座の内容をまとめた本。
 なぜか知らないが、毎コミからの出版となっている。ひょっとすると若干内容が増えたりしているのかもしれないが、目次にも「NHK将棋講座を元に……」とあったし、何回か見た講座の内容とは合致している。よく判らないのでこの辺は考えないことにしよう。

 内容は書名通り「大局観を養う本」になっている。
 3択形式で出題し、その手がなぜいいか、なぜ悪いかを解説する。また、ところどころに「ポイント」という項が設けられていて、重要なポイントを解説してくれる。

 著者が居飛車党のため、対抗形はすべて居飛車の立場で書かれているし、相居飛車はあるが相振り飛車はない。矢倉も3七銀戦法と脇システム(!)、横歩取りは8五飛戦法と、講師の立場に立って書かれたものであることが判る。大局観を養うという点ではすべての層の人に読んで欲しいが、振り飛車党が読んでも鬱になるだけかもしれない(笑)。
 この辺りはこの手の本で問題となるところで、例えば居飛車党の大局観と振り飛車党の大局観は、微妙に、しかし根っこのところで完全にズレている。まぁだからこそ各種の戦法が存在しそれを得意にしている人がいるわけなのだが、では、居飛車党の立場に立って書かれた大局観の本が、振り飛車党の立場にどれだけ役に立つかというとこれまた微妙だ。

 もっとも、本書についてはそういう懸念はない。
 対象棋力がやや下に設定されているため、戦法の問題ではなくまずは正しい大局観の捉え方考え方を見につけましょう、という内容になっているからだ。
 対象棋力は高く見積もっても3段まで、一般には、初段くらいが対象だと思われる。
 それ以上の棋力の人は、本書はあまり必要がない。題材も最新形ではないし、本書で書かれていることは有段者ならすでに身につけていなければならないことだろう。 逆に、定跡書を何冊も読んでるのに勝てない、という級位者の人は、まずは立ち読みで最初だけでも読んでみて欲しい。おそらく何か得るものがあるはずだ。

 中級者向けの非常にいい本だと思うのだが、一つだけ苦言を呈したい。
「ポイント」を出してくれるのはいいのだが、その「ポイント」という表示が非常に目立たない。せっかくのポイントなのだから、もう少し太字で書くとか(一応太字にはなっている)、背景をグレーにするとか、もう少し工夫をして欲しかった。
 これもとりあえず店頭で確認してみて欲しい。せっかくのポイント表示が、かえってキツキツのレイアウトを際立たせてしまっている。じゃあどうすりゃいいんだよというと(文字数の問題もあって)難しい問題なのだが、本書の対象棋力くらいの人に対しては「読みやすく読ませる」工夫も必要だろう。

(2006.1.8 記)

作成日 2006-01-08 | [総合]
 羽生善治の終盤術1 攻めをつなぐ本
羽生善治の終盤術(1) 攻めをつなぐ本 (最強将棋21)
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著者:羽生 善治 / 出版社:浅川書房
出版日:
¥ 1,365 (定価)
<%myrate1()%> (評価:級位者)
<%myrate2()%> (評価:初段~三段)
<%myrate3()%> (評価:四段以上)
在庫あり。(価格・在庫状況は5月18日 10:01現在)


 浅川書房がついに動いた。羽生を担ぎ出しての大局観解説本である。
 シリーズ第一巻は「攻めをつなぐ本」。主に中盤戦たけなわの局面から最終盤までの局面について、考え方や指し手の方向性について解説している。

 ただ、実際の体裁は「解説」ではなく、次の一手の出題という形になっている。『読みの技法』系の体裁を期待していた白砂はちょっと拍子抜けだった。実際、一通り読んでみた感想としても、「これちょっと……」だった。
 ちょっと、の原因は単純なことで、解説の量と解説の質が一致していない。一言で言うと「解説が少なくてわかりづらい」。非常に高度な解説をしているので、次の一手の回答としての解説量だと少なすぎるのだ。
 また、一局を数問に分けて出題している。そのため、その局の最後の方の問題では「読む手数」が少なくてすむが、最初の方では成算が持てる局面に持っていくまでの読む手数はかなり長くなる(ややこしい表現で申し訳ない)。まえがきには「7手詰めが読める程度の棋力があれば……」とあるが、上記の理由により、それはちょっと疑問だと思う。

 まぁごちゃごちゃと書いたが、要は「せっかく高度なことを書いているのだから、それに見合う編集形式である講義形式にしてほしかった。次の一手形式ではその効果が半減する」ということである。

 ……ところが。

 騙されたと思って、もう一度読み返してみて欲しい。
 できれば一読した後すぐがいい。「答えを知っている」状態でもう一度読むのだ。

 するとあら不思議(笑)。次の一手形式だった体裁が、図面を豊富に使った解説本へと一変しているではないか。
 要するに、「次の一手として問題を考える」→「答えを見る」→「解説を読む」というステップが、非常に「疲れる」ものだったのだ。答えを考えるという思考と、解説を読んで理解し吸収するという思考とは違うということなのだろう。再読した場合は、純粋に解説だけに集中して読めるために、思考の流れというかパターンが一つで済むために疲れず、非常に判りやすく読める。
 実際のところ、これは単純に白砂の棋力では理解しづらいほど高度なことをやっているだけかもしれないのだが(笑)、とりあえず白砂の場合はそうだった。そういう読み方をすると、図面一つ一つに解説が入り、手の流れを説明して最後に理論を総括するという実に丁寧な解説本として読める。

 この読み方が正しい、と言うつもりはないが、「一読してもよく判らん」と思った方はぜひとも試してみて欲しい。きっと効果はある。本書で説いているものを吸収できないのはもったいない。
 もちろん、それでも難しいと感じることもあると思う。しかしそれは仕方がない。それだけかなり難しいことを説明しようとしている本なのだ。本書は。

(2006.1.8 記)

作成日 2006-01-08 | [総合]
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