最近の棋書紹介

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 コンピュータ発! 現代将棋新定跡

コンピュータ発! 現代将棋新定跡 (マイナビ将棋BOOKS)
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著者:suimon / 出版社:マイナビ出版
出版日:2018-06-12
 (定価)/50pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は7月14日 9:07現在)

 現在(2018年6月)流行っている、または流行っていた将棋の戦法のうち、コンピュータ将棋発のものを4つ抽出して解説した本。
 もちろんプロの実戦などからも手を紹介しているが、floodgateでコンピュータ同士が対戦した棋譜を主に使用している。また、局面の評価についても、コンピュータの評価値を適宜紹介することで可視化している。昔、+とか±とか記号で形勢を表示していたものに似ているか。

 戦形は以下の4つ。
角換わり▲4五桂
駒組の途中のような形からいきなり▲4五桂と仕掛けていく現代将棋の立ち位置を示すような戦法。成立する・しないは細かい形の違いによって変わってくるため、いろいろな形について、おもに玉の位置の違いを中心に解説している。
角換わり▲4八金
▲4八金▲2九飛、というか元をたどれば△6二金△8一飛型になるのかな、去年(2017年)千田がこれで升田幸三賞を取っていた形。原型となった△6二金▲5八金型と、△6二金▲4八金を解説している。
雁木
高見増田の「矢倉は終わった」に代表されるように、近年矢倉に代わって急速に指されるようになった。本書ではツノ銀型を主に解説している(もちろん通常型の雁木もちゃんとある)。
相掛かり△7四歩取らせ
説明が難しいが、早めに△7四歩と突いてそれを▲7四飛と取らせ、その飛車を△7三銀△6四銀と追い掛け回すことで手得を強調する指し方。プロでは山﨑がよく指していたと思う。これはさすがに力戦形なので体系だった解説は難しいが、いろいろな形についてまとめている。
 まさに最新形の将棋ばかりだ。
 形勢判断についてもかなりシビアで、いやここで先手有利かよ……というような局面もゴロゴロある。昔の『角換わり腰掛け銀研究』のような感じである。これは有段者でも読みこなすのは難しい。正直白砂も一読しただけでは入ってこなかった。ちょっと面倒でも各章ごとに3回くらいずつ読み返すか、盤駒の力を借りないと理解するのは大変だと思う。

 欲を言えば、例えば▲4五桂にしても、昔は無理だと思われた形が現代に指されているわけで、例えばどの手順で無理だと思われていたのに思わぬ手があってそこに青信号が点ったから復活したとか、そういう「どんな新しい酒を盛ったのか」という部分の解説がほしかった。まぁそうなるとむしろ勝又教授の出番という気がしないでもないので(笑)、本書の立ち位置としてはあくまでも「プロを超えたコンピュータ将棋から見たプロの最新形」というこのスタイルでいいのか。
作成日 2018-06-15 | [定跡 ( 居飛車全般 )]
 将棋の序盤でやってはいけない手

将棋の序盤でやってはいけない手
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著者:高橋 道雄 / 出版社:創元社
出版日:
 (定価)
<%myrate1()%> (評価:級位者)
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月15日 22:20現在)

 定跡の中から「悪手」「疑問手」を抜き出して、逆に「こう指しちゃダメですよ」と解説することで定跡の正しい手順を理解しよう、という本。
 戦形もいろいろあり、総合定跡解説っぽくはある。

 ……という説明だけを聞けば面白そうだ、と思うかもしれませんけども。
 ちょっとなぁ……。

 まず、少し問題の難易度設定にバラつきがありすぎること。
 相矢倉の解説をするのに▲7六歩△3四歩▲6八銀はダメですよ、というところから始めるのに、相矢倉でこう指すと陣形合戦で不利になりそのまま負けるよ、というのを同時に解説するのはちょっと無理があると思う。有段者から見ればどちらも悪手・疑問手だとは思うが、悪さのレベルが違う。

 いっそのこと、戦形で分けるのではなく、難易度で分けるくらいの方がいいような気がする。例えばこんな感じで。
 第一章は▲7六歩△3四歩▲6八銀レベルでいいと思う。とにかく駒組の途中で駒損や角の両成りなどをされるという「目に見える悪手」。
 第二章は矢倉で▲7八金と備えずに▲4八銀としてしまうとか、角換わりで△4一玉と寄ると▲4五銀△同銀▲6三角とされるとか(形は察してくれ(笑))、5手から9手くらいまで読むと形勢を決定的に損ねることがわかる「読むとわかる悪手」。
 第三章は、第二章からもう少し進んで、右四間に対して矢倉を組むと攻めつぶされるとか、かなり深く読むと形勢を決定的に損ねることがわかる「読むとわかる悪手」。
 そして最後に、駒組が不自由になるなどの「不利になる疑問手」。例えばアマ有段者と級位者が戦ったらひっくり返されるくらいの、だけど悪い手とされているからその展開には飛び込まないようにしようね、という形など。

 これくらい分けて話をしてくれれば理解もしやすいし、逆に「知っといた方がいいけどまだ早いから完全に覚えなくてもいいよ」という感じで、棋力によって使い分けることもできる。
 正直、タイトルを見たときはこういうものを想像していたので、ハードルが高かった分なんか評価が低くなってしまった。悪い試みじゃないとは思うんだけど……。
作成日 2018-06-02 | [定跡 ( 全般 )]
 振り飛車の核心 ”さばき”の基本手筋

振り飛車の核心 “さばき
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著者:藤倉 勇樹 / 出版社:マイナビ出版
出版日:2018-04-23
 (定価)/50pt (Amazonポイント)
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在庫あり。(価格・在庫状況は7月15日 10:27現在)

 振り飛車側から見た対抗形の定跡について、次の一手で勉強する本。三択・ヒントつきというどちらかというと級位者向けに作られている。

 問題は四間飛車がほとんどで、一応三間飛車・中飛車・向かい飛車もある。なぜか4→3戦法も入っているのがいいのか悪いのか。あと、中盤の次の一手というのも少し入ってたかな。
 特に四間飛車編では居飛車側の戦法がほとんど急戦で、▲8五歩△同銀▲8八飛とか、▲6四歩△7七角成▲6五銀△7五飛▲7七桂とか、居飛車穴熊黎明期を知っている白砂くらいの世代には懐かしい手順が紹介されたりしている。懐かしいのは結構だがしかしどれくらい需要があるのかが少し疑問で、同時にそんな風に将棋が変わってしまったことにちょっと残念に思ったりもしてしまった。

 定跡の基本的な部分の、振り飛車がカッコイイ部分を抜き出して紹介してくれているので、定跡の勉強というよりは振り飛車の「布教用」かなぁ……などとも考えてしまった。とにかくこういう手順・形を紹介して、捌きのカッコよさを吸収してもらおうというのであれば、一定の効果はあると思う。鈴木大介定跡というか(笑)。ただ、やっぱり振り飛車の醍醐味ってこれなんだよなぁ。
 初段くらいまでにはこの本の変化はすべて知っているくらいでないといけないと思うので(もしくは「こんな将棋にはならないから必要ない」か……orz)、それ以上の人は勉強用としては本書は必要ないと思う。ただ、「こんな将棋にはふだんはならないけど」というエクスキューズをつけないといけないのは少し悲しいけど、こういうのが振り飛車なんだよ、面白いでしょ! と級位者の人たちに知ってほしくはなる。
作成日 2018-06-02 | [その他 ( 次の一手 ) , 定跡 ( 振り飛車全般 )]
 プロが書けない 「将棋界」

プロが書けない 「将棋界」
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著者:島津 六 / 出版社:ごま書房新社
出版日:
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月16日 4:00現在)

 カルチャー&スポーツライターでありノンフィクションライター(日高将名義)でもある著者が、将棋ファンの目線で将棋界について語っている。

 内容は大きく2つ。

 一つは、昔から現在までの将棋界について。大山・升田時代や羽生7冠など、それぞれの時代について、わざと悪い言い方をすると「昔語りのおっちゃん」風に語っている。また、ファンなら必ず一度は考えたことがあるだろう「史上最強棋士は誰か?」といったことも、かなりのページを割いて考察している。
 個人的には、当たり前といえば当たり前なんだけど「わかるなー」という部分と「そりゃ違うだろう」という部分とがあって、正直あまり評価はしていない。
 例えば、羽生の7冠は史上初の快挙ではあるが、じゃあ大山が7冠取れるかというとまぁ無理で、というのも大山の全盛期はタイトルは5つしかなかったから。ないものは取れない。
 この理屈は判らないわけではない。だから、そういう表現で羽生を過剰に持ち上げているのでは? という著者の主張は判らないわけではない。ただ、だからといってタイトル占有率が強さの証明というわけではないということも見逃してはならない。「井の中の蛙」は最強でもなんでもないのだから(大山がそうだと言っているわけではなくて、「論拠」にならないという話をしている)。その点で、「徹底解析!実力名人制以降最強棋士は誰?」については、ちょっといただけなかった。全体的に論拠が薄すぎる。天野宗歩は当時無敵だったから史上最強、という話をしてるんじゃなくて、天野宗歩が現代にやってきたとして、棋風や棋譜から考察すると現代においても互角以上に戦える、という話をするべきなんじゃないのかなぁ。

 もう一つは著者が受けたことのある指導対局について。
 男性棋士も少しはあるんだけど、メインは女流棋士の指導対局。うーんとね、

ナイスきもい(爆)

 昔、新横浜にアプト(ロシアの超絶イケメンスケーター)が来たことがあって、なんかの弾みに話を聞いたもんだからそれをフィギュアヲタの女の子に話したら速攻で新横浜に飛んでチケット手に入れて(バレバレだったのか、チケット窓口のおっさんに「どこで知りました?」「アブトさん(目当て)ですか?」などと訊かれたらしい(笑))、花束渡せたよありがとうって言われたことがありました。その時はアイスショーだったので、ショーの場合は皆さんがテレビで観るような「花束をリンクに投げ込む」感じじゃなくて、リンクサイドまで来てくれて花束を受け取ってくれるんです。その娘はアブトに握手までしてもらえたそうで、とっても喜んでました。それを聞いて、「あぁ、スケーターってのは『会いに行けるアイドル』なんだなぁ……」としみじみしたのを覚えてます。本書を読んでそれを思い出しました。

感想が無意味だし長ぇよ(爆)
作成日 2018-05-13 | [その他 ( 読みもの )]
 詰飛車問題集

史上初の詰飛車問題集
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著者:石田 直裕、タカ 大丸 / 出版社:主婦の友社
出版日:
 (定価)
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在庫切れ(価格・在庫状況は7月16日 4:00現在)

 詰め将棋ならぬ「詰め飛車」。要するに王手王手ならぬ飛車取り飛車取りで飛車を取るゲームのことである。「シロートの将棋は飛車を取った方が勝ちだ」→「飛車を取る方法を鍛えれば強くなれんじゃね?」という発想の下から生まれたらしい。ほんとかよ。

 詰め将棋でいうところの腹金や尻金、銀の割打ちといった初歩的なものから、角の利きでピンする手筋(図で言うと▲3三角△5一玉△4二飛の形で▲4三歩と打つような手。角の利きに睨まれて△4三同飛と取れない)なども解説されている。正直なところ、そういう発想で本書を読んでもあまり強くなれる気はしないが(笑)、毛色の変わった問題集ではあるので、初心者はいっぺん取り組んでみるのも悪くはないかもしれない。

 第2弾はさすがに難しいだろうなぁ……。
作成日 2018-05-13 | [その他 ( その他の分類 )]
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