2003

伝説シリーズ5 真・石田伝説

真・石田伝説 (MYCOM将棋文庫 5)
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-02-01
価格 :¥95(2024/02/08 03:07時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

アマチュアの花形戦法と言えば棒銀・中飛車・石田流だが、時の名人挑戦者升田幸三実力制第4代名人は独自の改良を加え、なんと石田流を名人戦で指した。大山-升田時代のことなど知るはずのない私は当時の熱狂ぶりを直に感じているわけではないが、それでもその熱気だけは想像できる。
現在でも愛好家の多い升田式石田流だが、しかしその定跡書となると数えるほどしかなかった。だからこそ愛好家達が跳梁跋扈(<妖怪かい)することにもなったのだが(笑)、その石田流に焦点を当てたのが本書である。

本書はこの他にも、立石流や楠本流(対居飛車穴熊石田流)の解説もしてある。
いずれもその戦法の基本コンセプトにかなりの紙数を費やすなど工夫の跡が見えるが、石田流や立石流を指す人間から言わせてもらうと少し変化の底が浅い気がした。
1つの戦法について解説した1~4章よりも、いろいろな石田流の「形」を解説した5章の方が読んでいてためになったのもそのせいかもしれない。
取っ掛かりとしてはいい本だと思うが、自分で磨きをかけないと指しこなすのは大変だろう。もっとも、どの戦形でもそれは言えることなのだが。

作成日:2003.02.14 
三間飛車

ザ・必死 これが終盤の定跡だ

ザ・必死 (MYCOM将棋文庫 4)
著者 :金子 タカシ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-01-01
価格 :¥241(2024/02/08 03:22時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

まさに「幻の名著」とも言える本書。さまざまな必死の形をパターン分類し、次の一手形式で紹介している。
簡単な1手必死から9手以上の長い手順の必死までと、初級者から有段者まで幅広く読めるだろう。

現在でこそ「寄せの本」も多くなったが、当時は類書は多くなかった。また、問題のクオリティの高さは当時から有名だった。とはいえ白砂が実際に本書を手にしたのは販売後かなり経ってからなのだが。

あまり解説が多くないので、手順を見て「なるほど」と思える棋力でなければ読み進めるのは少し辛いかもしれない。有段者は力試しのつもりでぜひとも取り組んでほしい。意外と実戦では寄せを逃しているかもしれない(笑)。

作成日:2003.01.01 
終盤・寄せ
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