新・対局日誌 第7集 七冠狂騒曲(上)

作成日:2002.09.30
新・対局日誌 第7集 七冠狂騒曲 上
著者 :河口 俊彦
出版社:河出書房新社
出版日:2002-09-01
価格 :¥1,112(2024/02/08 01:18時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

もともと、この『対局日誌』という本はどう読んでいいのか判りにくい、という面がある。いや、判りにくいというと失礼な話で、要するにいろいろな読み方ができるということなのだが。
単純に考えれば、日々のプロ棋士の横顔、表に出ない素顔を見られるという本でもあるのだが、同時にプロ将棋のエッセンスをうまく散りばめているので、手筋集としても面白く読める。白砂がよくコラムで取り上げるのはそういう事情もあるからだが、というわけで、単純な分類分けができない珍しい棋書である。

今回の話は羽生が七冠を取れるかどうか……という辺りの話で、もう結末は判っているのだが(笑)谷川が最後にふんばって七冠は達成されなかった。しかし、その辺のことをいかにも著者らしい視点と語り口で綴っている。
これが嫌い、という人ももちろんいるだろうが、白砂はそんなに気にならない。年寄りの戯言部分は「はいはい」って感じで読み流している(笑)。